「普通はそうなんですが、シナト村では天空山が神格化されているようでして、 山と共に生きるために村が近いと伺っていますね。」 ほぉーん、そいつぁまぁ。 「よっぽど信仰心が強い民族が住んでいるんですなぁ。」 「いえ、住民はみな竜人族と伺っていますね。」
2017-02-01 20:07:03なんだと。 「竜人族、ですか。あの合理的な種族が宗教か・・・にわかには信じられませんね。」 「そう、小職もその点は気になっていましてね。明日現地に入るので是非話を伺いたいなとは考えてるんですよ。」 確かに興味はある。 合理的で計算高い竜人族が精神論だもんなぁ。何かあるのかね。
2017-02-01 20:07:18「お待たせしました、まずはエールとミックスビーンズです。」 お、きたか。 「おう。」 「ありがとうございます。」 「料理はもう少しでお持ちしますので少々お待ちくださいね。」
2017-02-01 20:07:44「ま、なんにせよ。」 「そうですな。」 乾杯、ガチンと樽をぶつけ合う。 「かぁー!旨い!!」 「やっぱりエールは一気にあおるのが最高ですなぁ!」 何時呑んでもやっぱいいな、喉越し最高だぜ!
2017-02-01 20:08:08「ミックスビーンズもどうぞ、アテに最高ですぜ。」 「おぉ、どうもどうも。・・・あぁ、これはいいですなぁ。」 こうなるともう止まらん。黙々とエールを呑んで豆を食う音しか聞こえない。 こりゃもう話にならん。エールと豆うめぇなぁ。
2017-02-01 20:08:27「お待たせしました、お料理でございます。」 お、きたきた。 「ギガントミートのステーキ猛牛バター添えと頑固パン、 ホワイトレバーとジャンゴーネギの炒め物にココットライスでお間違いないですか?」 「おう。」 「はい。」 「ではごゆっくりどうぞー。」
2017-02-01 20:08:43おし。 「「いただきます。」」 がつがつと目の前の飯をやっつける。 やっぱでけぇ肉を焼いてバター乗っけるのは最高だな、これ考えた奴天才だわ。 頑固パンの歯ごたえもいい感じだし、肉に良く合う。うめぇ、言うことねぇな。 マルコさんも無言で食っている。まぁ、いい塩梅なんだろうよ。
2017-02-01 20:08:59「「ごちそうさまでした。」」 ふぅーい、旨かった・・・ 「あぁ、マルコさん明日は何時に集合で?」 「そうですなぁ、原紙の回収もありますので正午に酒場でいいのではないでしょうか。」 まぁ、いいとこかな。
2017-02-01 20:09:14「わかりました、では集合までにクエストの手配は済ませときますね。」 「ありがとうございます、では今日はこの辺で。」 「はい、また明日。」 会計を済ませてお互い帰路につく。 さぁて、明日も早い。もう寝るかね。
2017-02-01 20:09:24翌日になった。 そろそろ正午だが、マルコさんこねぇなぁ。もうクエストと飛行船の手配は済んでるんだが、どうしたもんか。 「やぁやぁ、申し訳ない!遅れました!」 お、来たか。 「あぁ、いえいえ――」
2017-02-01 20:09:36なんだ、こりゃあ・・・。見慣れねぇ羅針盤がついた杖に、分度器のでっけぇのがついた望遠鏡、なのか? あと馬鹿でけぇ筒は、なんだ? 「あの、マルコさんつかぬ事を聞きますが、これでシナト村まで?」 「えぇ、勿論。これでも軽装なんですがね。」 これで軽装かよ!
2017-02-01 20:09:50「いやぁ・・・凄い荷物ですなぁ・・・。」 「そうですかね?あぁ、まぁ見慣れない方にとっては何をする道具か分かりかねますよねぇ。」 俺らの得物みたいに見た目で判断が出来ないからなぁ。 「それでは、説明致しましょう。」 は?
2017-02-01 20:10:02「まずはこちら、象限儀。この半円部分で角度を求めて対象物との距離を測定します。 これで山から現在位置までの距離、山の山頂までの距離を求めることが出来ます。 また、坂道や傾斜の測量を行う際の補正にも活躍して――」 わけわからん。
2017-02-01 20:10:16「マルコさん、マルコさんすみません。時間迫ってるので行きましょう。」 「え、あぁ・・・失礼。では説明の続きは道中で。」 やれやれ。 「おう、待たせた。揃ったからクエストの確認頼む。」
2017-02-01 20:10:31「はい、では受付しますね。 クエストの内容は天空山の地質調査、パーティリーダーはヴァルム、護衛対象はマルコ。 報酬は10000z+出来高。以上で相違ないでしょうか。」 あ? 「出来高?どういうこった。」
2017-02-01 20:10:44「あれっ、大長老から伺ってませんか?地質調査で手に入ったものは 調査報告の後にヴァルムさんの物になるって。」 初めて聴いたぞ・・・。 「まぁ、いいか・・・手に入れたものは俺が報告をまとめるってことだな。」 「その認識でよろしいかと思いますよ。これ以上質問はありますか?」
2017-02-01 20:11:00「いや、ない。マルコさんからは何かありますか?」 「いえ、特には。」 おっしゃ。 「じゃ、そういうこった。行ってくる。」 「はい、気をつけて。」 「ではヴァルムさん、先ほどの象限儀の説明ですが――」 うへぇ・・・本当にやるのかよ・・・。
2017-02-01 20:11:11そろそろシナト村だ。 結局、マルコさんの説明がわからないことがわかった道中だったな―― 導線法?がどうの、補正をしないとどうの、専門家じゃねえとわからねぇよ・・・。 まぁいいか、気を取り直していこう。
2017-02-01 20:11:23「さて、シナト村に着いたらまずは村長に挨拶しに行きますか。」 「そうですなぁ。いやしかし、凄い山脈ですなぁ。これは補正が大変そうだ。」 まだ言ってるし・・・。 トウチャクシマシタヨー! っと。 「じゃ、マルコさん行きましょうか。」 「わかりました。」
2017-02-01 20:11:34竜人族が興した宗教、興味がないといえば嘘になる。 どんな村なんだろうな。 ――飛行船から降り立つと、風が絶え間なくカラカラと吹いていた。 風車?なんで色んなところに刺さっているんだ。
2017-02-01 20:11:46「ハンターさんや、風車が気になるのですかな?」 む。 「えぇ、そうですね。こんなにたくさんの風車を見るのは初めてでして。」 「そうでしたか。 この風車は風鳴りの村、シナト村の象徴でしてな、ドンドルマのハンターさん。」 風鳴り、ね・・・。
2017-02-01 20:11:58っと、それよりもだ。 「御老人、何故俺がドンドルマのハンターだと?」 「紹介が遅れましたな、ワシはシナト村の長をさせて頂いておるものですじゃ。 大老殿より話は伺っております、天空山の調査じゃな?」 話がはえぇ。
2017-02-01 20:12:09「はい、左様でございます。今回天空山の地質調査を拝命しましたヴァルムと申します。 こちらは地図作成の専門家のマルコさんです。」 「御紹介に預かりましたマルコと申します。よろしくお願い致します。」 ひとしきり挨拶を済んだ。
2017-02-01 20:12:25さて、村の責任者にも話が通ってるならぼんやりしてる理由もないな。 「では、早速ですが今から行きましょうか。マルコさんも大丈夫ですか?」 「えぇ、大丈夫ですよ。」
2017-02-01 20:12:41