「赤羽~湯村~若島」の系譜

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Problem Paradise @propara

これからしばらく、「赤羽〜湯村〜若島」の系譜について、理論的な話をつぶやきます。理屈がキライという方は、スルーしてください。

2017-04-27 14:21:16
Problem Paradise @propara

そもそもこの系譜は、「玉方駒のピンを利用した打歩詰」をめぐるものです。ただ、その大括りで言うなら、いわゆる森田手筋もそこに入るわけですが、仕掛けの構造は異なります。ざっくり言うと、ピンされる駒が合駒で発生するのが森田、もともと盤上にあるのが赤湯、ということになります。

2017-04-27 14:28:03
Problem Paradise @propara

赤湯で問題になるのは、ピンする攻方の駒。これを攻方の飛先飛歩で選択するのが赤羽、受方の飛先飛歩によって合駒で渡すのが湯村、というわけです。

2017-04-27 14:31:22
Problem Paradise @propara

それで、わたしは何を考えてあの作品を作ったのか、という話になるのですが、もともとの発想は、「飛のラインは飛では切れない(歩だと切れる)」というものでした。ちなみに、「角のラインは角では切れない」というのも成り立ちますので、作ろうと思えば可能です。

2017-04-27 14:35:50
Problem Paradise @propara

実は、あるイベントで羽生さんと対談したときに、いま頭の中にあるアイデアとして話しているのはそれです。いま考えても冷や汗が出るような、すっかり羽生さんの対談力に完敗したトークだったのですが、恐ろしいことに、対談した翌日に図ができあがりました。やはり刺激を受けたんですね。

2017-04-27 14:40:27
Problem Paradise @propara

「飛のラインは飛では切れない」というのが、どうして「玉方駒のピンを利用した打歩詰」につながるのか、という道筋はこうです。そもそも、「玉方駒のピンを利用した打歩詰」というのは、打歩詰としてそんなに意味のあることなのか。

2017-04-27 14:43:25
Problem Paradise @propara

ピンを使わない打歩の原理図1。 pic.twitter.com/ea1Dgpmjk1

2017-04-27 14:52:43
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Problem Paradise @propara

ピンを使った打歩の原理図2。 pic.twitter.com/BQNIjlsJHy

2017-04-27 14:53:19
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Problem Paradise @propara

原理図1と原理図2を見比べていただくとわかると思いますが、ピンを使うかどうかはほとんど関係がないように見えます。こういう場合だと、ピンを使うことに特に必然性はありません。

2017-04-27 14:55:58
Problem Paradise @propara

ところが、「飛のラインは飛では切れない」を図化しようと思うと、原理図1のような形ではふつうできません。こんな図になるはずなのですが、16歩の打歩詰ではなく、飛が2枚利いているため、16飛で詰んでしまいます。 pic.twitter.com/NYLKLCWXFV

2017-04-27 15:00:13
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Problem Paradise @propara

これを避ける手段は絶無というわけでもないのですが、技術的に困難なために、原理図2のようなタイプ、すなわち「玉方駒のピンを利用した打歩詰」を使うことがほぼ必然的に導かれたわけです。この種のアイデアを図化するときには、だいたいこんな風な、ごく基礎的な論理のスケッチを経ています。

2017-04-27 15:09:28