《近代以後の日本の大規模「復興」は、地域の被災者や被害者の個別の意見を無視したものにしかならない》

自己ツイートをまとめました。 メディアが伝える「復興の姿」は殆どの場合、メディアが意図して作り上げた虚像です。
5
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

この文章の筆者とほぼ同じようなことを「問題」として考えほぼ同じようなことを「今後の課題」としてみているのに、途中から結論まで、全く話がかみ合わなくなることに、実はかなり驚いている。 この文章の筆者は「東日本大震災」の後始末の中心の「復興庁」が、実権をもたないことを看破している。

2017-05-04 18:00:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

この文章の筆者、山下祐介氏は、東日本大震災と福島原発事故からの「復興」政策を、機会あるごとに躊躇なく「失敗」と断じている。失敗の理由については、基本的に、被災者や被害者の個別の状況や言葉から目と耳を背け、国家と政府の都合と段取りで決めたことにある、としていると私は理解している。

2017-05-04 18:05:07
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「東日本大震災」と「東電原発事故」からの「復興」を「失敗」と考える事、その失敗の原因を「被災者・被害者本人たちを無視している事」だとかんげている点では、私も山下氏と同じだと思っている。 違いは、その先だ。山下氏は「被災者・被害者の意向無視による政策決定」がなぜか、悩んでいる。

2017-05-04 18:17:38
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「被災者・被害者の意向無視による政策決定」が実行される理由。私は2点挙げる。 1 日本の近代以降の政府は、弱者を切り捨てその意向を無視することで統治制度を維持してきたので、今回もそれを踏襲しているだけ。 2 「復興」とは、災害戦災前の統治機構を回復する事で、今回もそうしている。

2017-05-04 18:36:52
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

それに付け加えるならば。 「被災者・被害者の意向無視による政策決定」を行った結果、2つの事が当然起きる。 1 被災地の人々の間での深刻で、半永久的な分断。 2 被災者による、中央政府や地方政府への訴訟提起。 これは避けられず、今回も既に始まっている上に、分断は深刻だ。

2017-05-04 18:42:42
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

311からの「復興」政策によって生じる2つの問題である 1 被災住民間の深刻な分断 2 被災者による国や地方政府加害企業への訴訟 についてだが、これは政治家はともかく、官僚組織にとっては「復興」によって生じるルーティンワークだ。 従って、問題が発生する事も当然。避ける努力も不要。

2017-05-04 19:48:31
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

311発生後、民主党の政治家の少なくとも一部は、 「被災者に寄り添う」を実行しようとした結果、 「分断発生は当然」とする官僚組織(と「復興」で儲けようとする企業群)との間で深刻な齟齬を生じた。 その齟齬を自民党とメディアに突かれた。 「被災者に寄り添う」と「復興」が遅れる。

2017-05-04 19:53:43
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

民主党政権の「復興」に関する「敗因」を私が挙げるなら、簡単だ。 2年や5年で終わるはずがない「復興」を、 「被災者の希望を裏切れないから」と、そのような短期間で終わらないことを公開できなかったことだと、私は考えている。 人類史上最悪の原発事故も含む、「311」は短期間で終らない。

2017-05-04 20:00:17
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

取り敢えず、議論の複雑化を避けるために、原発事故の話は横に置く。 原発事故の話を抜いたとしても、今回の「復興政策」は失敗だった。それも、回避できる失敗を回避せずに、失敗する方向に直進した。 「バブル崩壊」以後の「失われた20年」で、日本の公共事業予算は削減の一途を辿っていた。

2017-05-04 21:34:07
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

バブル崩壊まで、「景気拡大」を前提にして、そこで得られる筈の税収増を先に消化してしまう形で、日本は政府による公共事業を増やし続けてきた。その公共事業から得られる利益の一部を従業員や御用組合に回し、保守系の政治家が各議会の議席を確保する。この手法で戦後日本の仕組みを回してきた。

2017-05-04 23:29:15
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

しかし、資本主義社会では景気拡大はいずれ終わり、景気は後退局面に入る。それは、資本主義という仕組みの一部で、必然でもあった。これは、中学や高校の授業で勉強する常識だ。しかし、その常識を何とか曲げて公共事業を増加させる形で敗戦後の日本社会と企業は延命してきた。

2017-05-04 23:33:41
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

敗戦後日本の景気拡大を続ける事が困難になるたび、様々な裏技まで使って日本社会は公共事業を増やし続けてきた。一歩退いて見れば、その仕組みがいずれ行き詰まる事は、分かっていたはずだ。しかし行き詰まった時に新しい事を探すのではなく、取り繕う方法で乗り切り続けてきた。それが習慣になった。

2017-05-04 23:39:11
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

しかし、1990年頃にバブル経済が崩壊した。何とか誤魔化せるかと思い、できるならば儲けを出そうと思い、金融工学と呼ばれる、錬金術の一種のまやかしによるサブプライムローンという誤魔化しの化けの皮がはがれた時に、日本経済には、もう逃げ道が残っていなかった。公共事業削減しかなかった。

2017-05-04 23:47:36
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

お金が無くなった時に、戦争中の日本経済に端を発する日本の年金制度も化けの皮がはがれた。「日本経済が拡大し、人口も増え続け、年金納付者も増え続ける」という前提で制度設計されていた日本の年金は、1980年ごろにはわかっていた人口減少が明確になると、丼勘定でやりくりしてきた事がばれた。

2017-05-04 23:51:22
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

日本の景気後退が明らかになり、景気浮揚のための公共事業財源がない事も明らかになり、さらに老後を支える筈だった年金制度が幻になりそうなことに日本国民の多くが気付いた。その時初めて、国民の多くは敗戦後政治を丸投げしてきた政府当事者に怒りを向けた。将来の生活が脅かされていると気づいた。

2017-05-05 00:01:13
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

それを有権者は素直に選挙にぶつけた。この選択一発で、事態が劇的に改善することを期待して、だ。 しかし、事態はそんなに単純ではなかった。これまで自民党の政治家としかつながりがなかった官僚たちは、積極的に抵抗する姿勢を示さなくとも、少なくとも民主党政権には非協力的だった。

2017-05-05 00:17:08
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

自民党政権下で、丼勘定で、例年の通りに行政を担当してきた官僚たちは、民主党政権になって何がどう変わるのか、どこまでどう責任を問われるのか、不安だったろう。政権交代は、それまでとは異なる行政をしなければならないという点では、官僚たちにとっては災害と同じとも言えるだろう。

2017-05-05 00:35:10
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

民主党政権は、ある意味、理想主義的な行政を展開しようとしたのだろう。 当時の首相の言葉を借りれば「コンクリートから人へ」だ。公共事業に予算配分を厚くして企業に金を渡すよりも、困っている人を探し出してその人たちに必要な金が渡るようにと考えた。 その過程で、公共事業見直しが進んだ。

2017-05-05 01:16:05
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

民主党政権が成立し、各種の公共事業への予算配分が後回しにされた。各省庁ごとの予算配分シェアも見直された。このままでは企業が立ち行かなくなるかと思われたときに、311が起きた。土木建設関係の公共工事で生活してきた企業には、「復興予算」は打ち出の小づちのように思えたのだろう。

2017-05-05 01:23:08
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「復興予算」という名の「公共事業予算」は、官僚のさじ加減で、どう考えても東日本大震災に関係がなさそうな公共工事にも回された。その官僚のさじ加減に影響を与えたのは民主党の政治家ではなく、自民党の政治家だった、企業経営者としては、「やはり頼りになるのは自民党」という思いが高まる。

2017-05-05 01:35:16
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

この段階で既に、「復興予算」は、被災者や被害者の実情を無視することが決められている。その一部は「復興」とは無関係な事業に使う事さえ、国家中央で決められている。 では、実際に被災者又は被害者からの意向を無視した計画を作った人間は?それは政府各省庁の官僚たちと一部の地方政治家達だ。

2017-05-05 10:25:14
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

「復興予算」によって何とか一息ついたのは公共事業企業だけではない。そこに予算を回す権限を行使することによって、各省庁の官僚や地方政治家たちも、その時点での地位を築いてきたのだ。予算を「人」に回す民主党政権の下では、地位を維持できない。そこに「復興」という名目で予算が来た。

2017-05-05 10:31:32
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

多少アクロバティックなことをしてでも、予算を自民党政権の時のように使いまわさないと、その時点でのポストや議席を維持できない者たちは、様々な作文や拡大解釈を駆使して、旧来の事業か、防災関係の事業をひねり出して予算を付けさせる。もちろん、その人たちの視界には被害者も被災者もいない。

2017-05-05 10:36:51
宍戸俊則(shunsoku2002) @karitoshi2011

被害者・被災者救済や、防災のための経費支出なら、堅物の民主党政権と言えども、口ははさめない。具体的な経費の組み立ては、地方政府や官僚たちに任せざるを得ない。多少は「ここにも予算を回してくれ」という政権政党の言い分は聞く。しかし地方政府からの要請と、政府官僚のさじ加減で多くが決まる

2017-05-05 10:47:14