【はじまりのとき】

りえこ @eighter_rieko83

26 なっ…！ 自分から言ったくせにフッたってこと？！ なんと、贅沢な女だ…！！(怒) 『ひどっ…。』 「あはっ、えーねん。そんな長く付き合ったわけでもないし。」 あーでも…ヒールを履くような大人な人と付き合ってたんだ…。 あたし、今日スニーカーだ…。

りえこ @eighter_rieko83

27 あたしもこれからヒールとか履くようになるのかな…。 なんか、また勝手に凹んじゃう…。 「え？ケーキ…頼んでませんでしたけど…。」 ナポリタンがお皿から消えた頃やってきたケーキとコーヒーに、章大にーちゃんはびっくりしたけど、これはマルさんからのプレゼントだったみたい。

りえこ @eighter_rieko83

28 「なんやぁ～マル～、優しいな～？…うん！やっぱりうまいで！ほら、ゆゆも食べ！」 おいしいケーキに、また少しテンションが上がる。 なんか、今日は上がったり下がったり…。 「ごちそうさまでした～！」 再び荷物を持って外へ出る。

りえこ @eighter_rieko83

29 また当たり前のように手を繋ぐから…もうどうしよう…。 「だいたい、買わなあかんやつはそろったんかなぁ？」 『そろった！…と思う…。』 だとしたら、もうデートは終わりかぁ…。 「そっかー。ほんならどうする？歩き疲れたんやったら、映画とかーカラオケとかぁ？」

りえこ @eighter_rieko83

30 あれ…終わりじゃないんだ…。 「どっか行きたいとこなーい？」 章大にーちゃんと一緒ならどこでも…！ なーんて、さすがに言えないしなぁ…。 「あっ！ごめん、あの雑貨屋さんに寄ってもえぇ？疲れとるやろうけど…前から寄ってみたかってん！…あかん？」

りえこ @eighter_rieko83

31 『あかんくないよ！あたしも入ってみたい！』 「やったぁ～！」 そんなお顔見たら…彼女がいたとか、自分がコドモだとか…もう、いいやって気になってくる…。 「ふわっ！このカメさんの置物、めっっちゃかわいくない？！」 『かわい…い…ね…う、ん…。』

りえこ @eighter_rieko83

32 カメなのに、なんて派手なお色…。 でもまぁ、彼らしくって、カワイイのかも…。 「ちょうどふたつあるで？お揃いで買おっか！」 『へっ？！///』 い、いいんですか…？！ 「よし、買おう！！」 あたしを置いて、スタスタとレジへ向かった。

りえこ @eighter_rieko83

33 それから結局お祝いやから！とか言ってカラオケで騒いだ。 騒いだ分、なんかそろそろ帰るってなったら寂しくてしょうがなくなってくる…。 「はぁ～大声出し過ぎた～！」 『ほんとだね…。』 「…なんやぁ…さっきまで元気やったのに…そんな疲れてもぉた？」

りえこ @eighter_rieko83

34 『えっ！ううん！そんなんじゃないよ！そんなんじゃ…。』 また空いてる手を取られる。 「また一緒に来よな？あ、ドライブとかもええな～♪」 次が…あるのですか…？ 「なんか…たぶん…これから大変なこととかあるやろけど…そん時は俺を頼ってくるねんで？」

りえこ @eighter_rieko83

35 『えっ…？』 「大したことでけへんけど…いくらでも話、聞いたるから。」 『う…ん…。』 どうしよう…そんなの…期待しちゃう…。 きっとお兄ちゃんとして、言ってるだけなのに…。 「よし！じゃ、今日は帰ろな？ゆゆ連れ回して、おばさんから怒られてまう(笑)」

りえこ @eighter_rieko83

36 小さい頃の夢が叶う可能性は…ゼロではない…と思いたいな…。 「なぁ、覚えとる？ゆゆ、小さい頃、俺のお嫁さんになりたい言うてたんやで？」 カメさんみたいにゆっくりでいいから…あたしも仕事がんばって、大人になろう…。

りえこ @eighter_rieko83

37 家が見えてきた頃には、陽が沈んで辺りは暗くなっていた。 手がそっと離れる。 「お別れのちゅーする？」 『えっっっ？！///』 「あはは！かわえぇ反応するなぁ(笑)」 か…からかわれた…最後まで…。 …と思ったら、オデコにチュッて…！ 「じゃ、またな♪」 Fin.