シラブル重視での翻訳法

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uroak_miku @Uroak_Miku

日本の正月を英語で説明するとして「皆で集まっていっしょに過ごします」を同じ長さの文で言えるかな。「Families spend time together.」(家族いっしょに時をすごす)で済みます。「集まる」を「いっしょに」(together)に置き換えるのがコツ。

2017-04-20 03:43:16
uroak_miku @Uroak_Miku

2)翻訳には二つの方法があります。ひとつは原文の構造にそった訳。オーソドックスな方法論です。もうひとつは洋画の吹き替えに倣ったもの。3秒で語られた内容は、訳でも同じく3秒で語られるような文にする。

2017-04-20 03:47:44
uroak_miku @Uroak_Miku

3)「皆で集まっていっしょに過ごします」➡「Families spend time together.」は後者の方法論による英訳です。

2017-04-20 03:49:11
uroak_miku @Uroak_Miku

4)ひとの頭は、少なくとも言語に関してはそれほど大きな違いはないはずです。言語や人種が違ってもです。ある言語で3秒で語られるものはほかの言語でも3秒で語ることができます、たいていの場合。

2017-04-20 03:50:43
uroak_miku @Uroak_Miku

5)英⇔日の場合、主語の取り換えがコツのひとつです。「料金は一律です」なら「Everyone pays the same.」(皆同じぶん払う)でほぼ同じ秒数の文になりますよね。「料金」ではなく「皆」(everyone)を主語にするだけでこんなにあっさり英語にできる。

2017-04-20 03:56:49
uroak_miku @Uroak_Miku

6)ところで「料金は一律です」の「料金は」は主語ではありません。そもそも主語という概念はヨーロッパの言語用なのでほかのエリアの言語に当てはめるほうがおかしいのです。あえていえば主語ではなく補語と解釈したい。

2017-04-20 04:00:19
uroak_miku @Uroak_Miku

7)例えばこんな会話を想像してください。「料金はどう変わるんですか?」「大丈夫、一律だから」 今、後者の文には「料金は」がないですよね。なくても伝わるから。しかしもし「どう変わるの?」「ああ、料金は一律だから」では「料金は」が挟まれる。ないと会話が成り立たなくなる。

2017-04-20 04:02:51
uroak_miku @Uroak_Miku

8)必要なときには補足するわけだから主語というよりは補語的。

2017-04-20 04:09:00
uroak_miku @Uroak_Miku

9)「料金はどう変わるんですか?」「大丈夫、一律だから」を分析してみます。後者は「大丈夫、(料金は)一律だから」、つまり「料金は」が省略されています。どうして省略されるかわかるでしょうか。

2017-04-20 04:10:34
uroak_miku @Uroak_Miku

10)最初の文ですでに「料金は」があるからです。「~は」を使うと、その部位は次の文にも余韻として残るのです。「吾輩は猫である。(吾輩は)名前はまだない。(吾輩は)どこで生まれたのかとんとわからぬ」 「吾輩は」が「。」を飛び越えて後続の文に余韻として響き続ける。

2017-04-20 04:13:13
uroak_miku @Uroak_Miku

11)音楽でいえばベースの音みたいなものでしょうか。うんと低い周波数でブンブンうなっていて、耳でしかと聞き取れるわけではないけれど倍音によってメロディやコードを支える。

2017-04-20 04:16:49
uroak_miku @Uroak_Miku

12)私たちは小学生のうちに「主語」と「述語」を刷り込まれる。むろん国語の授業でです。しかし「主語をはっきりさせましょう」と教科書にあるけれど、この文の主語は何なのでしょう?「皆さん」なのか「主語」なのかそれともほかに候補があるのか。

2017-04-20 04:19:37
uroak_miku @Uroak_Miku

13)どうして教科書作成チームはこの矛盾に気づかなかったのか。いえ気づいているのだけどあえてスルーしているのか。ここに「日本人の英語」を生む闇が潜んでいます。

2017-04-20 04:21:02
uroak_miku @Uroak_Miku

14)「料金は一律です」を英訳するとなると、まず主語を特定するわけです。ほとんどの方は「~は」に釣られて「料金は」を主語と解釈して「The fare is flat.」とか作文してしまう。これでは「運賃は値上げなし」と取られかねない。

2017-04-20 04:26:20
uroak_miku @Uroak_Miku

15)正解は先に示したように「Everyone pays the same.」(皆が同じ額を払う)。先の英訳例が「is」つまり「This is a pen.」文だったのに対し、今度のは「I have a pen.」文です。形容詞ではなく動詞が主役になっています。

2017-04-20 04:29:02
uroak_miku @Uroak_Miku

16)主語の交換と、形容詞と動詞の交換がしばしば同時に行われるわけです。

2017-04-20 04:29:58
uroak_miku @Uroak_Miku

17)今「主語の交換」と述べましたが、厳密には日本語には主語という概念がないことはいうまでもありません。「なんちゃって主語」と「主語」の混同というところですか。難しいですね。

2017-04-20 04:32:03
uroak_miku @Uroak_Miku

18)ええと、それから動詞から同紙への置き換えでもやはり日➡英(に限らないのだけど)では混乱がよく生じます。

2017-04-20 04:36:13

「同紙」→「動詞」

uroak_miku @Uroak_Miku

19)バスの利用の際に「パスを入り口でかざしてください」と英語で説明しろといわれて、さあ「かざす」をどう英訳する?検索すると「pass」とか「wave」とか出てきますが…

2017-04-20 04:38:08
uroak_miku @Uroak_Miku

20)正解は「use」(使う)。「Use the card at the entrance.」(入り口でカードを使え)と訳す。ニュアンスはむしろ「そのカードを使うのは入り口でだ」ですが。

2017-04-20 04:39:30
uroak_miku @Uroak_Miku

21)洋画の吹き替え台本を作るときの技を、日➡英(外国語すべて)に応用するのです。3秒のせりふは3秒で語れるような翻訳台本にする。そうしないと声優さんがうまく声を当てられない。

2017-04-20 04:41:32
uroak_miku @Uroak_Miku

22)元の文の文法構造を一度壊して、違う骨格に組み替える。けれども同じ秒数で同じことを語っている…これを瞬時に行うのは至難の業です。うちの姉はやれるのかな。あれは翻訳ではなく通訳頭だし。

2017-04-20 04:44:47
uroak_miku @Uroak_Miku

23)このあたりのことは、デキるひとなら体でわかっているわけですが、自分はデキるひとなのかどうかよくわからないので理屈で迫るしかありません。

2017-04-20 04:46:03
uroak_miku @Uroak_Miku

24)小学校の国語でこういうことを教えられないのかな。理論ではなくゲームとして。いい教材を作れそうなんだけど。

2017-04-20 04:47:31