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李氏 @BLUEPANOPTICON
今夜も怪談話をやらせてもらおうかと思います
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これは大学の同期のA君の話なんだけど。
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二年生になる前の春休みにその人の友人から一緒に山登りにいこうって話を持ちかけられて。彼とは高校からの付き合いだったし、特にこれといって用事もなかったから、「うんいいよ」って。
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それで当日の朝がやってきて、一式抱えて駅で待ち合わせして、駅前にバスのロータリーがあって、そのうちの一つが山道の入り口まで直通で。二人で車で揺られながらえっちらおっちら坂道進んでて、で「何で急に山登りとか言い出したのって、そんな柄でもないのに」って聞いたらしくて。
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そしたら「こういうところでしか言えないこともあるから」って。窓の外を見ながら答えて。その眼差しは存外真剣なもので。
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しばらくするとバスが入り口に到着して、用意した荷物背負って二人で山登り始めて。で当然話題はさっきの話になってA君が「俺に言いたいことって何だよ」って何度も聞く訳。それでも友人からは「うんまぁ」という感じではぐらかされて。
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そうして上って行くうちにどんどん坂が急になって、道が道じゃないような感じになって。大丈夫かよって友人に聞いても「ちゃんと調べたから」ってそれだけで。
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登って一時間位してからか。友人が「お前さあ、親の寝室の押し入れとか漁ってみたことある?」って突然聞いてきて。
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「いや無いけど」ってA君が答えたら。
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「そうだよなあ。僕もまあ魔が差しただけだと思うんだけどね、親が旅行行ってる間に見ちゃったんだよ」って。
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「何を?」って続きを促すと。
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「木箱みたいな奴。それもかなり古めかしい。コートだとか革靴だとかに混じって置いてあったから、つい中身が気になっちゃって」って。
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「で中に何が入ってたんだよ?」って聞こうとしたら足下が急にぐらついて、うわやばいと思ったら時既に遅しで、そのまま坂を転げ落ちるみたいに、まぁすごいことになって。
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でクソ痛えって呻きながら立ち上がったらどこだか分からない林の中で、どうしたもんかなあと思っていると。リュックサックの中からスマホの振動がして、開いてみると友人からのLINEが来てて「生きてる?」って。
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そりゃ生きてるけどさあと心の中でぼやきながら「うん」って返したのよ。それで今どの辺にいるって聞いてきて、分かんないって答えて。それで彼の方から「LINEで連絡とりながら何とか合流しよう」って言ってきて。いやいくらなんでもそれは無茶でしょって言ったんだけど友人は聞かなくて。
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仕方なくて自分の携帯から救助に電話しようとしたんだけど、何故か向こうとつながらなくて、何度も試したけど同じ調子で。どうしようもないから結局スマホで周りの状況を定期的に確認しながら合流を目指そうってことになって。
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それで辺りを当てもなく歩き回ったんだけど、まぁ案の定二人で迷っちゃって。いつまでたっても友人の姿が見えないから業を煮やして「だから言ったじゃん、もう夜中だぜ」って送ったのよ。
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そしたら友人が「え、まだ昼だよ」って。
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え?ってなって冗談やめろよって言ったら友人が写真寄越してきて、それを見るとまだ確かに明るいんだよ。いやおかしいだろって思って家に電話かけようとした訳。今何時かって聞こうと思って。それでまた繋がらないんだよ、電波が。
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それでふと思ったんだよ、こんな道もないような山のど真ん中で電波通じるはずがないって。
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じゃあ友人とのLINEはって。
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次の瞬間、携帯が思いっきりブーーーーーッって鳴り出して。
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それで思わず携帯投げ捨てて、完全にパニックになっちゃって。わーわー叫びながら真っ暗な林の中を無我夢中で走って。後ろの方から音がまだ聞こえてて。恐怖で頭の中が一杯で。
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そうして無茶苦茶に走ってたら、突然広い通りに出て、山道の客が横から割り込んできた彼のことを怪訝そうな目で見てて。気付けば周りが明るくなっていて。
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それで半ば放心状態で山道をたどって降りて、入り口に到着すると何故か友人がそこにいて。何でここにいるんだよって聞いたら「来た道を戻ってきた」としか言わなくて。
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コメント

かたなし @stml189 2017年2月28日
近親相姦に近いけど何か違う、そして幽霊の話だと思うけどそれも何か違う…… 正直この人の描く怪談は桁が違う。 ナンセンスな現実世界がリアルに見えてくる、そんな感じ
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