#ちんじふ劇場　【17年4月分まとめ】

青葉⚓C103土曜ユ29b@鎮守府新聞ワレアオバ @_Ware_Aoba

自主訓練を終えてシャワーで汗を流した陽炎はラフな格好で外の風に当たっていた。 司令官の解任と新しく来る司令官の件で動揺はあったものの、一週間が経過するとさすがに落ち着いては来る。 大事なのは自分の本質を見失わないことだ。 先の南洋遠征でその考えを身に付けた。 #ちんじふ劇場

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陽炎型駆逐艦のネームシップとして姉妹艦たちと戦い抜くことを陽炎は決めた。 それが侵されない限り、陽炎の立ち位置は変わらない。 それでも司令官の突如の解任にやや無念は残る。 一線の指揮官を女性として務める彼女を尊敬していたし、血縁という気安さもあって慕っていた。 #ちんじふ劇場

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もっとお話ししたかったな。 空を見上げてため息をつく。 ふと視界の隅で動くものがあった。 視線をそちらに向けてみると、書類を束を抱えて歩く不知火が見えた。 陽炎「不知火ー。何してるの？」 #ちんじふ劇場

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声をかけられた不知火は気がつくと、歩くペースを変えないままに陽炎の元へとやってくる。 陽炎はその姿に何か違和感を感じた。 不知火「あなたはAcnos艦隊の陽炎ですか」 陽炎「……あなた誰？」 自分の知っている不知火と違うと陽炎は感じた。 #ちんじふ劇場

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なにがどうと言葉には言い表せないが。 不知火「大湊で艦隊司令付秘書艦を務めている不知火です。初めまして」 陽炎「大湊の？どうしてここにいるの？」 不知火「はい。当艦隊の司令官がAcnos艦隊で司令代理を務めることになりましたので」 #ちんじふ劇場

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陽炎「とーこちゃん……じゃあない。ウチの司令の代わりって事？」 不知火「そうですね。兼任という形で、しばらくの間だけと聞いています」 陽炎「ふーん」 不知火「特になければ、これで」 陽炎「ああ、うん。呼び止めて悪かったわね」 不知火「……」 #ちんじふ劇場

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大湊の不知火がしみじみと陽炎を見る。 陽炎「なに？」 不知火「失礼なことを聞きますが、あなたの血縁に軍人はいらっしゃいますか？」 陽炎「解任された司令がそうだったわよ」 不知火「そう……ですか」 表情は変わっていないが、やや当てが外れたという雰囲気。 #ちんじふ劇場

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陽炎「なんでそんなこと聞くの？」 不知火「知り合いの軍人にあなたのような雰囲気の方がいるので。その方と縁があるのかと思いました」 陽炎「でも違うって感じなわけね」 不知火「確か、前司令は女性でしたよね。私が知っているのは男性なので」 #ちんじふ劇場

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陽炎「……なんか複雑な気持ちになるわね」 男に似ていると言われるのはさすがにもやっとした気持ちになる。 不知火「申し訳ない。あまり同世代と話す経験がないので、会話は少し苦手です」 陽炎「ん？」 どこかで聞いたようなセリフだ。 #ちんじふ劇場

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陽炎「大湊には陽炎の艦娘は居ないの？」 不知火「居ますが、私が秘書艦なのであまり話す機会が無いのです」 陽炎「そうなんだ？でもきっと、あっちも話したいと思ってるんじゃないかしらね」 不知火「そうでしょうか？」 #ちんじふ劇場

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陽炎「ま、あたしだったら姉妹艦はほっとかないってことなんだけどね」 不知火「……」 陽炎の明るい表情に、大湊の不知火が改めて見つめてくる。 陽炎「えっと……何かな？」 不知火「やはり似ているなと思いまして」 先ほどの知り合いの軍人に似ているという話か。 #ちんじふ劇場

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しかし陽炎は血縁では司令官以外は知らない。 陽炎「うーん……他に軍属の親戚がいるとかかなあ。私、その辺の記憶ないのよね」 不知火「いえ、失礼しました。大湊に戻ったら、陽炎と話をしてみます」 陽炎「仲良くなれるといいわね」 #ちんじふ劇場

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ところによっては同じ艦の艦娘が同時に鎮守府に居ることさえもあると聞く。 運用上の問題としては同じ艦娘で艦隊（部隊）を組むことが出来ないらしいが。 また同じ艦娘は容姿や性格が似るとも聞く。 それにしても何とも奇妙な感じだ。 良く似ていて。まったく似ていなかった。 #ちんじふ劇場

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ただ、陽炎は大湊の不知火の似ている部分が気になった。 陽炎「……まさかね」 #ちんじふ劇場

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長門「花見？」 「はい」 艦隊運営委員会の冒頭で不破提督は花見の実施を呼びかけた。 天龍「唐突だなおい」 「執務室の窓から外見てたら桜が見えてね。それで思いついたんです」 加賀「呑気なものですね」 「不安を抱いてる艦娘たちの気休めにしたいんですよ」 #ちんじふ劇場 pic.twitter.com/igN8TIWlTM

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加賀「なるほど。私のほうが気持ちに余裕がなかったようです」 古鷹「いつやるんですか？」 「週末にと思ってます。長官から許可も得ましたので」 長門「我々はそれぞれに告知をすればいいのか？」 「お願いします。掲示板にも出しましょう」 吹雪「……」 #ちんじふ劇場

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すごい。と吹雪は思った。 司令官の消息などについて委員会が荒れることを予想していた。 しかし不破提督は花見の提案でそれをかわし、出席者も乗り気になっている。 「いやあ、大湊は５月近くにならないと桜が満開にならないので、楽しみですねえ」 #ちんじふ劇場

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大淀「このチラシは提督が作られたんですか？」 「はい。パワーポイントでつくったんですよ！なかなかいいでしょう？」 吹雪『……ただのお花見好きのおじさんじゃないよね？』 #ちんじふ劇場

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花見が告知されると、艦娘たちにも一気に話が広まった。 球磨「花見という事は……弁当とかも出るクマ？」 多摩「きっと鳳翔か間宮のだにゃ。楽しみにゃあ」 #ちんじふ劇場

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島風「天津風！」 天津風「なあに？」 島風「お花見は陽炎型で集まるの？」 天津風「特には聞いてないわ」 島風「じゃあ、私と一緒に行こうよ」 天津風「そうね。いいわよ」 島風「長波も誘おうかと思うんだけど」 天津風「いいわね。一緒に誘いに行きましょ」 #ちんじふ劇場

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浦風「これって屋台とか出しちゃダメなんじゃろか？」 谷風「別にいいんじゃないかねえ」 浜風「何かするつもりなんですか？」 浦風「お花見ゆぅたら屋台じゃろ。お好み焼きの神髄を見せちゃるわ」 龍驤「ちょい待てや。お好み焼きは大阪のものやろ」 #ちんじふ劇場

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黒潮「せやでー。本場として広島風お好み焼きには負けられへん」 浦風「広島風……黒潮姐さん、こればっかりゃぁ譲れんよ」 浜風「すごくどうでもいい戦いが始まろうとしていますね」 親潮「黒潮さんがすみません」 磯風「お好み焼き……か」 #ちんじふ劇場

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明石「なんだろう……私すごく屋台要員に呼ばれる気がする」 夕張「明石焼きって屋台あるんですか？」 五月雨「明石焼きですか。食べてみたいです」 明石「……夕張ぃ！（五月雨ちゃんに期待抱かせちゃったじゃん」 夕張「私のせい！？」 #ちんじふ劇場