第二話 天剣 ━━酒場にて 「では噺の続きと参りましょうか。」 まだまだ騒がしいドンドルマの酒場で、英雄譚は続く。 「さぁ、どんどん進めてくんなっ!」 「あぁ、やっぱ姉ちゃんの噺は面白いな。」 「ふふっ、ありがとうございます。あら・・・」 「おう、エール3つ!!」
2017-02-01 20:00:28あいよぉ!! 「こいつがなくっちゃ、だろ?」 「あら、ありがとうございます。」 「いいってことよ!」 では、運命の邂逅を果たしたヴァルムが天の光を掴み取る軌跡を辿りましょう━━
2017-02-01 20:00:39━━その男は大老殿に居た。 先のクシャルダオラ撃退の功績を受けて、大長老より呼び出しを受けたようだ。 「ムォッホン!クシャルダオラの撃退、見事である!」 ・・・見事なもんかよ、あんなもん。 「ついては、お主等4人の功績を讃えてG級ハンターへと昇格する!」
2017-02-01 20:01:03「さて、早速だがお主等にクエストを依頼したい。 オールパーフェクトコンビには霊峰の調査に向かって欲しい。 霊峰付近にしかいないジンオウガが人里近くの渓流にまで下りていると報告が上がっている。 これは異常事態である。早急に向かって原因の究明、解決を図って欲しい。」
2017-02-01 20:01:45「人里に、ジンオウガか・・・!」 「嘘、そんな・・・」 おいおいおい。 「御老体、そんなに不味いのかよ。」 「あぁ、本来ジンオウガは人の踏み入れない霊峰付近に生息している。 それが、渓流にまで下りているというのは、妙な話だ。」 「なんてこと・・・」
2017-02-01 20:02:03二人とも沈痛な面持ちだな。 そこまで不味い事態なのか・・・。 「あの、そのジンオウガって強いんですか?」 俺も気になっていた、そんなにやべぇのか? 「詳しくはわからん。」 「えっ、どういうことです?」 なんだそりゃ。
2017-02-01 20:02:15「あのね、リュシオルちゃん。ほとんど目にする機会がないの。」 おいおいナナミ、そりゃどういうこった。 「ムォッホン!いいかね?」 っと。 「ナナミの言う通り、ジンオウガはほとんど人の目に触れない霊峰付近の断崖絶壁に生息している。
2017-02-01 20:02:34故に人の目にほとんど触れることがなかったのだ。それが渓流に下りてきている。 重ねて申すが、異常事態である。飛行船は用意している、至急向かって欲しい。」 「うむ。」 「わかりました。」 一礼すると、オールパーフェクトコンビは飛行船乗り場に向かう。
2017-02-01 20:02:47「おう、しっかりな!」 「頑張ってください!」 二人は振り向くことなく、親指を立てて応える。 ハッ、背中で語るか。 「うむ、あのコンビは心配ないだろう。ではリュシオルは引き続き街の防衛に努めてくれ。」 「はい、わかりました!しっかり守ります!」 「頼むぞ。」
2017-02-01 20:03:04リュシオルも持ち場に戻る。 さて。 「俺は何かあるんですかい?」 「うむ、おぬしには新しい狩場候補の地質調査を依頼したい。」 なんだと?
2017-02-01 20:03:26「ちょっと待ってくださいよ、狩場の地質調査は何度かやってますが新しい狩場候補ってなると話が違いますぜ。 地図もなければ生態系もわからないじゃないですか。その調査を俺一人でやるのは流石に無理ですよ。」 「まぁまて。言葉が足りなかった、お主一人ではない。」 む。 「と、申しますと?」
2017-02-01 20:03:35「うむ、新しい狩場候補の地質調査はハンターだけではなく、狩場の測量やルートの確保を専門とするものがいるのだ。 お主にはその専門家の護衛を依頼したい。」 なるほど。
2017-02-01 20:03:49「ということは、俺はモンスターの生態や採取できるものを調査する。 その専門家、でしたか。そいつがマップの作成をするってことでいいんですな。ついでに護衛もすると。」 「うむ、専門家は酒場に待たせてあるので向かって欲しい。クエストの受注も一緒に行うように。」
2017-02-01 20:04:09なるほど。 「承りました、では失礼しますぜ。」 っと。 「あぁ、そうそう。その専門家の名前と風貌はどんなですかね。」 「おぉ、すまぬ。名前はマルコ、風貌は・・・そうだな、ターバンを頭に巻いている軽装の男だ。」
2017-02-01 20:04:22酒場に着いた。大長老が言ってたのは確か、ターバンを巻いた軽装の男だったな。 さて・・・。 「あの、失礼ですがヴァルムさんですか?」 む。 「あぁ・・・確かにヴァルムは俺ですが、貴方は?」 目の前にターバンを巻いた軽装の男が居た。こいつか?
2017-02-01 20:04:43「はい、小職はマルコと申します。」 ふむ、探す手間は省けたな。しかし・・・ 「良く俺だってわかりましたね。」 「えぇ、特徴を伺ってましたので。すぐに見つかって僥倖でした。」 特徴ねぇ。 「へぇ、ちなみにどんな特徴を?俺はターバンを巻いた軽装の男性だと伺いましてね。」
2017-02-01 20:04:56「ははは、確かにこの辺ではターバンは珍しいですね。 私は紺碧の大剣を担いで髪を結い上げてると伺っていました。いやぁ、一発でしたよ。」 そんなに珍しいかね。 「はぁ、まぁ・・・それで、準備はよろしいですかね。俺は今からでも行けますぜ。」
2017-02-01 20:05:13「あぁ、申し訳ない。小職の準備がまだです。マップの原紙が明日仕上がるのですよ。」 おっと。 「では、今日は食事でもしながら作戦会議にしますか。」 「お、いいですなぁ。」 椅子に腰掛ける。 さぁて、何にしましょうかねっと・・・。
2017-02-01 20:05:27「マルコさん、決まりましたか。」 「えぇ、大丈夫ですよ。」 じゃ呼ぶか。 「おう!注文いいか!」 ぱたぱたと受付が来る。相変わらず忙しそうだなぁ。 「はい、お待たせしました。何にしましょう。」 メニュー表を指差しながら注文をつける。
2017-02-01 20:05:38「まずエールとミックスビーンズ。料理はギガントミートのステーキで、猛牛バターも乗せてくれ。 それと頑固パンは料理と一緒で。マルコさんはどうします?」
2017-02-01 20:05:59「私も最初はエールをお願いします。料理はホワイトレバーとジャンゴーネギの炒め物で行きますか。 ココットライスは料理と一緒にお願いします。」 「かしこまりました、少々お待ち下さい。」
2017-02-01 20:06:06まぁ、この混み様なら料理を待ってる間に地質調査の打ち合わせが出来るかな。 「ところで、マルコさんは新しい狩場候補の情報は何か持っていますかね。 大長老からはマルコさんと合流してクエストを受注するように、としか伺ってないんですよね。」
2017-02-01 20:06:26「あら、そうなんですか。小職はシナト村に程近い天空山という場所と伺っております。 なんでも非常に近い位置に村と山があるみたいですよ。」 へぇ・・・ 「珍しいですね。普通は村と狩場はそんなに近くにないのが一般的なんですがねぇ。」
2017-02-01 20:06:41