ラスト・ボーイ・スタンディング2017
(オープン記事)前編まとめを読んで後編更新に備えよう◆ラスト・ボーイ・スタンディング2017(前編)|ダイハードテイルズ|note(ノート) diehardtales.com/n/nfa657f717c05
2017-04-01 01:59:16「あれ?マスラダ=サン?」壁にグラフィティしていたユンオが呼び止めた。彼はストリートの情報屋で、フジキド探偵事務所とも繋がりがある。だが今は面倒だった。「あたしの事はフジキド=サンに黙ってて」「服装もキメキメじゃん」「ああもう!」マスラダはチップを渡して口止めし、先を急ぐ! 23
2017-04-01 11:39:03【ラスト・ボーイ・スタンディング2017】後編 pic.twitter.com/ELJynyttm6
2017-04-01 11:39:41「イヤーッ!」「イヤーッ!」裏路地の水溜まりを撥ね、二人の少年少女は激しい戦闘を繰り広げる。ショーコは鎖を白く光らせ、ヤモトの木刀を打ち据える。そのたびにヤモトの太刀筋は弱まってゆく。命を吸い取るジツだ!「諦めな!アタシはもう誰にも負けねえ!」「僕の邪魔をするなら……!」24
2017-04-01 11:45:34「イヤーッ!」「グワーッ!」ついにヤモトが膝をつく。「モラッタ!」ショーコは鎖絞殺刑めいてカイシャクの一撃を構える!その時!「イヤーッ!」ヤモトは一瞬にしてショーコの後ろに着地した。一秒後、鎖が音を立てて砕け散った。遅れて、ショーコの全身を打擲衝撃が襲う!「グワーッ!?」25
2017-04-01 11:49:50ショーコは身悶えして倒れた。「クソッ!アタシの負けだ。殺せ」「何故。そんな必要はない」ヤモトは呟いた。「僕は身に降りかかった火の粉を、ゲホッ、払っただけだよ」「何だって?まさかお前……リンチってのは本当で……正当防衛だったのか」ショーコは神妙な顔になった。「ならアタシは……」26
2017-04-01 11:53:25「君は僕が初めて会ったニンジャだ」ヤモトは躊躇いながら、傷ついたショーコに手を貸して、立ち上がらせた。「友達になれないか」「よ、よせよ」ショーコは鼻白んで、手を離した。「アタシはそんな……そん……な」彼女の表情が、羞恥から恐怖と絶望に変わる。ヤモトの後ろを見ている。「何故」 26
2017-04-01 11:58:11彼女の視線の先、表通りでヤクザ家紋リムジンが止まった。クローン・フィメールヤクザ達が並び、「センセイ、ドーゾ」と頭を下げた。車内から現れたのは……ナムサン。悪趣味な毛皮コート装束を着たニンジャの女だった。「あらまぁ、ソウカイ・シンジケートに隠れて何のユウジョウだい。エエッ?」28
2017-04-01 12:01:55「ソニックブーム=サン」ショーコは呻いた。「スーサイドォ……オイ、スーサイド=サンン」ソニックブームが豊満なバストを反らし、ショーコに呼びかけた。「契り交わしてカラテを仕込み、ムショから出してやったのは遊ばせる為じゃないよ。何だいそのザマは。力欲しくてアタマ下げたんだろうが」29
2017-04-01 12:10:05「アタシは」「黙りなァ!」「グワーッ!」ナムサン!離れた地点でソニックブームが高く脚を振り上げただけで、強烈な風が巻き起こり、ショーコを撥ね飛ばしたのだ!「テメェは晴れてソウカイヤの犬になったんだろうが!ヌルいンだよ!恥かかせンなコラー!」追い打ち!蹴りまくる!ナムサン!30
2017-04-01 12:15:06ヤモトは止めようとしたが、ソニック回し蹴りを受けて撥ね飛ばされる!「グワーッ!」「お前もニンジャだね?エエッ?ガキめ」「ウウッ……」「最近ここらでニンジャが増えてる。うるさい奴は殺し、見込みのある奴に組織の教えを叩き込むのがアタシの役目さね。テメェも首輪をつけて飼ってやる!」31
2017-04-01 12:19:33「ウ……ウワアアーッ!」ショーコが瓦礫から身を剥がした。そして体当たりをかけ、組みついた!彼女の腕が光り、ソニックブームの力を吸い取り始めた。「こんな力がまだ……テメェ!」「グワーッ!」ケリ・キックでショーコを撥ね飛ばす!「逃げろ、ヤモト=サン……アンタだけでも……」32
2017-04-01 12:24:54「アネキに逆らうッてのがどういう事か教え込んでやる」ソニックブームは犬歯を剥き出しにした。「ケジメじゃ済まないよ」「行け!」「だめだ。ショーコ=サン。そんなのは」ヤモトは木刀を杖に立ち上がった。「ユウジョウ……!」「虫唾が走るねェーッ!」「グワーッ!」無慈悲なソニックカラテ!33
2017-04-01 12:30:36ヤモトは必死に戦うが、歯が立たない!「イヤーッ!」「グワーッ!」瀕死のヤモトに断頭チョップを構える!「スーサイドォ!このバカの死にざまをそこで見ときな!スーサ……」ピョンロロピョロロロ~。「スー……」ピョンロロンロンロ~。ピョロ~モチヤッコチャン!「ウルッセーゾコラー!?」34
2017-04-01 12:33:29「悪い。着信音。気にしないで」ユンオからの着信を切りながら、歩いて来る影があった。「全く締まらない……でも話は大体聞かせてもらった」女の着るフォーマル・スーツが赤黒の炎に包まれ、全身を覆う装束となる。ソニックブームは目を剥いた。「何だと!?」「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」35
2017-04-01 12:36:44「ドーモ。ソニックブームです」彼女はアイサツに応じた。古事記にも書かれたルールだ。「ッって事はテメェが最近ソウカイヤで注意喚起されてる赤黒の……!」「こっちこそ。アタバキ地区の連続行方不明・殺人事件。やはりソウカイヤだったな」メンポの「忍」「殺」の文字が鈍く光った。「狩る!」36
2017-04-01 12:40:47「ヤッテミロッコラー!」ソニックブームがソニック連続蹴りで襲い掛かる!ニンジャスレイヤーが応戦!「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」ゴウランガ!華麗なる二つの影は色彩渦巻くカラテ爛漫旋風の中心で無限の小宇宙めいたワン・インチ瞬間極限散打をぶつけ合った! 37
2017-04-01 12:44:45「イヤーッ!」「グワーッ!」ソニックブームの右拳が砕けた。「イヤーッ!」「グワーッ!」左拳が砕けた!「ニンジャ、殺すべし!」ナムサン……決断的徹底意志!勝負あったか!?「イヤーッ!」だが、その時だ!ソニックブームは一瞬の隙をついて体を捻り、回し蹴りから竜巻を生み出したのだ! 38
2017-04-01 12:48:23「グワーッ!?」ナムサン!ニンジャスレイヤーは空中に巻き上げられ、ネオン看板「揉手」に衝突!「グワーッ!」ソニックブームはソニック対空連続蹴りで追い打ちする!「イィーヤヤヤヤヤ!」KA-BOOOM!「殺ッた……何ッ!?」驚愕する彼女の目に、斜めに飛んだ黒い残像が焼き付いた。39
2017-04-01 12:52:08ニンジャ視力で見よ!黒い影は殺意の射線上に割り込み、瞬間的な空中連続蹴りで衝撃波を相殺、ネオン看板を蹴りあがり、高所から見下ろしたのだ!ズル……ズルズルーッ!その手にはドンブリと箸!ウドン・ヌードルを啜り終え、言い放つ!「事態が予想外に早く動いた。おちおち食事もできないな」40
2017-04-01 12:57:37「なッ……テメェは!?」「ドーモ。サツバツナイトです」「バカな!アタシのソニックカラテを脚で……!?」ソニックブームは唸った。危機を救われた形になったニンジャスレイヤーは受け身を取り、呻いた。「謎の……戦士……!」 41
2017-04-01 13:01:04然り、ニンジャスレイヤーはこれまでの戦いの中で幾度か、この超自然的な謎の戦士に窮地を救われていた。そして今回も……!神秘と悔しさが彼女の心を満たした。「何をしている。今だ!ニンジャスレイヤー=サン!」その気高い立ち姿と凛とした声音に、マスラダはどこか聞き覚えがあった。42
2017-04-01 13:03:58だが今はそんな事を考えている場合ではない!「イヤーッ!」踏み込み中段突き!「グワーッ!」「イヤーッ!」脇腹に蹴り!「グワーッ!」よろめくソニックブーム!畳みかける!殺意が意識を染める……!(((グググ……マスラダ!然り。憎悪に堕ちよ。全て殺せ!わらわに身を任せよ!))) 43
2017-04-01 13:09:29