これは私が中学生の時…林間学校で山奥のとある施設に泊まった時の話です。 同じ部屋の友達と真夜中に怪談話をする。これはある意味定番ですね。 この怪談話が事の発端になります。
2017-03-30 01:24:39友達はあるような無いような…そんなちょっと怖い怪談話をしていたんですが、私は咄嗟に思いつくような機転が効かなかったので、自分の小学校にあった怪談話をすることにしたんです。
2017-03-30 01:26:32それでその怪談話というのなんですけど、私の小学校には校舎の裏側にぽつんと1本だけ離れて植えられた桜の木があるんですけど、その桜の木にはいろいろな噂があったんです。
2017-03-30 01:27:58その桜の木は春でもないのに夜中に一気に満開になる。とか、幹を傷つけると真っ赤な血を流す。とか、いくつも眉唾ものの話があるんですが、私が知っていたのはその桜の木の根元を掘り返すと死体が埋まっているというものでした。
2017-03-30 01:30:06今思えば「桜の木の下に死体」っていうのはありがちな噂話なんですが、当時の中学生にはそんな知識は無く、その場にいた友達は私の話を面白そうな顔をして聞いていたんです。
2017-03-30 01:32:13そして全員の怪談話が終わったあと、友達の一人が私の怪談話の真偽を確かめてやろうと言い出したんです。 私はやめておけと言いましたが、彼は頭が残念な人だったので完全にやる気になっていました。
2017-03-30 01:35:58そして林間学校を終えて1週間後くらいです。とうとう彼が行動を起こしてしまいました。私ともうひとりの友達を巻き込んでです。本当に迷惑な話でした。 私は真面目な人間ではありませんでしたが、それでも夜中の学校に忍び込んで桜の木の根元を掘り返すなんて非常識な事をしたくありませんでした。
2017-03-30 01:39:03そもそも、私はどうも嫌な予感がしていました。 信用してくれる人はいませんが私は一応「霊感持ち」の人間でしたので、そっち系の危ないことは極力避けていました。 まぁ、結局彼の計画に同行することになったんですが…
2017-03-30 01:41:43んでもって計画実行の日。深夜家族に見つからないように家を出て小学校の西門(だったと思う)に件の友達と集合しました。 言いだしっぺの彼はスコップを持参してやる気まんまんでした。
2017-03-30 01:44:42門にはセキュリティーがあったため塀を乗り越えて例の桜のところまで移動。 私はその時点で「危ない」と感じていて、一緒にいた友達に警告したんですが二人は恐怖心より好奇心のほうが勝ったらしく桜の根元を掘り起こしはじめました。私は仕方なく彼らのためにライトを照らしておくことにしました。
2017-03-30 01:48:4715分くらい掘り続けていた時でした。私の持っていたライトの明かりが急に消えたんです。電池はほぼ新品だったのでおかしいと思いました。 そこで二人に「今度は本当にヤバイ」と言いました。 ですが二人は聞く耳を持たずそのまま掘り続けていました。
2017-03-30 01:51:38さらに15分くらい経ったくらいでしょうか。私は強烈な悪寒に襲われました。それと同時に掘り続けていた二人が何かを掘り起こしたようでした。 強烈な悪寒の正体を知っていた私はすぐにその場から逃げました。掘り起こした「アレ」は絶対に良くないモノだという自信がありました。
2017-03-30 01:55:06二人を置いて逃げ帰った私は全てを忘れようと即座に寝てしまおうとしましたが、そんなのできるはずがありません。布団に篭って長い時間怯えていました。
2017-03-30 01:57:41そして時刻は深夜2時を回ったくらいだったと思います。 部屋の常夜灯が前触れも無くプツンと切れました。そして私の体は金縛りに遭いました。 金縛りは科学的にメカニズムが証明されていますが、私は「それ以外の理由」の金縛りに何度も遭っています。今回もソレでした。
2017-03-30 02:02:56自由の利かない身体を必死に動かそうとしながら、頭の中でこれは本当に危ない…そう考えていました。 なにせ「ナニか」が私の足を掴んでいる感覚があったからです。
2017-03-30 02:05:50「ソレ」は強烈な力で私の足を掴みながら徐々に上へ上へ…と登ってきました。 そして膝まで掴まれた時に急に体が自由になりました。 その一瞬で私は布団を払い除けて立ち上がり自分の部屋から逃げました。
2017-03-30 02:08:54すると扉の前には祖母がいたんです。 祖母は私が息を荒げているのを察すると「やっぱりナニか入り込んでいたんだね」と言いました。 私と同じく霊感の強い祖母は私を助けようとして部屋に入ろうとしていたようです。(ちなみに私の霊感は祖母譲りだそうです。)
2017-03-30 02:12:41私は祖母のおかげでなんとか助かりました…(と言っても膝から下は掴まれた痕のようなアザができていた。) ですが私が残してきてしまった友達2人は無事ではすまなかったようです。
2017-03-30 02:17:11翌日。そのふたりは学校に来ませんでした。 何があったか私にはわかりませんが、一人は1週間後、松葉杖をつきながら学校に来ました。もうひとりは下半身不随になってしまったらしく、おそらく今でも寝たきりの生活をしていると思います。
2017-03-30 02:20:18以上で私の小噺は終わりです。 最後に…いないとは思いますが、むやみに桜の木を掘り起こそうなんてしないでください。私のような怖い思いをすることになるかもしれません。
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