純情。

大倉組 @ohkuragumi

（50）純情 『〇〇ちゃんとこの、お祭りって、どんなん？』 「お祭りっていうか、縁日ですね。」 『縁日？ええね～。 縁日って響きがええわ(笑)』 「そうですか？」 『なんやワクワクせぇへん？ 昔ながらの～みたいでさ。 小ちゃい出店みたいの、ぎょうさん並んでてさ(笑)』

大倉組 @ohkuragumi

⑤①純情 「ぎょうさんではないけど、並んでますね♪」 『何、売ってるん？食べ物』 やっぱり食べる事、好きなのね 「綿あめとか、リンゴ飴とか、イカ焼きや……………… 『ヤキソバは!?』 「ヤキソバですか？」 ヤキソバも好きなのね(笑)

大倉組 @ohkuragumi

⑤②純情 『そう！ヤキソバ！ 俺さ、小ちゃい頃よう買うてもろたわ。 あの、でっかい鉄板でさ、えらい量を作るんよ？ すごない？ あの鉄板、欲しかったわ(笑) 懐かしいな～。 なぁ、あるん？ヤキソバ』 凄い勢いで話す大倉さん。 こんな無邪気な大倉さん初めて(笑)

大倉組 @ohkuragumi

⑤③純情 「ありますよ♪」 『ホンマ!?食べたいわ～!! なぁ、連れてって？』 「えっ？」 連れてって？一緒に行こうって事？ 『どこなん？どこなん？』 「〇〇ですけど…」 『連れてってくれへん？』 急に真顔で言う大倉さん。 そんな真剣な顔で、ドキッとするよ…

大倉組 @ohkuragumi

⑤④純情 「連れてって、て、縁日…ですか？」 『うん。』 「…………」 『詳しい場合、分からへんし、 一緒に…行かへん？』 行きたい!!行きたい!! でも、いいの…？ 『やっぱりダメ…？ こんな俺とじゃ、嫌かな…？』 また伏し目がちになる大倉さん…

大倉組 @ohkuragumi

⑤⑥純情 「そんな事ないです!!ただ… 私でいいのかな…？て思って」 『何が』 「一緒に行くのが私で …」 『他に場所、分かる人おらんやろ？』 「あ～、そうてすよね。」 そりゃ、私しか分からんよね… 何かを期待した自分が恥ずかしかった

大倉組 @ohkuragumi

⑤⑦純情 ――― 私でいいのかな…って、 キミだからやねん…。 でも、言えんかった…。 さっき、あんなとこ見られてるし、そんなん、言えんかった… 『行こ？一緒に行って…？ ええかな？』 「はい、ご案内させていただきます(笑)」 そう言って約束を交わした。

大倉組 @ohkuragumi

⑤⑧純情 そして約束の日… 「縁日やもん…」 新しく買った浴衣… 恥ずかしいけど精一杯、可愛くしたかった… 普段は１つに束ねてる髪も、 浴衣に合わせて結いた。 待ち合わせの場所… 大倉さんは、まだ来ていない。 「良かった…先に着いた。」 大きく息を吸って、気持ちを整えた

大倉組 @ohkuragumi

⑤⑨純情 ――― 約束の日… 『やっべ!!こんな時間!!』 早く起きよう思ってたのに、寝すごした。 昨日、寝られへんかったんや。 えらい緊張してもうて… あわてて身仕度を整える。

大倉組 @ohkuragumi

（60）純情 『縁日といえば、浴衣やろ♪』 またイメージないとか、思われるんかな(笑)♪ ええよ、別に♪ 縁日は浴衣や！浴衣♪ 初めて買った浴衣に、腕を通す。 『よし!!』 気合いを入れて、約束の場所へと向かう。

大倉組 @ohkuragumi

⑥①純情 ――― 「緊張する～…」 気持ちは高鳴るばかり… 何度も深く呼吸して、彼を待つ ―― 『あっ！おった♪』 いつもの制服姿とは見違える程の 色っぽさに、男心が暴れ出す… ―今日、言おう… 伝えたい言葉…

大倉組 @ohkuragumi

⑥②純情 『ごめんな。待った？』 そう言いながら向かってくる大倉さん。 ―浴衣だ…何あれ…？ カッコイイにも程がある… そんな大倉さんに、心捕まれた 『ほな、行こか♪』 そう言って歩き始めた。 pic.twitter.com/mE5HF7u6ET

拡大

大倉組 @ohkuragumi

⑥③純情 『結構、人おるんね？』 「年に一度しかないんで、こんな時は、みんな出て来るんですよ♪ 普段は、全然ですよ？」 そんな会話をしているうちに、目の前には、目的の物が現れた。

大倉組 @ohkuragumi

⑥④純情 『あっ！ええ匂いしてきた。 あれちゃう？』 「そうですね♪」 『匂いからして、美味しそうやわ～。 早よ行こ♪』 そう言って私の手を握り走り出す ドキドキが止まらない… そんな私の気持ちなんか、そっちのけで、 はしゃぐ大倉さん。 やっぱり、女の人…慣れてるな…

大倉組 @ohkuragumi

⑥⑤純情 『ヤキソバ２つ下さい～♪ 〇〇も食べるよな？』 いきなりの呼び捨て!! 心臓が止まる思い。 小さなベンチに腰掛けて、二人で食べる。 『やっぱりウマいな～♪ コレ、普通のやつと、ちゃうんやないか？ 何か特別なもん、使っとるやろ？ なっ？』 少年のような笑顔…

大倉組 @ohkuragumi

⑥⑥純情 「でもヤキソバの袋、スーパーで売ってるやつでしたよ？」 『えっ!?そんなん見てたん？ ネタバレすなよ～♪ 夢、壊れるやんか～(笑)』 そう言って、笑い合った…

大倉組 @ohkuragumi

⑥⑦純情 陽も、すっかり暮れて星空が広がる… 『なぁ、あそこらへん、人、集まっとるけど、何かあるん？』 「あっ、花火大会あるんですよ」 『そうなん!?早よ言ってよ♪ もう人、いっぱいやんか』 約束できた事で頭がいっぱいで、 花火の事まで話す余裕なんてなかった。

大倉組 @ohkuragumi

⑥⑧純情 『あんなん人、多かったら、 花火よう見えんな…』 そうボソっと呟いた…。 ―― あるよ…。 見える場所… でも教える事に戸惑う私… だって… 誰も来ないような所だし、二人きりになったら、どうしたらいいのか、分からないから…

大倉組 @ohkuragumi

⑥⑨純情 『なぁ、どっか知らへんの？』 「えっ!?」 『こんな人いっぱいの所やなくて、ちゃんと花火、見えるとこ』 「あ～、もう少し行った所の神社の境内なら…」 結局、教える私… 『そうなん？ほな行こ♪』 優しく微笑む大倉さん。

大倉組 @ohkuragumi

（70）純情 「えっ!?でも、 もう少し歩かなきゃいけ『俺は、ええよ… 一緒なら…』 真剣な眼差しで見つめ、また、手を握って歩き出す… 繋がれた、手は暖かく、夢じゃないかと涙がこぼれそうになる… 少し歩いた先に神社が見えた…

大倉組 @ohkuragumi

⑦①純情 『あっ、あそこやね？』 「あっ…はい…」 そう言って境内に入る… 静かな境内の裏… 私と大倉さんの二人きり… 高鳴る鼓動… 手は繋がれたままで、沈黙の時が流れる…

大倉組 @ohkuragumi

⑦③純情 パーン!! 空一面に広がる花火 『すげぇ…』「すごい…」 言葉が重なった… それと同時に涙が溢れ出した 花火が広がる度に、溢れる涙… 好きだよ…つのる想い… このまま一緒に居られたら… pic.twitter.com/L2hu8D88nY

拡大

大倉組 @ohkuragumi

⑦④純情 切なくて、苦しくて… ただ涙が溢れる… すると、繋がれてた手が離され、 後から抱きしめられた… 何が起きてるのか分からない… 「えっ？大倉さん…？」 『黙っといて…』 「えっ？あの…離し『いやや…』 抱きしめてる腕にギュッと力がこもり、さらに抱きしめられた

大倉組 @ohkuragumi

⑦⑤純情 「いやや…って…あの、私… こうゆうの慣れてなくて…」 『慣れとったら困る…』 「えっ？困るって…何で…？」 『何で…て、俺が嫌やから…』 「ちょっと… 意味が分か『すきや…』 突然の言葉に耳を疑う…

大倉組 @ohkuragumi

⑦⑥純情 「えっ…？」 『好きです…好きなんです…』 抱きしめたまま言う大倉さん。 何度も強く抱きしめられる 「大倉さん、カッコイイしモテるし、 私なんか『なんかやない…』 「でも…あの…」 嬉しい… だけど信じられなくて 気持ちを確かめたくて 言葉を続けようとした…