もっと、楽に

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トト@TYA中邪 @glnewto

【戦闘/戦功6】キミの部隊と敵軍と一進一退の攻防が続く。HP-5、SP+6。あなたがメイジなら戦術的な優位を得るために魔法を駆使してもよい。その場合はHP-6、SP+9に変更。 appli-maker.jp/analytic_apps/… #GC茶

2017-02-10 00:18:29
トト@TYA中邪 @glnewto

(2/10 診断分) 『道化』 一人が備えたところで戦況は大きく変わらない。 痛感した。 心臓一つで賄える点など本当に、芥子粒程なのだと。 一マス、駒が進めば、三手先で一マス押し戻される。 消耗戦が続けば、その分損害も拡大する。 兵の士気も目に見えて下がり始めていた。その時に。

2017-02-10 03:58:58
トト@TYA中邪 @glnewto

「全軍、速やかに退け! 戦線を下げる!」 戦場に凛とした声が響く。大柄な杖を持つ魔法師が、空を駆り繰り返しそう叫んだ。 指示に従わず場を守ろうとする者がいれば、容赦なく杖を振るう様に圧倒されてか、軍勢は指示に従う。 戦線を下げた後も、魔法師は簡潔に各隊へ指示を飛ばし続けた。

2017-02-10 03:59:59
トト@TYA中邪 @glnewto

予定よりも時間を要したが、作戦は成功した。 一番の功労者として名前が挙がったのは言うまでもなく ーー 名前を聞いた後、どんな話がなされたか等、まるで記憶にない。 戦の後、直接、彼と話す機会を得た。 ……神とやらに弄ばれているのではとすら思えた。

2017-02-10 04:00:35
トト@TYA中邪 @glnewto

社交辞令的な賛美にも握手にも、応える事は出来なかった。 「……見事な、采配でした」 ありふれた言葉を口にするのが精一杯だった。 「まだまだだ。私は……まだ先へ進まなければならない」 自分に義務付けるように彼は言った。 「何故です」 沸々と込み上げる怒りを必死に鎮めながら、尋ねた。

2017-02-10 04:02:17
トト@TYA中邪 @glnewto

声音に滲んで、伝わってしまったのだろうか。 やや間を空けて、彼は悔いるような、噛みしめるような声で答えた。 「踏み躙ったからだ」と。 彼は言った。 今の自分の立場は、本来立つべき者の代わりであり、時が来た時には本来の該当者へ返還するつもりだったと。

2017-02-10 04:02:47
トト@TYA中邪 @glnewto

しかし当の人物が逝去しており、生涯叶わなくなった事も口にした。 「せめて彼が何を目指していたか、それだけでも聞きたかった。……意志を継ぐ事も叶わないなら、歩みを止めずにいる事しか、私には思い浮かばない」 自嘲する顔や声と裏腹に、打ち明けられた言葉には、言い知れない重みを感じた。

2017-02-10 04:04:02
トト@TYA中邪 @glnewto

「ならば……。……畏れながら、進言致します。傭兵の戯言と、聞き流して頂いて構いません」 彼を見据えて、口にする。 「貴方が戴くべきは唯一の悲願のみ。それを成就されるであろう方にのみ、真にお仕えなさいませ。……継いで進むと仰るならば」 『本来立つべき人』の望みは、恐らくそこにある。

2017-02-10 04:05:06
トト@TYA中邪 @glnewto

忘れようがない、記憶に焼きついた顔を振り返れば、容易に想像ができた。 驚く彼を前に、改めて、謹んで礼をする。 「ご無礼を働きました。この責は、自ら隊を辞する事で取らせて頂きます。……失礼を」 一方的に告げて、返答を待たずにその場を立ち去った。 .

2017-02-10 04:05:54
トト@TYA中邪 @glnewto

……火が、鎮まったわけではない。 けれど。捲し立てるだけの猛りは失せていた。 家の、寝台の上で。 横たわるでなく、壁に背と頭を預けて、ぼんやりと星を見上げた。

2017-02-10 04:06:13