釜蓋山墜落機3 始まりと挫折

しゃーくさめさめ（Op.Fubo） @same_desu2

最上駅から1時間ばかし歩いた萱場集会所の前で、まずこの案内板を見つけた。これで慰霊碑と墜落地点のだいたいの場所がわかった。 とはいえ、初めてきた全く土地勘のない場所だったからね。思いのほか難航して、あちこちうろうろする羽目になった。 #釜蓋山墜落機 pic.twitter.com/Y034AapIyv

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で、仕方なく近くの畑で農作業をしていた、異常にカムフラージュ率の高いおばあちゃんに声をかけてみたんだ。 人の良さそうな、いかにも田舎のおばあちゃんって感じの素敵な方だった。トトロとかジブリアニメに出てきそうというか。 #釜蓋山墜落機

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「すみません。戦時中に墜落した飛行機の慰霊碑を探してるんですが、どこかわからなくて…」 「探してるのは慰霊碑のことかい？それとも…」 「慰霊碑です。こちらの、慰霊碑になります」と、さっき案内板で撮影した写真を見せた。 「それならね…」と道を教えてもらう。#釜蓋山墜落機

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「知りたいことはそれだけでいいのかい？」 この人なら、もっと話してくれるだろう。正直なところそう思ったし、もっと聞きたいという欲も大いにあった。#釜蓋山墜落機

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だけど、このシリーズで1番最初のまとめにも書いた通り、まだそれはやりたくなかったし、ぼくの証言を聞くってことに対する倫理観って言うのかな、ROEがギリギリのところで、ぼくを抑えた。#釜蓋山墜落機

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こっちのまとめにも書いてるから是非みて欲しいんだけど、最初のまとめに述べたことと併せて、これがぼくの証言を聞くってことに対するの基本姿勢なんだ。#釜蓋山墜落機 togetter.com/li/1057936

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この時点で、ぼくは慰霊碑の場所さえわからないほど何も知らなかった。 つまり証言を聞くに値するほど、充分に調べている人間ではない。 だから、まだダメだ。ダメなんだって自分を押し留めた。#釜蓋山墜落機

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「はい、ひとまず慰霊碑の場所が知りたかっただけなので充分です。本当にありがとうございます。お忙しい中、失礼いたしました」 そうして、ようやくあの慰霊碑に出会い、胸を打たれて…改めて誓いを立てたわけだ。このヒントから、独力で調べよう、と。#釜蓋山墜落機 pic.twitter.com/yVjhiDJGR0

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そうして調べ始めてあっちこっち巡ったあと、改めて二つの記事をじっくりと読んでみた。 どちらにも「現地で火葬した」とある。この「現地」とは、文脈から考えれば墜落地点である可能性が高い。#釜蓋山墜落機

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「慰霊碑のことかい？それとも…」あのとき、おばあさんはぼくが遮らなければ、なんと言おうとしていたのか？ ひょっとして…こう続いていたんじゃないか？ 「石碑のことかい？」と。 #釜蓋山墜落機

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ネット情報とはいえ、最初に見つけたブログにも石碑があると書いている。#釜蓋山墜落機 pic.twitter.com/U9qAlb6hEX

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不忘墜落機群と同じだ。直感的に、そう思っていた。#釜蓋山墜落機

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不忘墜落機群も、もともとは不忘山頂付近に建立された「不忘の碑」という慰霊碑があった。しかし当時を知る人の多くが高齢化によってそこまで行けなくなってしまう。そこで地元の有力者が、自ら4桁万円の私費を投じて麓に立派な公園を作り上げ、去年の夏に開園したという経緯がある。 #釜蓋山墜落機

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この月楯地区の住民たちもまたそうなのだろう。 高齢化により、当時を知る人の多くが墜落地点の石碑には行けなくなった。それでも、過去に起きたことを忘れないように、過去に起きたことを残そうと、麓に慰霊碑が新たに建立されたのだとすれば… #釜蓋山墜落機

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墜落地点に、石碑がある。 そこに、日付けが刻まれているとしたら。戦死者名簿の搭乗員の名前が刻まれているとしたら。末吉中尉の名があるとしたら。#釜蓋山墜落機

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これまでわかったこと、その全てをひとつに繋げる最後のピースは、始まりの地、グラウンドゼロにある…かもしれないってわけだ。#釜蓋山墜落機

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まったく、新聞の小さな記事から麓の慰霊碑を見つけ出し、墜落地点の到達に二度失敗したあとにしばらくサボり、防研の一次史料まで潜ったと思ったら、結局は一般書籍まで浮上し、雑誌経由で最初の記事に戻り、墜落地点に至るんだから、実にドラマチックなもんだよねw #釜蓋山墜落機

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おかげで山登りとか苦手なとってもひ弱なぼくちゃんは、例によっていまや道もなく、なまじ標高が低いせいでたっぷり草木が生い茂ってる上に熊ちゃんまでいる山の中を、墜落地点まで単独で突破しなきゃならんことになるわけだけどw #釜蓋山墜落機

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もちろん、全ては推測に過ぎない。そもそも人が入らなくなって久しい墜落地点に石碑が実在したとして、まだ残っているのかさえわからない。それを見つけたところで、ただなにも刻まれていない石がそこにあるだけかもしれない。盛大な空振り、無駄な努力でしかないかもしれない。 #釜蓋山墜落機

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で、それがなんだっていうんだ？ 彼らが命を落としたその場所で、ただ手を合わせる。それだけで充分行く意味はある。#釜蓋山墜落機

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どっち道、墜落地点に不忘のようにまだ遺留品が残されているか確かめる必要がある。 あるなら、そのGPSデータの収集やら携帯気象計による気象データ収集やら、やることはたくさんだ。 もし手がかりにならなかったら、次の手を考えればいいだけのことよ。#釜蓋山墜落機

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というわけで、山行の準備を整える。 時期は墜落日の可能性が高い8月3日！ さあ行こう！ いつものように這いつくばって！！ #釜蓋山墜落機

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…まさにその矢先だった。7月24日、例の別件でやってる不忘墜落機群の第3墜落地点を単独で調査中、右膝の皿をぶち割る全治3ヶ月の怪我を負ったのは。#釜蓋山墜落機

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いやー、例によって道なんざありゃしないから仕方なく枯れた沢を遡上中に、ちょっと滑って転んで滑落してさwwwww なんとか無事に強行下山出来たから笑い話なんだけど、文字通り遭難に片足を、もう片っぽは棺桶に突っ込んでたわけで、マジで死ぬかと思ったねwwwww #釜蓋山墜落機

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だけど目的だった墜落3番機44-69747の破片は、ばっちり見つけて持ち帰ってきたんたぞいwwwww #釜蓋山墜落機 pic.twitter.com/V8XY6aX8bA

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