#13 「強化方針②」<フォビドゥンフォレスト4話「大規模作戦・発動!」>

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「お前はアシスト要因としては既に十分に優秀だ。何を問題にしている?」 藤宮先輩も尋ねてきた。 「弱点を改善したいっていうか…」 「桐くんは、自分の弱点はどこだと思うんだい?」 「俺の弱点…それを言い出したら全般的に先輩達より弱ぇですけど…」 「いくつかに絞れ」 21

2017-04-27 21:49:31
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「じゃあ攻撃力が低い…。防御力が低い。魔力が少ない…」 技術的なことはどの道すぐにはどうもならねぇから省略したが、それでも弱点が多いよな…。 「でも魔力量が低い代わりに耐魔力が、防御力の代わりに俊敏さが高いんですから問題ないのでは?」 佐祐里さんがフォローしてくれた。 22

2017-04-27 21:53:49
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「攻撃力は確かに低いかも知れないが、お前は支援能力が高いのだから問題ないだろう」 「でも、一人で戦わなきゃならねぇ時だってあるでしょう」 「…そうならないように立ち回れ。逃げるのも戦略の内だぞ」 「月曜の時みたいに逃げるに逃げられねぇ時だってありますよ」 「そう…だな」 23

2017-04-27 22:08:51
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あの時は糸で捕まった大勢の被害者達がいて、逃げられなかった。増援が間に合うのに賭けて飛び込んだ訳だが、新種の手強さを目の当たりにした時は正直早まったと思ったぜ。 「俺だって自分が支援向きなのも、役割の重要性も分かっちゃいますよ。今はね」 「ああ」 24

2017-04-27 22:15:12
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「正直、俺と同レベルの支援が出来る奴はウチにはいない…っつったら自惚れですかね」 「いや。事実だ」 「ええ」 4人共頷いてくれた。 「まあ、この武器ありきの話っすけどね…ともかく、それでもいざ俺が一人でやらなきゃならなくなった時の手段が欲しいんですよ」 25

2017-04-27 22:21:24
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俺は俺の専用武器…の訓練用ゴム製レプリカを手に取りながら言った。 「つまり必殺技が欲しいってことか?」 桐葉さんが呆れ顔で言った。 「いや技じゃなくても良いんだけどさ…戦法っつうか」 「その剣は、刃が何十枚か分離するんだよね。それで一斉攻撃するんじゃダメなのか?」 26

2017-04-27 22:31:26
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「いや、それが分離状態だと硬い敵には掠り傷で…人質さえいなきゃ姑獲蝶はそれで殺れたんだけどな…」 「普通に剣の状態で斬れよ」 桐葉さんはエア双剣を振ってみせる。 「それでも普通の剣より弱ぇんだよ…」 「普通の剣を持てよ」 「そしたら援護が出来ねぇだろ?」 27

2017-04-27 22:51:58
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「じゃあ両方持て」 「嵩張っちまうし、俺の剣は手に持ってないと刃を動かせねぇんだよ…」 「面倒だな…じゃあ威力があって支援も出来る剣を作って貰うしかねぇだろ」 「開発班には『これが精一杯』って言われてんだよ…」 「あれ?それっていつのことでしたっけ?」 28

2017-04-27 22:58:19
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佐祐里さんが聞いてきた。 「いつって…コイツを作ってもらった時期ですか?」 「はい」 「去年の…夏の…あの時…でしたね」 慎重に言葉を選ぶ。 「その前は『サターン』を使ってました」 サターンは俺の剣と似た量産型の両手剣だ。刃は俺のより多少は頑丈だが、枚数が少ないくせに重い。 29

2017-04-27 23:06:17
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コイツを元にして、俺の並列思考能力に合わせて刃の枚数を増やしつつ軽量化もしたのが、俺のセレクターズジックルだ。片手剣二本でもサターン一本より軽い。威力は下がったが仲間に足場を提供しつつ自分も攻撃できる優れもの…の筈だったんだがなぁ。通用しねぇ場面が意外にある。 30

2017-04-27 23:17:18
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「今なら改良して貰えるかも知れませんよ?」 「え?」 「私としては現状で十分と思っていたので特に提案しませんでしたが、開発班も半年前より余裕がある筈ですよ。それに…」 「それに?」 「今はクレーバーン博士もいます」 「え、お…おう」 そうだけどなぁ…。 31

2017-04-27 23:23:28
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クレーバーン博士は半年前にウチへ出向してきた科学技術者だ。専門は…? 「あれ?あの人って何の博士でしたっけ?」 「ゴーレム技師じゃないの?ガイアちゃん作ったんだし」 と兄ちゃんが言えば、 「え、インナーの改良版作ってくれたし、縫製とかじゃねぇの?」 と桐葉さんが言う。 32

2017-04-27 23:29:36
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「俺はバイクを改造してもらったが…それに表向きはウチの非常勤講師や天体研究部の顧問もしていたな」 先輩の言う通り、学校でも時々会うな。 「俺は食堂を修理してるのも見ましたけど…会長は知ってるんですか?」 「私も昔のことは詳しくはないのですが、ウチでは…何でもやってますね」 33

2017-04-27 23:42:06
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「何でも?」 「はい。ガイアちゃんを始めとして、整備や修理全般にメカや装備にプログラムの開発や改良…博士一人で他の人の数十倍の業務効率だそうです」 「なんだそりゃ」 あの人そんなんだったのかよ…。 「バケモンかよ…」 「昭和の特撮に出てきそうな万能博士っぷりだね…」 34

2017-04-27 23:51:54
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「そんな訳で武器開発班も手伝ってくれてるそうですし、相談してみては?」 「でも…そんな忙しい人の仕事を増やして大丈夫かよ…」 「直接相談するというよりも、開発班も今なら博士から新しい知見や技術を得ているでしょうし、再検討の余地が有ると思いますよ」 「なるほど…」 35

2017-04-28 00:05:47
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「そうだな。短期間で劇的なパワーアップをするには、装備を変えるしか無いだろう」 「でも急に使い慣れねぇのを使うと逆に危ねぇからな気ぃつけろよ?」 「そりゃあ分かってるよ」 「いや、はーちゃん。どっち道、来週の作戦には間に合わないでしょ」 だな。俺もそこまでは期待してねぇさ。 36

2017-04-28 00:13:18
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「取り敢えず、もう遅いですから明日辺り行くとして、今日の所は、実戦や訓練で苦戦したことを思い出して、『何かあれば戦いやすかった』をまとめておいてはどうでしょうか?」 「そうします。ありがとうございました」 俺は4人に頭を下げる。 37

2017-04-28 00:27:55
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「そういや訓練内容の方だけど、そっちはどうする?…差し当たってラッタともう一戦やった後で私ともやるか?」 「良ければ俺も相手をしよう」 「あー…」 桐葉さんと藤宮先輩の申し出はありがたい。でもラッタが戻ってきて一戦交えたら8時を過ぎちまうからな…。 38

2017-04-28 00:30:39
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「ダーメーでーすっ!」 佐祐里さんが俺と2人の間に入って、両手で俺達を引き離した。 「今日は土曜日ですよ!もうすぐ9時です」 「あ、そうか」 「では明日…は開発班に行くんだったな。とにかく近いうちにやるか」 「お願いします」 悪いがこの予定は外せねぇからな。 39

2017-04-28 00:52:00
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「それに!そうでなくても2人は戦い過ぎです。今日はもうダメですよ。片桐くんも、こんなバーサーカー共の真似をしたらダメですからね」 「あ、ああ…真似しようたってこうはなれねぇですよ」 「悪ぃ見本みてぇに言うなよ…」 「心外だ」 バーサーカー共が抗議する。 40

2017-04-28 00:56:33
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「特に、涼平はここまで強くなる為に、年相応の子供らしさや日常生活を犠牲にしちゃってるんですからね。訓練は無理に増やさないで今のペースが良いと思いますよ」 「酷いぞ」 「もっと遊べってことだろうよ」 「はーちゃんもね」 「私は良いんだよ」 思わぬ飛び火に桐葉さんが顔を顰める。 41

2017-04-28 01:02:59
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「訓練メニューの改善が要るかどうかは、開発班と相談してから考えれば良いでしょうね」 俺は佐祐里さんの言葉に頷く。その時、エレベーターの到着音がした。扉が開くや否や恵里が駆け出してきた。ラ 「ゴメン!ハル!黒蜜抹茶ソーダは無かったみたい!」 「いや、こっちこそ悪かったな…」 42

2017-04-28 01:12:11
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直接出任せを言ったのはラッタだが、言わせたのは俺だ。ああも雑な出任せになったのは俺のせいじゃねぇが。 「でも葛切り入り黒蜜ほうじ茶ラテソーダっていうのがあったからこれでどうかな!?」 「なにそれ」 恵里が意味の分からんペットボトルを取り出した。しかも2リットルだ。 43

2017-04-28 01:17:10
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誰に需要があんだよ…!俺は額を抑えた。本気でウチと業者との癒着が心配になったが、それより恵里だ。フリスビーを取ってきた小型犬みてぇな目で俺を見てくる。俺と大して背も変わらねぇのに見上げられてる気分が凄い。 「あ…ありがとうな!でもちょっと多いし帰ってから飲むわ」 「うん!」 44

2017-04-28 01:29:19
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「じゃあハル、夕飯の前にもう一戦だけやるか」 遅れて歩いてきたラッタが声を掛けてきた。 「おう」 俺達は訓練室に歩いていく。他の5人は他の施設や家へとそれぞれ帰っていった。扉を開けて中に入る。 「ラッタ。ところで一つ良いか?」 「なんだ?」 「コレ、どこで売ってたんだ?」 45

2017-04-28 01:31:51