グラニューンの娘は親不孝

トト＠TYA中邪 @glnewto

【後／内政／戦功３】トト＠中立は前線への補給物資を届ける役目を任される。ＨＰ＋１、ＳＰ＋３。あなたが誰かを支援した場合、１回だけその相手のＨＰとＳＰを＋３してもよい。 appli-maker.jp/analytic_apps/… #GC茶

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(2/5 診断分) 『屋根の下』 「遺産目当ての養子入り」 周囲の認識は概ねそこに落ち着いた。 グラニューン老夫妻に迎えられてからの生活は、真綿で首を絞められているような苦しさがあった。 彼らはひどく、優しい、儚い人達だった。

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随分ひどい言葉も浴びせた。 「生きるのを諦める理由に、私を使わないで」 吐瀉するように叫んだ。 わかっていたのでしょう。 孤児院での生活振りを知っていて、私を家にあげたのでしょう。 「娘が食べられないのに、私達だけ食事をするわけにはいかないよ」 歯を食いしばって息を呑んだ。

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優しさだということは、わかっている。 さも当然と放たれた言葉が、ぎりりと喉を締め上げた。 必要な事を切り捨てるのは馬鹿馬鹿しい。それで寿命を縮めるのなら殊更に。 ……ただ、結局のところ、食事を続けても彼らの命はあまり永く持たなかった。 短い時間、二人は私の事を案じてくれた。

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飴の作り方を教えてくれたのは、嬉しかった。 先の事を考えて、私に託してくれた事だから。 家や財産にしたって、そうだ。 だから二人を看取った後、私にとって必要のないものは全て売り払った。 食器、調理器具、食器棚も今の家にはない。 それを元手に私が整えたのは、服と化粧品だった。

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それを知った周囲の人達が、今の認識を持つのは自然な事だ。 それでいて傭兵の真似事をしてお金を稼ぐ様を見て、浅ましいと思う事も。 家があるのは助かる。必要なものを置いておける。人目を気にせず着替えも出来る。 故郷なんてものではなく、大きな倉庫のようなもの。 それでいい筈なのに。

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浅ましい、卑しい。噂に囁かれる言葉が、自分を理想から遠ざけていく。 時折、どうしたらいいのかわからなくなる事がある。 最たる目標さえ、大多数の人々と反したところにあるからこそ。 「正しさ」を求めれば全てが泡になる気がする。

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この吐き気を克服しなければ、混沌なしに生きていく事はできない。 だから皇帝聖印を頂く者など現れなければいい。 それは、たかだか一人の命のために通る道理ではないことも、とうの昔にわかっている筈なのに。

トト＠TYA中邪 @glnewto

……わかっている。 非力と知って戦場を踏むのは資金の為だけではないことも。 喉の奥で核が鳴く。 お前に飼い殺されるのは嫌だ、と。 ……それは、私の台詞だ。 嫌だ。 けれどまだ、がむしゃらになりきれない半端者なのだということも。 わかって、いるんだ。 また、真新しい服に身を包む。