遠くに聞こえる人混みの声

トト＠TYA中邪 @glnewto

【後／休息／戦功０】トト＠中立は人で賑わう城下町の酒場を訪れた。油断なく情報収集に精を出すならＨＰ－１、調査点＋３。ひたすら飲み食いあるいは歌い騒ぎ、日頃の憂さを晴らすならＨＰ＋７。 appli-maker.jp/analytic_apps/… #GC茶 (わぁ)

トト＠TYA中邪 @glnewto

(2/8 診断分) 『狂い調子』 床板、扉の蝶番、窓枠……窓に貼る硝子は、専門家に依頼が必要だろうか。 自分でどうにか出来そうなものを直すにも、まずは材料が必要だった。 土足で踏み荒らされてしまったので、軽く掃除をしたついでに必要な物を書き出す。 後はどこで揃えるかだ。

トト＠TYA中邪 @glnewto

近辺の状況を知っておきたい所もある。 人で賑わう場所はあまり得意ではないが、今はそうも言っていられない。 噂に聞くような酒場を一軒訪ねてみる事にした。 昼間から大賑わいで、すでに顔を赤らめている人もいれば、隅の方で地図を広げて話している人も、歌や踊りを披露して路銀を稼ぐ人もいる。

トト＠TYA中邪 @glnewto

少し考えてから、エールを一杯注文した。 一度だけ、口に含む。 もう一度店内を見回す。カウンター席に座った二人組に声を掛ける。 本当の事を話すわけにもいかず、理由については適当にごまかして、良いお店を知らないかと尋ねた。 彼らは幾つか見当をつけて、お店の名前と場所を教えてくれた。

トト＠TYA中邪 @glnewto

メモに書き添えて懐にしまう。 その後、彼らは良かれと思ってか手伝いを名乗り出てきた。 少し距離が近くなり、名前や住まいを尋ねられる。 じわり、恐怖と焦りが滲む。 お礼を伝え、少々無理を強いて、エールを飲み干して酒場を出る。 風に当たれば問題ないだろうと考えていたけれど、甘かった。

トト＠TYA中邪 @glnewto

無理に歩くのも我ながら危なっかしく思え、段にゆるゆると座り込む。 苦笑されそうだ、と思いながら、ティーカップに水を満たした。 少しずつ口に含む。 僅かに落ち着いてから、自分に呆れる。 辺りの戦況についてをすっかり失念していた。 少々途方に暮れつつ、水を飲んだ。

影追い人セズィ @mumei_gc

@glnewto 「随分と可愛らしい落とし物があるじゃ無ぇか」 座り込む貴方に声が聞こえ掛けられる。僅かばかり離れた場所。建物の陰に溶け込むように1人の男が立っていた。 黒い装束、黒いフードで顔の大半を隠していて、表情は見えない。が、どこか面白がっているような声色で… →

影追い人セズィ @mumei_gc

@glnewto 「アンタ酒場でも妙に浮いてたな。ああいう場所にゃー慣れて無ぇみてーだが？」 男は立っている場所からは動こうとはしなかった。 僅かに貴方を…貴方の様子を伺うように、少しだけ首を傾げるのみ。 「あの2人組みに、何かされたのかい？」

トト＠TYA中邪 @glnewto

@mumei_gc コッ。 陶器のカップが音を立てる。 ヒビが入った様子はなく安堵するも、気持ちは再び張り詰める。 男性の方へ目を向ける。警戒は緩めずに、苦笑して首を振る。 「いいえ。お二人は親切にしてくださいました。ご推察の通り……カウンターの椅子が、高過ぎたものですから」→

トト＠TYA中邪 @glnewto

@mumei_gc カップを腿の上に添えて、ゆっくりと浅く頭を下げる。 あまり深く高さを落とすと、再び具合を崩しそうな気がした。 「お食事時に、お茶を濁してしまいましたね。お詫び申し上げます」 この上ご迷惑をかけるわけにもいかない。伏せた貌の下で、潜めて息を整える。

影追い人セズィ @mumei_gc

@glnewto 貴方の様子に、男はクックッと小さく笑った。 「んな警戒しねーでも、別に取って喰いやしねーよ。つーか、オレも本調子で無くてな。酒場で目をつけられるよりはと外に出てた所だ」 よく見れば男は建物の中壁に背を預け、右腕を庇うように押さえているのが分かるだろう。 →

影追い人セズィ @mumei_gc

@glnewto 「大したもんでも無いんだが、たまに調子が悪くなる」軽い口調で皮肉るように告げると、肩を竦める。 「こっちは旅の途中でな、仲間を待ってた所だが……アンタ、この辺の人かい？」

トト＠TYA中邪 @glnewto

@mumei_gc 「目をつけられる……？ 本調子でない時に、それは、難儀ですね」 ……尤も、弱みを突かれて沈むような方とも思い難い。 根拠のない第一印象に過ぎないので、心配がないといえば嘘だ。 「ええ。何かお役に立てる事があれば……」→

トト＠TYA中邪 @glnewto

@mumei_gc 言いかけて、思い出したので提案してみる。 「交換で如何でしょう。ここへ来るまでの様子を少しお伺いしたいのですが」 ゆっくりと立ち上がり、片手で埃を払う。 「何もないという場合でも、この街の中ならご案内致します」

影追い人セズィ @mumei_gc

@glnewto 立ち上がった相手に少し驚いたような仕草を返す。 「得体の知れない男だぜ？一緒に居て良いのかい？俺が本当に"何もしない"とは限らないぜ？」

トト＠TYA中邪 @glnewto

@mumei_gc 「否定はしませんが」 表情も読めず、その上、これまでの話も今の様子も全て演技だとなると、得体が知れないのは確かだ。 「"何もしないとは限らない"と教えてくださる時点で"趣味じゃない"のではと」 金銭目当てなら、受講料だと思って荷物を置いてさよならだ、と。

影追い人セズィ @mumei_gc

@glnewto 「……ッ」 僅かに肩を震わせる。まるで何かを耐えているような？そんな印象を得るかも知れない。 が、次の瞬間に男は耐えきれず、 爆笑した。 「ふはっ、ハハハ、なんだ、世間知らずのお嬢さんかと思ってたが、なかなか度胸が据わってるじゃねーか」 →

影追い人セズィ @mumei_gc

@glnewto 左手でフードを外す。存外若い30ほどの男の顔が現れるだろう。銀の髪に紅色の瞳。 「ちょいと訳ありでね」示すのは男の右目、その周りの黒い痣 「あんま顔を晒したくは無ぇんだ。ま、こっちが知りたいのはこの町の様子ぐらいだ。俺の話で良けりゃいい暇つぶしだ。付き合うぜ？」

トト＠TYA中邪 @glnewto

@mumei_gc 遠慮ない笑い声が頭に響いて、顔を顰める。その位は許される筈だ。 世間知らず云々は触れずにおこう、と決めて……少々、面食らう。 「……ちょいと、ですか」 言ってのける、と、思った。 「お強いんですね」 小さく小さく呟く。ふっと息で吹き払って気を取り直す。→

トト＠TYA中邪 @glnewto

@mumei_gc 「大きな町ではありませんが、物の通り道ですので潤っている方かもしれません。行商も良く見かけますし、お連れの方がここを指定したのも頷けます」 であれば行き先は宿場街だろうかと見当を付けつつ。 「密偵の類も珍しくない……と聞きますが、噂は噂です」→

トト＠TYA中邪 @glnewto

@mumei_gc 彼がこの町に飛び入った種火だったとして、咎めるつもりもない。 「貴方は、何をしに行くところなのですか？」 不躾な興味本位を承知で、紅玉の奥に問いを投げる。

影追い人セズィ @mumei_gc

@glnewto 「何をしに、ねぇ？そりゃ少し意外な質問だったな？なんだ、嬢ちゃん俺に気があんのか？」 軽く笑って肩を竦める。その紅の瞳だけは冷めたままで。 「最近は色々と物騒でな、周辺諸国では小さな諍いが絶えない。やがてそれが大きな戦に変わるんじゃねーかって話もある」 →

影追い人セズィ @mumei_gc

@glnewto 「俺はまぁ、その混乱の大元を探してる所だな。しがない根無し草の賞金稼ぎ、とでも思って貰えればいい」 たいして強くは無ぇけどなぁーと呟く。 「それに嬢ちゃんだって＂普通＂じゃねぇだろう？」 あのティーカップに満たされた水を見た限りでは。

トト＠TYA中邪 @glnewto

@mumei_gc 少しずつ戦乱は拡がっている、と。 どこまでその線が引かれているかを調べる必要があるのかもしれない。 呟きを拾って苦笑した。 「ご謙遜を」 強くなければその紅は黒に呑まれていたのでは。憶測を立てる。→

トト＠TYA中邪 @glnewto

@mumei_gc 視線を辿って、手元の形見を見て白状する。 「いいえ、とは答え難いです。本当に、目敏い方ですね。気を持たれる事も少なくないのでしょう」 少し残っていた水を、飲み干した。 「……混乱の大元を追っていけば、そのフードは必要がなくなる、と？」