編集部イチオシ
2017年2月1日

作家業を事業として見た場合の打ち切りの辛さ

事業としての収支を考えると、短期打ち切りは赤字である、という考え方について自分(@Sheol0x01)の発言をまとめました。
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西上 柾 @Sheol0x01

ライトノベルで時々みられる「2巻打ち切り」が作家にとってどのくらいキツイかというと、新しいシリーズを準備するにはどうしても準備期間が必要で、その間無給になるあたり。準備に3ヶ月、一冊あたりの執筆に3ヶ月として、重版なしだと9ヶ月分の収入が108万とかになってしまう。月12万。

2017-02-01 10:30:29
西上 柾 @Sheol0x01

1部600円として印税10%、1巻初刷り1万部で60万円。2巻目は8千くらいに引き下げられて48万円。合計108万円。これが2回も続くと、生活費はなんとかなっても「次の取材費を捻出する」のが厳しくなる。地獄の悪循環の始まり。

2017-02-01 10:34:23

ちなみに単巻打ち切りの場合、この試算だと半年で60万円になるので月10万円。単巻打ち切りになるような作家だと最初から初刷りを減らされて8千部からスタートということも。

西上 柾 @Sheol0x01

短期打ち切りが続くと作家は「傷む」。健康を維持するのも、取材をするのも、インプットを増やすのもすべてはお金。打ち切りが続くとどれかを諦めなくてはならなくなり、自信もなくなる。そして余計に次作を出しにくくなる……。

2017-02-01 10:54:31
西上 柾 @Sheol0x01

事業として見た場合、作家の人件費を月20万円とすると、2巻打ち切りは月8万円の『赤字』になる。この状態が18ヶ月続けば負債は144万円に膨らむ。多くの作家がこの負債に耐えながら執筆を続けている。

2017-02-01 11:04:50
西上 柾 @Sheol0x01

かといって、この負債を出版社が肩代わりするというのはできない相談だ。もしそのようにした場合、出版社はこれまで以上に売れる作家の作品しか出さなくなる。作家の数は数十分の1に激減するだろう。

2017-02-01 11:11:31

では、作家側から見て、事業リスクを減らすにはどういうアプローチがあるだろうか?

西上 柾 @Sheol0x01

小説投稿サイトの効能のひとつは、準備期間中に無給であるという点は変わらないものの、「このネタは受けそうにない」と分かった時点で撤退できる点にある。プロの作家が観測気球を打ち上げる場としては有効に機能するのではなかろうか。

2017-02-01 11:17:26
西上 柾 @Sheol0x01

同様に、クラウドファンディングも「成功を期待して募集する」よりは「失敗を見極めるために募集する」ことで作家側の赤字リスクを圧縮する役に立つものと思われる。

2017-02-01 11:20:48

いったい誰が作家のための社会保障費を負担しているのかというと、国家の負担である訳で。

西上 柾 @Sheol0x01

作家が個人事業者であり、かつ多くの作家が最低賃金以下の労働生産性で働いていることを考えると、出版業界は作家に支払うべき社会保障をただ食いしていることになる。まあだからといって出版業界に「払ってくれ」と言っても状況は悪化するだけなので、不均衡を是正するには国に動いて貰うしかない。

2017-02-01 22:21:27
西上 柾 @Sheol0x01

一番良いのはもちろんベーシック・インカムで、作家に支給されるBIの分を法人税や外形標準課税等で出版社から徴収すれば不均衡は是正される。同時に解雇規制を大幅緩和すれば、作家は自分のスタイルに合わせて副業でも専業でも無理のないやり方を選べるようになる。

2017-02-01 22:27:31
西上 柾 @Sheol0x01

現状では、解雇規制は作家にとって重荷でしかなく、いつでも作家を辞めて元の仕事に戻れるルートを確保する(そしていつでも作家に戻れるようにする)ことが急務である。

2017-02-01 22:28:59
西上 柾 @Sheol0x01

作家が低収入だと、結局それは社会全体にとって負担になるので、社会全体でどげんかせんといかんことになる。まあ、もちろん「作家の数そのものを減らすべき」というのはひとつの見解です。

2017-02-02 01:55:37

念のため。まとめ人個人の努力不足や責任を問うのはご自由にしていただいて結構です。

西上 柾 @Sheol0x01

「好んで作家の道を選んだのだから、子供が作れないくらい低収入でも当然だ」となるとそれはまた別の話でしょう、と思う訳です。

2017-02-03 02:32:55

コメント

ヤボ夫 @amareviewer 2017年2月1日
この流れで一番まずいのは「下調べも取材も必要無い舞台設定…あ、異世界ファンタジーで良いじゃん」となっちゃう事か。
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大枝瑛一(布団帝國幕張領事館 1等寝言官)🔴 @AUE_OEDA 2017年2月1日
この『10%初版1万部』ってのがまだ恵まれた数字だってぇトコロがおっかないんよね。
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心技 体造 @mentalskillbody 2017年2月1日
早々に見切りをつけて別の仕事をはじめた方達曰く、プロになっただだけではスタートラインにすら立ててないだそうで。
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【暮亭】お茶菓子@壱岐津 礼【あまぶん参加】 @ochagashidouzo 2017年2月1日
ラノベの前身であるジュブナイルでは一巻完結当たり前だったんですけどねぇ
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古橋 @FuruhasiYuu 2017年2月1日
通常の事業でもなんでも「時間かけて下準備や下調べしたけどモノにならない」って普通にある事なんだよな。例えば初期投資に時間とお金がかかる店舗経営なんかも同じだし。作家だけリスクがあるって話じゃないと思うんだけどな。……むしろリスクに気付いてないで安易に作家目指させたくないって話なんかな。ぱっと見はただの愚痴に見えるんだけど。
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フローライト @FluoRiteTW 2017年2月1日
「準備期間と執筆機関を耐えしのげば次作が出せて収入がある」という自信の根拠は何なんだ?打ち切り作家なのによォ
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フローライト @FluoRiteTW 2017年2月1日
単価が文庫のほぼ倍であるハードカバー児童書で覇道を築き上げた那須正幹先生の偉業たるや
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ポポイ @popoi 2017年2月1日
#田中芳樹 先生「#銀河英雄伝説」の1巻は、初版では《黎明篇》と付いてなかった件。人気が出なけりゃ2巻以降は無かったと。
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西上 柾 @Sheol0x01 2017年2月1日
まとめを更新しました。
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ナツノ@_(:3 」∠ )_ @natsuno_012 2017年2月1日
好きな作家が「前作が短期打ちきりだったので信用をなくして新シリーズは部数が渋め」っていってたな 打ち切りは次にも影響する
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iga9984 @iga9984 2017年2月2日
アンタら自由業のために俺ら雇われが不利益を被る必要なんて微塵も感じない。
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未知神明(みちがみ・あきら) @ontheroadx 2017年2月2日
魔夜峰央さんの『パタリロ!』だって初版は「1巻」って巻数表記なかったんですよ。
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GGj8mKf.IE2 @GGj8mKfIE2 2017年2月2日
もう専業でやる仕事じゃない そういう時代ではないって話なのでは
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Hoehoe @baisetusai 2017年2月2日
腕一本で千石二千石の気概を持て
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LCO @f_lco 2017年2月2日
流石に契約とかそういうのどうなってるかまでは知らんけど、鈍器ラノベ(境界線上のホライゾン)の作者はデビュー当時から「ゲーム会社の社員」として小説書いてるね、挿絵の人も同じ会社で 似たような感じで小説を書く時間の取れる兼業形態、ってのはなんか道有りそうだけど…難しいか?
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gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2017年2月2日
ボクシング、格闘技業界には「チャンピオンになったら家が建つ世界でなければならない。だが、家が建つのはチャンピオンだけでいい」という言葉があるそうな。
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はやし・しのぶ @Hirarinmac 2017年2月2日
だからある程度まで兼業続けたりコンビニバイト続けるんだねぇ。
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ぼんじゅ〜る・Fカップ @France_syoin 2017年2月2日
エンターテインメント業界だからつまんなきゃ儲からないし、パイが少ないなら少ないなりに生活手段を持つべきで、それができないなら別の仕事したほうがいいんじゃねぇの?w
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やし○ @kkr8612 2017年2月2日
BIに回せるほど法人から税金取ろうと思ったら実効税率70%でも足りないんでは…(今非上場で35%、上場31%くらいだっけ?)
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இ Kanna☆ケンタウロス ʕ•̫͡•ʔ🐈 :|| @ospf_area0 2017年2月2日
富士見ファンタジアや角川スニーカーの全盛期は今ほどレーベルがなく、そこまでラノベ出版数もなかったからね。租税乱発になっていて、本来は作家として食べていけないレベルの人はすぐに追い込まれるというだけのことでしょう。
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naruto,tousen @narutousen 2017年2月2日
これは難しい問題。でも身もふたもない言い方をすると8000~1万部だからあなたの本が出るという言い方も出来る。昔の様に5万、10万部はアタリマエー、の世界ならデビュー出来るのはごく一部。粗製乱造上等の出版社のせいでデビュー出来るならそのリスクは甘んじて受けるべき。『バクマン。』じゃないけどやっぱり作家ってバクチなんですよ。
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katasan111 @karasan111 2017年2月2日
夢の職業として人気のある声優、漫画家、小説家、ミュージシャンどれも大体当てはまりますね。事業としては定年がない仕事ゆえ新規参入が難しく一度シェアを取られては取り返すのは至難の業。さらにまったく同じような事業内容(ストーリー)では売れず、常に新規性を持たなくてはならないってどんな無理ゲなんだよ。
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釣本直紀 @turimotonaoki 2017年2月2日
amareviewer この人自分のウェブサイトで異世界転生っぽい作品は書いてるね。舞台はオーストラリアを匂わせているけど旅費を費やして取材なんかしたのだろうか。
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cheetahfuck @cheetahfuck 2017年2月2日
(出版社はこれまで以上に売れる作家の作品しか出さなくなる。作家の数は数十分の1に激減するだろう)別にそれで良いと思った。娯楽産業だもん。読者も出版業界も、単に面白い作品がたくさん生み出される事を望んでいるのであって、必ずしも作家の人数が増える必要性は感じていない。才能のある作家だけが生き残り、精力的に作品を生み出し続けてくれさえすれば、ぶっちゃけ才能の無い作家なんてどんどん消えてもらって構わない…というより、その方がむしろ業界や文化の発展に寄与すると思う。
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jinko @jinko_1 2017年2月2日
どんな業種でも個人事業主なら同じ。飲食店は9割が10年持たずに廃業する。見方を変えれば兼業が可能で、場所代もいらず出版費用も負担しなくてよくて、負債があっても続けられる作家業というのは個人事業としては恵まれてるとも言えるよ。
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たけ爺 @take_ji 2017年2月2日
中小の町工場の自転車操業とまったく変わりが無い。 別に作家だからとか関係ない。
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たけ爺 @take_ji 2017年2月2日
どんな企業も3年生き残るのは3割。10年生き残るのは1割。 その覚悟が無いなら起業はするな。文芸活動も同じ。ただ廃業率がちょっと高いだけ。
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釣本直紀 @turimotonaoki 2017年2月2日
「出版業界は作家に支払うべき社会保障をただ食いしていることになる」「出版社から徴収」は意味不明。『多くの作家が最低賃金以下の労働生産性で働いている』事の原因を出版社に求めている。そもそも作家が売れる作品を書けば作家も出版社も国家も三方丸く収まるのに何故売れる作品を書かないのか。「作品が売れるよう頑張ろう」ではなく「出版社から金取って作家にBIを」という考えは後ろ向きで寂しい。
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CD @cleardice 2017年2月2日
昔は出版社が資料本を融通してくれたり打ち合わせや作業のときに差し入れがあったり場合によっては住むところを提供してくれたりしていたけどそういう時代じゃなくなったんだろうなあ
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我乱堂 @SagamiNoriaki 2017年2月2日
ちょい昔はたいがいが印税10%であったけど、最近はそういうの割り込んでるところもあるという話…。
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இ Kanna☆ケンタウロス ʕ•̫͡•ʔ🐈 :|| @ospf_area0 2017年2月2日
そもそも、創作で安定して食べていきたいなら、そういう職種を募集している会社でサラリーマンやる方がよっぽどいい。芸大の作曲科卒でフリーで食べていく自信がない人は、積極的にゲーム会社や製作会社に就職活動をしている。
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旦01 @ashita_010101 2017年2月2日
そこそこ売れてるラノベ作家でも兼業だという方を見る。これが一番「作家で安定した生活」を送る方法じゃないかな。 小説投稿サイトをざっとみても、面白くかつ読まる力を持った人はいる。でも彼らでもプロじゃない現実。厳しい世界だね。
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キリガヤ・クズト(togetter用) @kuzugayakirito 2017年2月2日
それじゃあ、 『二巻で打ち切られない作家さんになってください。二巻で打ち切られない作品をこの世に出してください。』 で済む話題
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ひのかぐちけん @kagutsuchisword 2017年2月2日
BIなんかムリなんだから素直に生活保護受けながら小説でもなんでも書いてりゃいいじゃん。本が出てない作家なんかただの無職といっしょなんだから。
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ハドロン @hadoron1203 2017年2月2日
単巻打ち切りの本なんて、出版社から見ても赤字で不良在庫抱える厄介者でしかない。印税を先にもらえるだけマシでしょ。出版社なんて漁業組合みたいなもんで、誰かがマグロ釣り上げて大金せしめることがあっても、大半の作家はヒットに恵まれず人知れず消えていく。安定なんて求める方が間違ってる。
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取鳥族ジャーヘッド/約二年寝過ごした76レジデント @torijar 2017年2月2日
俺は川崎康宏先生の作風そのままでの3巻以降が読みたかったんじゃあ(血涙)
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クラフト @Craft070707 2017年2月2日
アニメ業界の話になると「酷い」ってなるのは、彼らをサラリーマンと見做すからかね。
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No-Marcy@フラットウッズの森のパブリックエネミー @NoMarcy1225 2017年2月2日
何でもそうだけど、いざって時のための退路の確保って重要なんだよね。
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なんもさん @nanmosan 2017年2月2日
個人事業主である作家の社会保障費を取引先である出版社が負担すべきって・・・何言ってるかさっぱりわかりませんよ。
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キリガヤ・クズト(togetter用) @kuzugayakirito 2017年2月2日
nanmosan それな。自分も全く理解できませんでした。
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言葉使い @tennteke 2017年2月2日
ドキュメントものは打ち切りとかになって取材費がパーになったら作家が死ぬので、ちゃんと一定額は支払われると聞いたことがあります。
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亜山 雪 @ayamasets 2017年2月2日
石川啄木みたいに借金を踏み倒すんだ!
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ロンマニア @LiongHMD 2017年2月2日
ayamasets なるほどですな、夭逝すれば金は返さなくていいし、遺稿を出版して貰えるかもしれない。
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ととっと @xyrLuoihI9vhuex 2017年2月2日
とにかく出る作品が多いからドカンと当てるのは難しい。だから賞を取ったとしても編集が最初に伝えるのは「仕事は辞めるな」だそうだからね。まあそれ以上は言えないだろうし言う必要もない。あくまで対等なビジネスパートナーですしね。印税も契約によって支払うもの。嫌なら突っぱねる権利は作家にあるし、皆が拒否すれば上がるはず。けど同率でも食える作家はいるわけで。
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しんの @shin_epsilon 2017年2月3日
食える見込みがないのに、専業作家になるから……
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gryphon(まとめ用RT多) @gryphonjapan 2017年2月4日
[c3441985] 今も朝井リョウさんは兼業ときいたことありますが、さすがに退職されましたかね?
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ポポイ @popoi 2017年2月4日
プロの漫画家で、印税だけでは生活不可能な筈の人が、偶にしか商業で仕事をされてない事例は。本業が、他にお有りなのかなあ。
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ポポイ @popoi 2017年2月4日
同人活動が収入源て人も、おいでではあろうけどさ。
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にゃほ @Temp002a 2017年2月4日
作家、俳優、旅行代理店、司書、アニメーター、等は憧れて入る人も多い業界だから競争は熾烈になる。全体として衰退しいるわけでもないので、公的に支えるべきでもない。
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ポポイ @popoi 2017年2月4日
アニメーターの動画マンの生活とかは、どうにかならんかと思う。日本相撲協会の相撲部屋の幕下以下みたいな感じで。
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くまねこわんこ@すでに国政選挙アカ @evilflowers13 2017年2月4日
作家は専業もいれば兼業もいるので、こればかりは競争率うんぬん(あえてでんでんにしようか迷ってやめた)を変えるわけにもいかないかな。作家はまだいい。麻雀プロの大体は搾取しかされとらんで…
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