貫井徳郎・裏話

慟哭の口コミヒットのお話など
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@tokuro_nukui

小説に限らずどんなことでも、十年やって駄目ならその先はないだろうと思っていた。で、『殺人症候群』を出したのはちょうど十年目で、しかもこれ以上のものは書けないという自信作で、最後の勝負のつもりだった。その勝負に評判の面でもセールスの面でも破れたわけで、挫折感は大きかった。(続く)

2011-02-11 22:15:25
@tokuro_nukui

この裏話ツイートを始めるのを躊躇したのは、実はこの頃の気持ちがあまりに鬱なので、そんな話をしていいものかどうか迷ったからだ。ただ、今となってはかなり昔の話で当時を知っている人も多くないだろうから、思い切って正直に書く。

2011-02-11 22:15:17
@tokuro_nukui

(昨日の続き)『殺人症候群』は『慟哭』以来久しぶりに重版したが、少部数に過ぎず、しかもそれだけで終わってしまった。期待したような、ぼくの小説家人生を変える作品にはならなかった。

2011-02-11 22:15:06
@tokuro_nukui

(昨日の続き)『殺人症候群』は『慟哭』以来久しぶりに重版したが、少部数に過ぎず、しかもそれだけで終わってしまった。期待したような、ぼくの小説家人生を変える作品にはならなかった。

2011-02-11 22:15:06
@tokuro_nukui

先に出した『神のふたつの貌』は取り立てて評判にならなかった。でも『殺人症候群』が出れば状況は変わるだろうと期待していた。いざ発売されると、それまでよりは反響があった。中でも「AERA」が書評ではなく記事で取り上げてくれたのは嬉しかった。だが……(続く)

2011-02-10 22:05:48
@tokuro_nukui

(昨日の続き)このままではまずいと焦ってはいたが、連載中の『神のふたつの貌』と『殺人症候群』には手応えがあった。売れている作品、評価されている作品を分析すると、やはり人間の感情を深く描いているものが多い。その点、特に『殺人症候群』は条件に合致しているのではないかと思った。

2011-02-10 22:05:28
@tokuro_nukui

ただ、こんなにいつまでも結果を出せないでいればさすがにそろそろ見限られるかもしれないという恐怖があった。続きは明日。

2011-02-09 21:43:31
@tokuro_nukui

そんな小説家が十年も生き残っていられたのは、単に『慟哭』のおつりがあったからに過ぎない。『慟哭』はちょっと評判になって、たくさんの注文をいただけて、それを順番に片づけているだけで十年経っていたのである。

2011-02-09 21:43:22
@tokuro_nukui

裏話というか、『殺人症候群』を出した前後の話を少ししたいと思う。あの頃はデビュー十年になろうとしていたがぜんぜん売れず、本は当時の最低部数しか刷っていないのに何を出しても重版しない状態だった。

2011-02-09 21:43:10
@tokuro_nukui

裏話を再開するつもりだったけど、もうちょっと構想を練る必要がありそう。時効かと思っていた話も、まだ時効じゃないかも。少なくとも、話の落としどころは決めておかないとな。もう少しお待ちください。

2011-02-05 21:29:55
@tokuro_nukui

などとツイートしても、わかる人がどれくらいいるのか(笑)。

2011-02-04 22:03:06
@tokuro_nukui

少し生活に余裕ができたので、また裏話でもぽつぽつ始めようかと思う。でもその前に、『殺人症候群』の裏話で忘れていたことをひとつ。主人公が冒頭で姿を消し、彼を捜す人たちの視点で過去が浮かび上がってくるという手法は、『必殺からくり人』第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」のオマージュである。

2011-02-04 22:02:57