2017.3.17 原発避難訴訟 初判決 東電・国の地震予測「長期評価はまだ科学的に確実じゃなかったから」について 添田孝史さんのツイートまとめ

添田孝史 @sayawudon

さかのぼって適用する法的仕組みは何もなかった」という点だ。いわゆる「バックフイット」という仕組みで、新基準になって取り入れられている。 　事故前にこの仕組があれば、国が東電に対策を命じることができたとされている。 引用終わり 　さて、事故前になぜバックフィットの仕組み整備できな

添田孝史 @sayawudon

かったのか、ということについては、膨大な新情報が昨年11月にイインチョのところから開示された。簡単に言えば、東電がバックチェック、バックフィットを規制に盛り込むことに反対していたわけです。詳しくは来週出る岩波『科学』4月号をご覧ください。 　バックフィット、バックチェックについて

添田孝史 @sayawudon

安全委が検討していた資料を一つ紹介しておくと（これはコンパクトにまとまっていて便利） 1drv.ms/b/s!AlwyMKNSAj… ということをやっていたわけです。 規制当局がバックフィットさせようとしたら東電（および電事連）がそれをつぶしたわけです。だから産経が書く「法的仕組

添田孝史 @sayawudon

みは何もなかった」というよりは、国が法的仕組みをつくろうとしたら、東電がそれをつぶしにかかった、というのが正しいわけです。いやあ、怖いですね。

添田孝史 @sayawudon

次は朝日新聞。吉岡斉さんや加藤雅信さん（民法）のコメントをつけている点は親切だった。加藤さんのコメントで「02年の政府の長期評価や08年の東電の津波高の資産で予見が可能だったかは科学的な評価の分かれるところだが」とあるが、これは科学的に「正解」「間違い」が白黒決まるものではない

添田孝史 @sayawudon

ので、加藤氏の言う「科学的な評価」が具体的に何を指すのかよくわかりません。一番ひっかかったのが、佐竹健治さんのコメントの使い方。佐竹さんは国側証人、意見書も２つだしている、被告側の人間であることを明記せずに、このように中立な識者であるかのようにコメントを載せるのはダメ。

添田孝史 @sayawudon

佐竹さんのコメントは以下のとおり 「実際に起きた地震や津波を予見できたかといえば、そうではない。だが、何らかの対策が必要であることは予見できたということだろう」 これを載せるならば、原告証人だった島崎さんのコメントも載せるべきであろう。 　佐竹さんのコメントは短いからわかりにく

添田孝史 @sayawudon

いが、佐竹さんが前々から言っているプラントの脆弱性と津波リスクとの関連についてはとても有意義な分析なので、こんな中途半端な扱いをせずに、きちんと紹介すべきであった。この長さではなんのことやら読む人はわかりません。

添田孝史 @sayawudon

前橋判決文に間違いを見つけた。p.134 「保安院は、平成13年7月、耐震設計審査指針の改訂作業に着手し」とあるが、これは安全委の間違いだろう。実際は、裏作業は保安院がやっていたから、そこまで深読みすれば保安院でも正しいけど、どうなんだろうか。

添田孝史 @sayawudon

さらに見つけた。p.613 「各原子力事業者は、平成19年8月20日、耐震バックチェックに関して中間報告書を提出した」8月20日に、各電力会社はバックチェックの実施計画を見直して、中間報告書を提出したのは翌平成20年3月31日。 warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid…

添田孝史 @sayawudon

この判決文の間違いに引きずられて、朝日新聞の本日朝刊１面トップの本記も間違っている。「東電が中間報告を出した07年8月の時点で、国は事故を防ぐ対策を取るよう命令すべきだったとした」とあるが、前述のように中間報告を出したのは08年3月。判決文はp.619 でも「平成19年8月、被告

添田孝史 @sayawudon

東電から耐震バックチェック中間報告書の提出を受けた際、津波に関する記載がなかったことについても認識していた」と書いているけど、これも誤り。

添田孝史 @sayawudon

東電がバックチェック中間報告書を提出したときのプレスリリース tepco.co.jp/cc/press/08033…

添田孝史 @sayawudon

いやしかし、判決文が間違っていたら、記事はふつう間違うだろうなあ。担当記者はお気の毒さま。

添田孝史 @sayawudon

判決文は「遅くとも平成19年8月頃には、上記認定の規制権限を行使して、被告東電において、本件結果回避措置を講じさせるべきであった」(p.620)としている。これは、7省庁手引きのころ津波に対する脆弱性にきづいてからだいたい10年、長期評価（2002）からも5年経ったから。

添田孝史 @sayawudon

平成19年8月20日の意味を間違えているのはさておき、この時期に注目していることは大事。なぜならば、8月20日のバックチェック実施計画見直しで、「津波は後回しにして、最終報告書でやる」ことを、電力会社と規制当局が合意しているから。その裏になにかあったと思われていて、国会事故調はか

添田孝史 @sayawudon

なり深掘りして探っていたのだが（私はそのチームには関与していない）、報告書には成果が出ていない（意味深な書き方だなあ）。

内田 @uchida_kawasaki

2017.3.23 原発事故賠償判決で訂正＝国の権限行使時期に誤り―前橋地裁（時事通信） headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170323-… 国が東電に津波対策を取るよう規制権限を行使すべきだった時期を「遅くとも2007年8月ごろ」から「遅くとも08年3月ごろ」に訂正

添田孝史 @sayawudon

時事通信より5日も早いツイートであった。もしかしたら裁判所も読んでいた？（爆 twitter.com/sayawudon/stat…