ＣｏＣシナリオネタ出し：ハスターについて

かあかばあど@(C102夏コミ(8/12)東W25b)「GTR」 @kakhabad

今日は羊肉の日なのか……だったらこのネタを投下せねばなるまい。というわけで、またゲリラ投下だ。今回のお題はハスター。 #クトゥルフ

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対クトゥルフ用決戦兵器か、ビヤーキー星間タクシーの元締めみたいな便利なポジションとして人気のあるハスターだけど、個人的にはイマイチどんな神様なのかはっきりしないんですよね。 #クトゥルフ

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まず、タコ頭のクトゥルフや触手ヘッドの血まみれの舌みたいな、この神格といえばコレ！といえるようなビジュアルイメージに乏しいのが厳しい。強いていうなら黄衣の王があるが、それだってケイオシアムが後付けでチェンバースとハスターを関連付けただけだし。#クトゥルフ

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あと『インスマスを覆う影』『クトゥルフの呼び声』で詳細に描かれているクトゥルフ崇拝に比べて、信者が具体的にどんなことを信じて、何を目当てに崇拝しているのかがよく分からないというのもある。#クトゥルフ

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この辺はインスマスの住民や深きもののように、具体的な描写のある奉仕種族に比べると、ビヤーキーがどんな生態のどんな種族なのかさっぱり分からないというのも大きな要因となっていそう。#クトゥルフ

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それと、いかんせん遠い星にいるので、復活とかされても脅威に感じにくい。ルルイエの浮上や大洪水、夢を介して人類に影響を与えるクトゥルフと比べてイメージしにくいのだ。こうした脅威としてのイメージしにくさがあるからこそ、クトゥルフにほいほいぶつけてしまえるんだろうけれど。#クトゥルフ

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というか、ただでさえよく分かんない神格なのに、「クトゥルフのライバル」「風の邪神」といった数少ないキャラの立つ要素が、CoCのルールブックでは採用されていないってどういうことなの…… #クトゥルフ

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とはいえ「クトゥルフのライバル」「風の邪神」は、無視してしまうには余りにももったいない……というわけで、ハスターについて色々とネタ出ししてみた。#クトゥルフ

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まず思いついたのが「羊飼いの神」という点。これはハスターという固有名詞の（おそらく）初出にあたるアンブローズ・ビアス『羊飼いハイータ』に由来するが、「出典では温和な神で邪神ではなかった」みたいに言及されることはあっても「羊飼いの神」を膨らませたネタって見たことがない。#クトゥルフ

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なので「羊飼いの神」であるハスターは中央アジアの羊を家畜とする遊牧民に崇拝されていたというのはどうだろう？ 遊牧民たちは巻きあがる“黄砂”とともに顕現する邪神を“黄風大王”として恐れ、彼らにとって最も重要な財産である羊を捧げていたのである……とか　#クトゥルフ

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中央アジアの遊牧民には当然ながらモンゴル族も含まれており、彼らはチベット仏教も信仰している。チベットにおいてハスターは“エメラルドのラマ僧”と呼ばれていたので、こちらとリンクさせられそうだ。#クトゥルフ

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黄色を軸とするなら黄巾賊とも絡められそう。「蒼天已死 黄天當立 歳在甲子 天下大吉」の黄天は黄砂に覆われた空のことを指し、60年ごとの甲子の年にハスターを降臨させんとしてきたチャイニーズアフィアの“黄幇”とか。#クトゥルフ

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日中戦争において関東軍や満鉄調査部のメンバーが黄幇と接触しその教義を受け入れ、終戦後も日本の政財界に影響を及ぼしている。表の顔は全国展開するジンギスカンのチェーン店とそこの会長……とか。#クトゥルフ #羊肉の日

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満州といえば、満映の甘粕正彦に焦点を当てた大正クトゥルフのキャンペーンってのも考えたことある。関東大震災篇から始まって、フランス篇、満州建国篇、満映篇、満州崩壊篇の全５話。#クトゥルフ

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第1話が関東大震災のどさくさでアナーキストの大杉栄を殺害した甘粕が逮捕される話。語学に堪能だった大杉は、フランス語版のある魔道書の日本語訳を行っており、殺害事件もこの魔道書翻訳に絡むものだったとかそんな感じ。　#ちなみに大杉はファーブル昆虫記の翻訳なんかもやっている。#クトゥルフ

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第2話は釈放された甘粕がほとぼりを冷ますという名目で渡仏。あの魔道書は国際アナキスト大会に参加するためヨーロッパに渡った大杉がフランスで手に入れたもので、今回の甘粕の渡仏もその入手先を探るため。#クトゥルフ

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第3話で満州建国のため、特務機関の一員として現場で活動。第4話で満映理事長となるも、第5話でソ連軍の侵攻を前に自決。探索者は甘粕と行動を共にして満州建国から崩壊までを追いつつ、かの魔道書を用いて魔術テロを目論む白系ロシア人魔術師と戦うというもの。#クトゥルフ

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路線的には満州版『帝都物語』か、『北神伝奇』完結篇、あるいはオカルト版『虹色のトロッキー』。もしくは、みなもと太郎『風雲児外外伝 松吉伝』で漆原松吉が墓の底までもっていった語られざる真実みたいなノリ。　#クトゥルフ

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岸信介、出口王仁三郎、植芝盛平、森繁久彌にフィクションから『機神兵団』白蘭花、アヘン利権絡みで『犬神家の一族』の犬神佐兵衛に『帝都物語』加藤保憲と、満州絡みの人脈を挙げるだけでもう面白そうなんだが、正直自分の手には余るんで誰かやってください。#マルナゲ　#クトゥルフ

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話をハスターに戻すと、さっきのジンギスカン・チェーンの創始者がかつて甘粕の腹心だったとか、あるいは敵役として探索者たちと暗闘を繰り広げていたとかその辺かしらん。探索者がソ連軍に捕まってシベリア抑留されている間に、自分はさっさと脱出していたとかもいいな。　#クトゥルフ

かあかばあど@(C102夏コミ(8/12)東W25b)「GTR」 @kakhabad

牧羊神としてギリシャ神話のパンと絡ませたり、アーサー・マッケンの『パンの大神』なんかとリンクさせたりもできそう。まぁ『パンの大神』はシュブ＝ニグラスとか、御大の小説『彼方』のティリンギャーストなんかの方が相性良さそうですけど。　#クトゥルフ

かあかばあど@(C102夏コミ(8/12)東W25b)「GTR」 @kakhabad

さて、ここまでは“羊飼いの神”としてのハスターを書いてみたが、今度は風属性について。さきほど、クトゥルフが解放されたら大洪水と書いたけど、ハスターの場合は何が起こるかな～と考えてみた結果、バラード『狂風世界』みたいになるんじゃないかと思いついた。　#クトゥルフ

かあかばあど@(C102夏コミ(8/12)東W25b)「GTR」 @kakhabad

凄まじい強風によって飛行機は墜落し、全ての建築物が崩れ落ちた。まず地に固定されていなかった物が吹き飛ばされ、やがて固定された物も暴風に耐えきれずに破壊され宙を舞った。　#クトゥルフ　#もしもハスターが降臨したら

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飛び散った物はお互いに猛スピードで激突しバラバラに粉砕されたが、粒子同士の摩擦によって凄まじい雷が発生（火山雷と同じメカニズム）し、人類に残されたわずかなインフラをも破壊した。生き延びた人類は地下へと籠ったが、大地すら暴風の前に恐るべきスピードで風化し浸食されていく。#クトゥルフ

かあかばあど@(C102夏コミ(8/12)東W25b)「GTR」 @kakhabad

地表の水分も凄まじい速度で蒸発していき、海すらもうほとんど残っていない。砂塵が吹き荒れ、大洋の枯渇した地球は金星のごとき“黄色い”星となり果てた。　#クトゥルフ