叶精二さんによる『風の谷のナウシカ』の解説ツイートまとめ

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

『風の谷のナウシカ』放映中。 kinro.jointv.jp 制作はトップクラフト。代表は『太陽の王子 ホルスの大冒険』で制作を務めた原徹さん。日米合作の長編等を制作。テレコム退社後拠点のなかった宮崎駿監督、高畑勲PDの説得で実現。 #ナウシカ #ジブリ

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

トップクラフトは公開の翌年解散、原さんはスタジオジブリ初代社長に就任。 運営方針の違いからスタジオジブリ新社屋完成を待たずに92年退社。 #ナウシカ

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

作画監督は小松原一男さん（故人）。 『劇場版 銀河鉄道999』（79年）『ユンカース・カム・ヒア』（95年）等、異なる絵柄を自在に描き分けた才人。オープロ重鎮として高畑勲監督『セロ弾きのゴーシュ』（82年）の企画も。2000年3月のご葬儀に丹内司さん、友永和秀さんと一緒に参列。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

美術監督は中村光毅さん（故人）。『未来少年コナン』冒頭ナレーションの背景を手伝って以来の宮崎作品。深海のイメージで「腐海」を表現すべく、一度完成 させた背景を水で洗ってにじませ、その上から描き直す〝洗い描き〟を導入。青く薄暗い腐海内部、青白く明るい深部等目を見張る神秘的なシーンに

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

色指定は保田道世さん（故人）、鈴木福男さん。 保田さんは『ミームいろいろ夢の旅』とかけ持ちで担当。昼間は日本アニメーション、夜間はトップクラフトで激務をこなされました。 画像はナウシカの色指定見本と試作の茶色王蟲。王蟲をグリーン系に決定したのも保田さん。使用色数263色。 pic.twitter.com/duVTiD5bux

拡大

拡大

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

原画／19名＋ノンクレジット数名、原画補／2名。 動画チェック／尾沢直志さん、平塚英雄さん。 以下、原画担当者一覧。拙著『宮崎駿全書』 yk.rim.or.jp/~rst/rabo/comp… 掲載データに、10年分の調査結果を加えた増補改訂版。 現存資料が不完全なため、所々抜けています。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

アヴァンタイトル、腐海に呑まれた村を訪れるユパ、最終担当者不明。 OP・タペストリー画、宮崎駿監督御本人。制作末期までOPが決まらず、最後に刺繍用の布に水彩で描いたとのこと。賀川愛さんが清書お手伝い。 隊列を組んで歩く巨神兵のみ、言わずと知れた庵野秀明さん。 #ナウシカ

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

メーヴェの降下〜銃を抜くナウシカ、筆頭原画「カシラ」こと金田伊功さん（故人）。 監督・金田さん双方の念願叶って初コラボ。 腐海で王蟲の殻を見つけ、胞子を見つめるナウシカ、小原秀一さん。 #ナウシカ #ジブリ #宮崎駿

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

ナウシカが王蟲を発見から信号弾で鎮めるまで、なかむらたかしさん（『AKIRA』作監『パルムの樹』監督）。⁰ メーヴェ（ドイツ語で「かもめ」）の軽快で複雑な軌道、地上スレスレで視界にユパを捉えながら飛ぶ背動、噴射エフェクトの形状変化、速度の緩急など見事。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

蟲の群（この後同種のカットほぼ全て）、吉田忠勝さん。 線の塊のような膨大な蟲を専門に作画。実質的な蟲作監。 ユパとナウシカの再会〜「恐くない」「この子わたしに下さいな」、小林一幸さん。 ユパを歓迎する風の谷の人々、大ベテラン・羽根章悦さん。 #ナウシカ #ジブリ

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

「鳥の人」伝説を語る大ババ〜聞き入るナウシカ、賀川愛さん（『紅の豚』『ぽんぽこ』『アリエッティ』作監）。ナウシカの静的芝居を中心に100カット近く担当。当時は動画工房所属の新人。 ペジテ巨船の風の谷への墜落、金田伊功さん。 ウシアブ出現〜蟲笛を投げて飛び立つメーヴェ、福田忠さん。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

森へ帰るウシアブ〜出迎える王蟲、高坂希太郎さん（『耳をすませば』『風立ちぬ』作監）。 風の谷に降り立つトルメキア飛行編隊、渡部高志さん。 逆上かるナウシカ〜トルメキア兵を撲殺するナウシカ、鍋島修さん。 蟲の群、吉田忠勝さん。 ユパを導くテト〜ナウシカとユパの対話、高野登さん。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

アスベルの奇襲〜ナウシカ「やめて!」〜バカガラスの墜落まで、金田伊功さん。 金田伊功さんレイアウト。 アスベル機を静止するナウシカ、復讐心に駆られたアスベル。現在出展中。 「スタジオジブリ・レイアウト展 静岡」で実物を御覧下さい。 shizubi.jp/exhibition/fut… pic.twitter.com/BNWRrXxJBl

拡大

拡大

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

バージの老人たちをマスクを外してなだめるナウシカ、賀川愛さん。 腐海深部へ〜湖で王蟲の群れと出会うナウシカたち、福田忠さん。 格納庫からメーヴェを取り出し飛び立つナウシカ、高坂希太郎さん。 蟲の群、吉田忠勝さん。 #金曜ロードSHOW #ナウシカ

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

王蟲、巨船群、銃器等のマチエル・陰影をセルに裏から描き、表からタッチを入れる「ハーモニー処理」（従来は背景の仕事の一部、『ナウシカ』で独立職種に）を担当は、高屋法子さん。その後、『ラピュタ』の飛行機械、『ハウル』の城、『風立ちぬ』の飛行機群まで宮崎作品のハーモニー担当を歴任。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

蟲たちに発砲するアスベル、流砂の底に沈むナウシカとアスベル、丹内司さん。 丹内さんは、テレコム時代から宮崎作品に多数参加。『カリオストロの城』でOPのカジノや地下牢戦闘、『死の翼アルバトロス』『さらば愛しきルパンよ』『ホームズ 海底の財宝』『ラピュタ』で作監を歴任。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

原画は金田さんとなかむらさんのツートップという印象ですが、タイトル順1番は金田さんで2番は丹内司さん。途中参加にも関わらず、膨大なカットを消化。取材の際に「何故短時間でそんなに大量に描けたのですか?」と伺ったところ、「他の人より慣れていたし、テレビに比べたら遅いくらいですよ」と。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

ナウシカの幼少期の回想、二木真希子さん（故人）。テレコムよりノンクレジット参加。繊細な線描が見事。 結晶や大樹に触れ涙するナウシカ、羽根章悦さん。 巨神兵の状態を見るクロトワ、庵野秀明さん。 クシャナとユパの対話〜胞子を焼き払う村人、才田俊次さん（『セロ弾きのゴーシュ』作監）。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

「水俣湾が水銀で汚染されて死の海になった。つまり人間にとって死の海になって、漁をやめてしまった。その結果、数年たったら、水俣湾には日本のほかの海では見られないほどの魚の群れがやってきて、岩にはカキがいっぱいついた。これは僕にとっては、背筋が寒くなるような感動だったんです。（続

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

続）（中略）彼らは、人間がバラまいた罪悪を一身に引き受けて生きている」 宮崎駿『朝日ジャーナル／1985年6月7日号』 水俣病をめぐる報道は腐海の発想の元となったようです。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

脱出して斜面を登るクシャナ、前田真宏さん（クレジットでは動画）。庵野さんと共に参加。 腐海を出立〜ペジテ市壊滅〜拉致されるナウシカとアスベル、丹内司さん。 蜂起する村人たち、前田真宏さん。 戦車を操る城オジたち、遠藤正明さん。ノンクレジット参加。 #ナウシカ

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

食料庫内のナウシカ〜ラステルの母とナウシカの会話〜コルベット急襲まで、篠原征子さん（故人）。ノンクレジット参加。 雲海中の2機の戦闘〜「雲を出て戦おう」まで、渡部高志さん。 雲を出たブリッグに馬乗りになるコルベット〜アスベル「ぼくらのためにいってくれ!!」、なかむらたかしさん。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

侵入するコマンドたち、遠藤正明さん。 アスベル対コマンド〜飛び立つメーヴェ〜ガンシップと合流「みんなが!」ミト「フックを出します」、なかむらたかしさん。 女部屋に立てこもるペジテの人々〜「何かしら 鳥?!」、小林一幸さん。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

ガンシップ急襲〜ユパ降下〜制圧「コルベットはもはやもどらぬ」、丹内司さん。 ガンシップのナウシカ「谷までもてばいい 300まであげて!」、賀川愛さん。 クシャナとクロトワの会話、人質解放〜異変に気づく大ババ、高野登さん。

叶 精二（Seiji Kanoh） @seijikanoh

雲海を飛ぶガンシップ〜ナウシカ「誰かが群れをよんでいる」、賀川愛さん。 「ミト、照明弾!」〜メーヴェにぶら下がり飛び去るナウシカ、高坂希太郎さん。 救援信号を目視するクシャナ〜ミトの急告〜「今使わずにいつ使うのだ、ゆけっ　!」、丹内司さん。