ジム・カミンズ(Jim Cummins)の理論と日本の第二言語教育
BICS/CALPの「日本的な」説明だと、「日本語を土台にした英語教育をすべし」(L1重視論)とも言えるが、同時に、その逆、すなわち「どうせ日本語力につながるんだから、英語力育成を徹底的にやればよい」(L2重視論)も可能。これは、一見、大変な理論的ジレンマに見える。(1/2)
2011-02-27 18:07:29このようなジレンマが生ずる(ように見える)のは、カミンズの理論の重要な文脈を無視しているからである。その文脈とは、マジョリティとマイノリティという権力関係。つまり、マイノリティが言語学習を行ううえで、どのように教育言語の選択を行うべきかという文脈。(2/2)
2011-02-27 18:11:30ついでに言うと、カミンズ理論のBICS/CALP理論が日本に輸入されるとき、なぜ権力をめぐる要素が無視されるかと言えば、「輸入業者」の多くは、「日本の英語教育」の専門家であり、マジョリティ・マイノリティの問題にほとんどコミットする必要がないからだと思う。
2011-02-27 18:18:05というか日本語圏の研究であればこの話は本来「日本語/英語」以前に「日本語/朝鮮語」とか「日本語/ポルトガル語」などの文脈で論じられるべきだよねえ? 最近南米系児童の多い義務教育学校ではようやく普及しはじめているようですが。
2011-02-27 18:31:20まさに RT @mnaoto: というか日本語圏の研究であればこの話は本来「日本語/英語」以前に「日本語/朝鮮語」とか「日本語/ポルトガル語」などの文脈で論じられるべきだよねえ? 最近南米系児童の多い義務教育学校ではようやく普及しはじめているようですが。
2011-02-27 18:39:50カミンズのBICS/CALP理論を大学4年のゼミではじめて読んだわけだが、ゼミの参加者はみな、外国人子女教育が専門で言語習得理論は専門外にもかかわらず、「マイノリティの言語学習」という文脈は問題なく理解できたようだった。それほど、カミンズの理論はいたってシンプルな理論なのだ。
2011-02-27 18:48:56カミンズ理論はそもそも「国際人になるためには日本人も英語を」なんて人のための主張ではなく、学齢期に国境を超えて学ばなければならない児童生徒のおかれた背景や彼らの言葉と学力の問題を扱ったもの。そのような文脈を無視した理論の援用には違和感を感じる。
2011-02-27 18:52:53「しきい仮説」はあんまり引かれることはないか。でも、「これからのグローバル社会、日本語も英語も中途半端なセミリンガルではあかんよ!」みたいな議論で引用されていたのは見たことがある。
2011-02-27 18:59:09今日はどこかでカミンズの講演があったのか。日本行脚中?彼の理論が前提している権力や移民に関する視点が日本でどうにも定着しない。小学校での「英語」必修化で形成されるべき能力というのは、そうした視点から社会をみて多様性を尊重しながら社会を形成していく意志と能力かと。
2011-02-27 19:06:54ジム・カミンズ(Jim Cummins)理論におけるBICS/CALP区別は、マイノリティ教育の文脈において意義を持つものであることを論じている部分。(※カミンズ本人ではなく、コリン・ベーカーらによる解説) http://goo.gl/r5SmG
2011-02-28 04:41:48