2017年2月4日 徳武聡子さんによるシンポジウム報告「ギャンブル依存ゼロの大阪を目指して~それって、個人の責任?」主催大阪いちょうの会
本日、大阪いちょうの会主催「ギャンブル依存ゼロの大阪を目指して~それって、個人の責任?」が産業創造館で開催されております。ギャンブル依存症問題に多くの関心が寄せられています。
2017-02-04 13:52:51基調講演「ギャンブル依存症について 熊本の治療現場から」菊陽病院精神科医師尾上毅さん: 依存症とは何か。甘えや性格ではない。昔から日本では「のむうつかう」と言われていたが、のむ:物質嗜癖(アルコール)、うつ:過程嗜癖(ギャンブル、買物)、かう:嗜癖(共依存、暴力)。続
2017-02-04 13:56:09続:用語について。中毒という言い方があるが、差別的な言い方である。本人が自分で言うならともかく支援者は使わない。支援者は説教ではなく、一個人として尊重する姿勢が大切。続
2017-02-04 13:57:44続:依存症の診断基準や分類は時代とともに変わる。本質的にはコントロール障害で、ほどよく行うことができなくなった状態。ギャンブルも最初は趣味で入り、ほどほどにやっているうちには問題ないが、次第にのめり込むようになる。続
2017-02-04 14:00:05続:ギャンブル依存症は連続がある。ある日突然変わるのではなく、次第に変わっていく。病気であれば自覚症状で気づいて検査を受けたりできるが、依存症は検査結果も出にくく、わかりづらい。これは精神疾患に共通。→
2017-02-04 14:02:31→依存症の5大特徴。①否認の病:「おれは違う!」というレベルではなく、本当に本人が気づかない。隠そうとするのではなく、自分の依存症については抜け落ちている。 ②進行性で慢性:放置して回復する人がいない、むしろ悪くなる。 ③自己破壊的:自殺や犯罪につながりやすい。→
2017-02-04 14:04:50→自殺の三大原因の1つは多重債務。ギャンブルは借金につながりやすい。支援者につながる前になくなっている例も多いのでは。また、犯罪も多い。聞き取っただけでも、窃盗に該当する事例だけでも5割弱。自己中心的な人は稀で大多数はごく真っ当なおとなしい人たち。→
2017-02-04 14:07:19→特徴④家族を巻き込む。シンポの最初に家族からの発表があったので聞いていただいたと思う。 ⑤治癒しない:いまの科学の限界。治癒ではなく回復という言葉を使う。治癒は元通りになるということ。これは今の科学では難しい。そこから足を洗って生きていくことを回復と呼ぶ。→
2017-02-04 14:08:41→ギャンブル依存症は珍し特殊な病気ではない。平成26年8月の厚労省調査では530万人。しかし医療機関が少ない。理由としては、依存症に共通するものとして、自己責任と言われやすい、信用できない、など。ギャンブル依存症に特有のものとしては、どうしてイイかわからない、借金があるなど→
2017-02-04 14:10:41→依存症で起こる脳の変化が解明され始めている。しかし確定はしていない。妥当な考え方ちしては、遺伝的な素因があるとしてもそれまでの生活や行動(暴露頻度)による。ギャンブルはパチスロが野放しで公営ギャンブルもある。啓発啓蒙教育は皆無。そこにカジノを入れようとしている。注意が必要→
2017-02-04 14:13:47→依存症の治療はかなり手こずる。なので予防が一番。お酒やギャンブルで憂さを晴らすということはよくあるが、教育をちゃんとしないと、そこから依存症につながってしまう。リスクを伴うことを知るということも必要だ。→
2017-02-04 14:15:04→ギャンブルは人間の業?のようななもので昔からあった。人生はすべて見通せるものではなく、運も関与している。だから人間は賭けを好む。将来を棒に振るようなこともやってしまう。日本でも1000年以上前に賭博禁止の法令があった(持統天皇689年)→
2017-02-04 14:17:09→ギャンブル依存症の治療は、認知行動療法などいくつかあるが決定打はない。自分の病院では外来もある。遠方患者は入院される。その後1年間ギャンブルから離れられたのは30%程度。しかし、いっかいちゃんとつながっていると、SOSを出しやすくなる。自死やヤミ金リスクが減っている。→
2017-02-04 14:20:07→GAといった自助グループは「神」「ハイアーパワー」と言った単語が出てきて行きづらい、と言う人もいる。来てみれば宗教ではないとわかる。治療が自助グループかどちらか先ではなくつながっていく。→
2017-02-04 14:21:23→家族の問題。家事分担や育児夜間系など家族の形はみんな違うが、依存症の家庭は親がギャンブルに行ってしまい子どもとの関係が薄くなる。お母さんと子どもの関係性が強くなり何重にもなる。親世代がギャンブルにはまると家に友達が呼べない。子どもも親も友人や親戚づきあいができないようになる→
2017-02-04 14:23:53→さらに重くなると、お父さんが無断欠勤などで会社を辞めてしまい、家庭と外部との関係が切れて孤立していく。イネイブラーという言葉があり、もともとは当事者のためを思っているのに結果として当事者ではなくギャンブルを支えることになってしまう。それを責められて家族も相談しにくくなる。→
2017-02-04 14:25:25→家族の対応(支援者も同様):①まずは自分の安全、健康、財産を守ること。②当事者の人格を尊重する態度(子ども扱いしない)が大切だが病気の知識がないと難しい。家族教室、ギャマノンなどで知識を身につける。③専門家に相談する。治療のことは医療に。借金は依存症のことをわかる専門家に→
2017-02-04 14:27:42gam-anon.jp 一般社団法人 ギャマノン日本サービスオフィス ギャンブル依存症本人のために自助グループ、GA(匿名のギャンブラーたち)があるように、ギャンブルの問題の影響を受けた家族・友人のための自助グループ。
2017-02-04 15:17:39→入院治療は依存症では必須ではないが、はまりきっていて断つ必要がある場合、家族との関係がこじれている場合、他の疾患を合併している場合(発達障害などで止められないのがわかっていない場合がある)には入院して観察をする。しかし治療に決めてはない。→
2017-02-04 14:31:48→治療の大きな流れとしては予防がある。予防にも3つのレベルがあり、治療や支援はどのレベルによって変わる。しかし、診断自体が連続性のためどこまでが病気でどこまでが趣味かがわかりにくい。依存症と言うことで門前払いする医療機関も。治療の見込みを聞くこともできない。かかりづらい。→
2017-02-04 14:35:02→結局、医療の現場に来るときには相当重症化しており、治療困難。積極的に見ようという医療機関がない。そしてマンパワー不足になり重症する、いう悪循環が生じる。医療機関や支援者に言いたいことは、諦めない、100m沿うではなくマラソンと思って急がない。一番の先生は当事者であり家族。→
2017-02-04 14:37:13