-
free_fig_dragon
- 24125
- 37
- 1
- 1
![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
@kemo_trpg 「原田ひかるさん……ですよね?驚かせてしまってすみません、実は……僕も、あなたと同じように摂食障害を患っているんです。それで無意識のうちにあんなことを……あなたが受けているというカウンセリングについて、どうか教えていただきたいんです。」と、これでどうでしょ!
2017-03-29 22:25:45![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
考え得る中では最高の回答でした。 原田ひかるはハッとして、穏やかな口調で話し出します。 ひかる「……そういうことでしたか」
2017-03-29 22:29:54![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ひかる「えっと……原田ひかる、って言います」 ひかる「……わたしにも、あなたのように……奇行に走ってしまう時期がありました」 「あなたの苦しみを、わたしも味わっていたんだよ」とでも言いたげに、優しく微笑んでから……空席を指で示します。 ひかる「……この席に、座っても?」
2017-03-29 22:30:09![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ひかる「摂食障害のカウンセリングについて、知りたいんでしたね」 ひかる「『あの人』のカウンセリングがどれくらい凄いか説明するために……まずは、わたしの昔話をします」
2017-03-29 22:34:40![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
彼女は眉尻を下げ、困ったような笑みを浮かべながら話し出す。 ひかる「もうそろそろ三十路……なんですけど。この不況のせいで、なかなか、思っていたようなお仕事をさせてもらえなくて」
2017-03-29 22:34:52![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ひかる「ずーっと頑張って……結構いい大学を出て、仕事の勉強もいっぱいして……」 頬杖をついて、テーブルを見つめる。挫折を知っている人間の顔だ。 ひかる「それなのに、いつまで経ってもやりたいことができない。そのことがとっても辛かった……」
2017-03-29 22:35:20![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ひかる「……気付いたら、過食症になってました。食べて、食べて、食べて、食べて……吐いてしまう」 ひかる「それで、いろいろ悩んで……口コミで聞いた、『韮崎さんのカウンセリング』を受けてみたら!」 バンッ、とテーブルを叩き、立ち上がる。 ……喜色満面だ。
2017-03-29 22:35:42![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ひかる「ウガア・クトゥン・ユフ! これが効果絶ッ大なんです!」 ひかる「わたし、もう、過食症に悩まされてなんていないんです!!」
2017-03-29 22:35:45![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
韮崎さんのカウンセリングを受けているとうそのようにまったく食欲を感じなくなり、しばらくは水だけでも平気になる。 例えるなら、『夢の中で誰かが自分の代わりにたっぷり食事をしてくれているようなイメージ』。 寝て、目を覚ませば、充実した満腹感が得られている。
2017-03-29 22:36:36![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ただし、それは長続きはせず、3週間ぐらいすると再び食欲が戻ってくる。 もっとも、そうなったところで、韮崎さんのカウンセリングを受ければ、即座に食欲は解消される……だそうです。
2017-03-29 22:36:49![](https://s.togetter.com/static/web/img/placeholder.gif)
ひかるは、そんな不自然な習慣を、さも当然のように話してくれました。 不摂生としか言いようがない食生活ですが、それで彼女は大丈夫なのか……ということは、<医学>でわかります。
2017-03-29 22:36:56