2017年論文「小児期・思春期にチェルノブイリのフォールアウトに曝露したベラルーシ住民における甲状腺結節のリスク」(2017.4.5作成)

いかなる甲状腺結節リスクも、I-131線量が上がるにつれ、そして一定の線量では被ばく年齢が低いほど、有意に増加。
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Priamal Fear @PriamalFear

Risk of thyroid nodules in residents of Belarus exposed to Chernobyl fallout as children and adolescents ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28368520 pic.twitter.com/Qx3rpXVAIh

2017-04-05 00:20:32
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@PriamalFear 2017年論文「小児期・思春期にチェルノブイリのフォールアウトに曝露したベラルーシ住民における甲状腺結節のリスク」 academic.oup.com/jcem/article/3… いかなる甲状腺結節リスクも、I-131線量が上がるにつれ、そして一定の線量では被ばく年齢が低いほど、有意に増加。 twitter.com/PriamalFear/st…

2017-04-05 03:15:14
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@PriamalFear 米国・ベラルーシコホートの甲状腺疾患研究の一環。 チェルノブイリ事故から10〜18年後に、事故当時0〜18歳だったベラルーシ住民で甲状腺被ばく線量測定値が存在する19970人で、医師による触診&エコー検査と内分泌医の診察による甲状腺検査を実施。検査時年齢の中央値は21歳。 pic.twitter.com/UDmiwIII2K

2017-04-05 03:30:26
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@PriamalFear (本文では、検査時年齢の中央値は、結節ありの被験者で24歳、結節なしの被験者で21歳、となっている。) リスクは、検査時年齢が高い人や、男性より女性で高く、都会に住む人、検査時にびまん性甲状腺腫が見つかった人、甲状腺がんの家族歴がある人、現在喫煙者の人で高かった。 pic.twitter.com/A4V1E2UeEY

2017-04-05 03:44:08
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@PriamalFear 甲状腺結節を、細胞診や手術で甲状腺がんと診断された「腫瘍性」(濾胞腺腫含む)と、それ以外の「非腫瘍性」に分類。さらに、すべての結節を、サイズ(10mm以上か未満)と個数(単一か複数)で分類。 pic.twitter.com/f5Qd1VjgEy

2017-04-05 03:45:13
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@PriamalFear 結節の分類グループごとに、甲状腺被ばく線量(0.001〜39 Gy、98%が5 Gy未満)によるリスクを分析。 線量反応は、すべての主な結節グループで直線。例外は非腫瘍性結節で、高線量でカーブが上昇する形関数的な線量反応モデルがデータに適合した。 pic.twitter.com/TVjNDOFShd

2017-04-05 04:04:02
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@PriamalFear すべての結節分類グループで線量反応が0〜5 Gyの線量域で直線だったので、これ以上の詳細な分析はすべて、5 Gy未満に限定された。 pic.twitter.com/HgEXNjGr6J

2017-04-05 04:08:42
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@PriamalFear 線量反応は、腫瘍性結節と10mm以上で大きかった。 事故当時5歳での1Gyあたりの過剰オッズ比: すべての結節 0.70 腫瘍性結節 3.82 非腫瘍性結節 0.32 10mm以上 2.12 10mm未満 0.27 複数 0.59 単一 0.67 pic.twitter.com/rAkWRkXfpc

2017-04-05 04:32:01
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@PriamalFear 腫瘍性結節での線量反応はサイズに関係がなかった一方、非腫瘍性結節では、10mm以上の方が10mm未満より線量反応が大きかった。

2017-04-05 04:32:44
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@PriamalFear 被ばく時年齢と過剰オッズ比のグラフ。 pic.twitter.com/93RGQLOrru

2017-04-05 04:46:51
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@PriamalFear 注:この引用TWでの「リスク」は、甲状腺結節保有者の「背景リスク因子」のことで、「放射線リスク」ではない。この論文では、都会居住者、居住地域、尿中ヨウ素、びまん性甲状腺腫や、甲状腺がんの家族歴により放射線リスクは影響されなかった、と述べられている。 twitter.com/YuriHiranuma/s…

2017-04-05 04:51:15
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear ディスカッションより この研究結果は、これまでの外部被ばくと内部被ばくによる甲状腺結節リスクの上昇を示す研究を支持するものである。ガンマ線の外部被ばくを受けた原爆被爆者では、10mm以上のすべての甲状腺結節、良性結節、そして悪性腫瘍においてリスクが有意に上昇した。

2017-04-05 05:08:25
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear この研究ではさらに、エコー所見、細胞診的特徴と病理的特徴を合わせた結節の種類による、放射線リスクの変化の新しいエビデンスを追加している。これは、結節は病因的・生物学的に異質であるために、重要である。

2017-04-05 05:11:12
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@PriamalFear ディスカッションの続き この研究では、非腫瘍性結節よりも腫瘍性結節で線量反応が強いことがわかった。興味深いことに、腫瘍性結節の線量関係は結節のサイズに左右されない一方、非腫瘍性結節では、小さな結節よりも大きな結節(10mm以上)で線量反応が強くて有意に高いことがわかった。

2017-04-05 09:42:14
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear これらの結果を合わせると、放射線被ばくが、腫瘍性結節の発達のイニシエーション(開始)事象、そして、非腫瘍性結節のプロモーション(促進)事象として作用するかもしれない可能性が提起される。

2017-04-05 09:43:35
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear しかし、この研究は横断研究としてデザインされているため、腫瘍性結節が放射線被ばく後に非腫瘍性結節から現れたのか、これらの結節の性状が最初から明らかであったのか、あるいは、結節の成長が放射線被ばくと関連しているのかは、不明である。

2017-04-05 09:44:17
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear 原爆被爆者の調査結果とは異なり、本研究では、10mm未満の小さな結節グループで、小さいながら有意な放射線リスクが観察された。原爆被爆者データとの違いは、本研究の被験者の年齢がはるかに低く、被ばく後の経過時間もより短いことで部分的に説明できるかもしれない。

2017-04-05 10:03:11
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear 本研究では、被ばくから10〜18年後の思春期と青年期の被験者で甲状腺結節の調査を行ったが、10mm未満の結節が見られたのは11421人中602人(5%)と、62〜75歳の原爆被爆者3087人中667人(22%)よりもずっとまれだった。

2017-04-05 10:03:44
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear 甲状腺結節と甲状腺がんのバックグラウンド有病率は年齢と共に高くなるため、被曝から検査の間の62〜66年間に放射線と関係なく自然発生した小さな結節の割合が高いために、原爆被爆者での線量反応が弱まった可能性がある。

2017-04-05 10:03:48
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear 本研究では、被ばく時年齢の低さと関連して甲状腺結節の放射線リスクが増加したことがわかったが、これは、原爆被爆者での結果と、本コホート(ベラルーシ・米国コホート)での甲状腺がんと濾胞性腺腫の結果と一致している。

2017-04-05 10:25:26
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear これらの結果は、小児期が放射線影響への甲状腺の感受性が高い時期であるという仮説を支持するものであるが、これは発がんに限定されるわけではないかもしれない。小児期でがんへの感受性が高いのは、細胞分裂が頻繁なために突然変異のDNA修復が追いつかないからだとされているが、

2017-04-05 10:26:52
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear 多段階発がん説の標準モデルでも説明されるかもしれない。他のどのような生物学的因子により、小児の甲状腺の電離放射線への感受性がもっと広範囲で高いのかは不明ではあるが、成人よりも代謝率が高いことと、成人とはホルモン像が異なることが含まれるかもしれない。

2017-04-05 10:26:57
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear 結論:本研究では、被ばくから10〜18年後の思春期・青年期の若者で甲状腺疾患スクリーニングを行ったが、いかなる甲状腺結節でも、I-131線量がリスク増加と有意に関連していた。ただ、放射線リスクの規模は、結節の細胞・病理診断とサイズにより、大きく異なった。

2017-04-05 10:41:41
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear I-131線量とすべてのタイプの甲状腺結節との関係は、より低い年齢で被ばくした被験者で、より高かった。

2017-04-05 10:42:24
Yuri Hiranuma @YuriHiranuma

@PriamalFear このコホートで、結節のより詳細な特徴(例:結節の構成、形、エコー輝度、石灰化、血管新生)、有病(すでに検出された?)結節の進行度や、後続のスクリーニングサイクルでの甲状腺結節の発病率を評価する調査をさらに行うことにより、根本的な生物学的メカニズムがより明らかになる可能性がある。

2017-04-05 10:42:50