- ikeyama_416
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@ikeyama_416 鉱石と鉱物は見た目で区別するもんじゃないのよ。 鉱石は産業から生えた言葉で鉱物は学問から生えた言葉なのよ。 鉱石は岩石でも鉱物でもなり得るんですよ。 採掘して経営が成り立てば鉱石なの。 硯や砥石に使う岩石もペイすれば鉱石なのよ。 楽しみで拾う水晶は鉱物であっても鉱石じゃないの。
2017-04-20 22:25:43鉱物と鉱石の定義で何かアレみたいなので、鉛の鉱物とその鉱石扱い状態の姿を置いておきますね pic.twitter.com/3LczbxUVI7
2017-04-20 22:29:45@ikeyama_416 たとえば、イリノイやテネシーで蛍石を出してるミシシッピー・ヴァレー型鉱床の鉱山は「何を目的とした鉱山」で、そこの「鉱石」はどういう鉱物種なのか、等を考えてみると分かりやすいと思いますよ。
2017-04-20 22:24:56@ikeyama_416 イリノイとかのミシシッピー・ヴァレー型鉱床の主鉱石は鉛(方鉛鉱)と亜鉛(閃亜鉛鉱)です。で、これらの金属鉱物が「鉱石」として扱われるのは、まとまった量が集まって存在し、採掘にかかるコストよりも売れる額がたいへん大きいから。では蛍石はどうかというと、全体からしたら少ない。
2017-04-20 22:30:06@ikeyama_416 で、ミシシッピー・ヴァレー型鉱床の蛍石を集めてフッ素資源として売ろうとすると「蛍石だけ取り出して集めること」に余計なコストがかかるわけね。だから、あれらの鉱山では「鉱石」としては扱われない(たしか、そうだったはず)。
2017-04-20 22:33:18@ikeyama_416 ところが、蛍石ばっかり大量に集まってる鉱床だと、話は変わって「主鉱石が蛍石」になる。日本国内だと岐阜県の平岩鉱山なんかがそう。一方、先のイリノイなどと同様、たとえば、兵庫の生野鉱山では、蛍石は鉱石じゃなく、錫やタングステン、銀などの「鉱石」に伴われる「脈石」という扱いになる。
2017-04-20 22:35:22@GoITO @ikeyama_416 蛍石って大体そのついでに出てきてそのまま触媒にされる印象ですわね
2017-04-20 22:31:06@GoITO 昔蛍石の用途が融剤だったというのは読んだことあるので、それ目的で採掘すると鉱石になる、というイメージで大丈夫でしょうか…
2017-04-20 22:38:45@ikeyama_416 大丈夫ですよ。ホウロウ製造とかもあった。いずれにせよ、蛍石を必要としている会社の工場等からの「いついつまでに蛍石何トン納品してよ。混ざりものがあっちゃ困るからね」という発注に鉱山側が応えられるかって話。1トン掘って蛍石だけ選んで選んでようやく3キロ……というのじゃあかんでしょ。
2017-04-20 22:45:12@ikeyama_416 だから厳密にいえば、同じ種類の鉱物、たとえば輝水鉛鉱でも、鉱石になったりならなかったりする。岐阜県平瀬鉱山では主鉱石でばりばりお金になってたのに対し、同じ岐阜県恵比須鉱山では、輝水鉛鉱を集める設備投資をするほどはないと判断されて捨てられていた……ということもあるのね。
2017-04-20 22:39:28@ikeyama_416 とはいっても、そこまではあまり厳密になることもなくて、まあ輝水鉛鉱ならば「鉱石鉱物」として扱いましょう、という感じになってます。厳密な話をまじで厳密にしてしまうと、鉱石を買ってくれる先の事情とかそういうことまで関係してきてしまうから。
2017-04-20 22:41:50@ikeyama_416 ここで「品位」という概念が出てくる。1トンあたりに有用な(目的とする)金属が何g含まれてるか? で表して、いくら以上なら採算に合う、という使い方をします。この採算ベースは、そのときどきのいろんな要素に左右される。人件費、環境対策にかかるコスト、その金属等の相場、市場の動向、等々。
2017-04-20 22:48:17あ、そうそう、確か長石とかは窯業鉱石とか言ってたよなぁ・・・。セリサイトだって化粧品の材料に使えば鉱石です。 すなわち、何かの工業材料の原料とするために採掘する鉱物のことを「鉱石」というわけで、工業用途がなくなれば鉱石とは呼ばれなくなります。
2017-04-20 22:34:29ブラジルの蛍が少ない一因として、鉄鉱床なんかと一緒に出てきたのを触媒で炉に放り込んでるとかいう話を聞いた事あるなあ、ソースまではわからないけど
2017-04-20 22:34:33蛍の結晶状態での鉱石としての単体の立場は、方解石のアイスランドスパーのようにほぼ人工で替えが効く様になっちゃって行き場が無くなったってのも多いのかしらね
2017-04-20 22:36:06@ikeyama_416 鉱石を成型してラベルを付けて箱に収めたらそれは鉱石標本になります。 鉱石が岩石の場合は岩石標本、鉱石が鉱物の場合は鉱物標本と明確な差は無くなります。
2017-04-20 22:36:19基本的に鉱石として採掘するということは、結晶サイズとかガマとか全然関係なくてむしろ均質な脈状のものが喜ばれるわけです。だって、材料として石を掘り出して基本的にはそれをすり潰したり化学的に精製しちゃうわけですから、結晶の美しさなんて関係ありません。それが「鉱石」です
2017-04-20 22:37:49そも自形結晶でそのまま資源鉱石になるものってどの程度あるのかしら、せいぜい宝石利用分くらいな気がするけど・・・
2017-04-20 22:40:18そうですねぇ、自形結晶か劈開片かってのも鉱物と鉱石をわけるポイントかもしれませんねぇ・・・。鉱物趣味というのはまあ基本は自形結晶を集めるものですから、割って劈開面を出したモノは鉱物標本としてはあれですねぇ・・・。まあ菱マンの脈とかはあの縞々を楽しむので例外かもしれんがw
2017-04-20 22:41:20ふわっとは認識しているつもりでしたが、 いかんせん、岩っぽいのが鉱石というイメージが強くありました。 用途等の考えわかっているつもりで抜けており色々考え浅く混乱させてすみません、色々情報ありがとうございます。
2017-04-20 22:46:13そういえば、木下亀城『鉱物資源事典』(1965年)に出ていた、マンガン鉱石の売鉱価格と、今井秀喜『日本地方鉱床誌・関東地方編』に出ていた、1966年の群馬県黒川鉱山の出鉱量等をもとに、当時の同鉱山の年間の売上を概々算で出してみたことがあったな。従業員11人で約1000万円だった。
2017-04-20 22:51:50いまの貨幣価値に換算すると、ざっくり年商1億円。たしか従業員11名全員が正社員ではなかったと思ったが、経費を考えると結構ぎりぎりの経営だったんだなと思った記憶がある。
2017-04-20 22:52:55