イポリイト・テエヌ『文学史の方法』読書メモ集

イポリイト・テエヌ『文学史の方法』(瀬沼茂樹訳、岩波文庫、1953)の読書メモをまとめました。
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荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

書物というものは、化石した貝殻と同じような、一つの鋳型にほかならない、かつては生存していたが、今は滅びてしまった動物が石の中に遺した形態の一つと同じような、一つの跡型にほかならない。byテーヌ『文学史の方法』

2017-03-10 18:08:01
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

いかなる作家といえども模倣してはならぬ、われわれは他人から感染したり、他人から要求したりすることは誤っている。文学においては、他人から借りてくることは破滅することである。byテーヌ「スタンダアル」

2017-03-13 10:47:50
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「あ、バルザックとバランザックって似てる!」って思ったけどすぐ「バランザックって…なんだ?」ってなって「ああ、ざっくばらんを業界用語風に言い換えたものか」ってなった。

2017-03-13 11:52:32
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

「人間が変質されるか手傷を負うかするところには、かならずバルザックがいる」(テーヌ「バルザック」)。「人間が~するところには、かならず~がいる」、この言い回しいつかどこかで使う。

2017-03-13 11:57:54
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

私は荒涼たる野原の中ではライオンに会うよりも羊に出会う方が好ましいが、鉄格子の後からならば山羊よりもライオンを見る方が好きである。芸術はまさにこの種の鉄格子で、恐怖の念を取り去って、興味を保ってくれる。byテーヌ「バルザック」

2017-03-13 12:11:52
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

テーヌ『文学史の方法』読了。瀬沼茂樹訳、お前こんな仕事もやってたのか感。人種・環境・時代で文学を還元できる論はたしかに古い…が、侮ってはいけないような気がする。気を緩めるとすぐに私達はテクストの細部を無視してこの手の安直な解釈枠組みに頼りがちである。

2017-03-13 12:18:59
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

いや、そもそもテクストを単独で取り出すことなど可能なのか? 別の言葉でいえばコンテクストから切り離されたテクストとはなにか? その「コン」の部分には容易に人種・環境・時代が入り込む。ロールズ批判としては外しているようにみえるが、サンデルの「負荷なき自我」批判も想起させる。

2017-03-13 12:22:36
荒木優太(新しい本が出たよ) @arishima_takeo

しかし、そんなこと言ってても、テーヌの批評本文自体(スタンダール、メリメ、バルザック)は意外と素朴な作家論みたいで、別に人種とか時代とかさほど強調してないように感じた(その意味では余り実践してないのかな?とか)。あと、リスぺしてるサント・ブーヴをちゃんと読まねばならない。

2017-03-13 12:25:57