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スタッフに作品の方向性をどう伝えるか
スタッフとたくさん話すしかないですね。たとえば、イメージを伝えるために写真集や画集、過去の映画とか、そういうものを参考として示す方法もありますが、それだと参考に似せることが“正解”だと思われてしまうかもしれない。そうなると、その人ならではのプラスアルファが出てこないこともある。
2017-05-10 22:16:46言葉で方向性を説明すると、そこに曖昧な部分や隙間があることで、その人が自分の感性を発揮してくれるんです。アニメは集団で作っているから、こういうプラスアルファで作品が広がっていくことがとても大事なんです。
2017-05-10 22:17:09スタッフから上がってきたものが自分の方向性と違った場合
ひとつめは、「ごめんなさい」とこちらの指示が分かりづらかったことを謝って、そのうえで「こういう方向性じゃなくて、こっちの方向性だった」と改めてディレクションし直すことです。
2017-05-11 17:54:10大事な部分は、自分がチェックしてリテイクを出す時間的余裕があるように段取りを組みます。限られた時間で作品をつくるわけですから、アニメの監督は、この全体を見通したスケジュール感覚を持つことがクオリティの維持には欠かせません。
2017-05-11 17:54:33もうひとつは、相手の上げてきた成果物を使って、どういうふうに自分の作りたい画面に到達するかを考えるという方法ですね。こういう時はまず自分が手を動かさないとダメですね。
2017-05-10 22:20:39スタッフにオーダーを出すうえで意識していることは?
意識しているのは、「考えてもらう必要はあるけれど、悩ませてはダメ」ということです。それは監督の側に「こうしたい」という結論があるかどうかです。どの世界にも議論が好きな人はいて、議論はするけれど結論がいっこうに出てこないという場合がありますよね。
2017-05-10 22:22:17議論の問題設定に説得力があると、そこが結論ぽく見えたりする。でも、そこには「方向性」を定めるだけの具体性がないんです。そうすると、スタッフは自分でその問題を解かなくちゃならなくなる。
2017-05-10 22:22:28監督も結論が見えていないから、スタッフの出してきたものが、正しいかどうかディレクションもジャッジもできない。そうなるとスタッフも迷ってしまい、モチベーションもじわじわと下がっていきます。
2017-05-10 22:22:37スタッフのモチベーションをどう保つか
クオリティというのは青天井ですから、状況を無視して理想的なクオリティを求めようとすると「できなかった」という結果ばかりになってしまう。スタッフのテンションも下がりますよね。
2017-05-10 22:23:42「第1話は理想に近づけるように頑張る」。そして「やればできる」というムードを作ったうえで、第2話以降はしばらくハードルを下げて状況に合わせた内容で進めていく。これは脚本段階から不自然に見えないように仕込んでいくんです。
2017-05-10 22:23:49スタッフとコミュニケーションを取ることの重要性
かっこいいテーマだけを語ったり、上がってきたものにただ文句を言うだけで素晴らしい作品になっていくなんてことはあり得ないんです(笑)。僕は監督作でコミュニケーションを題材にすることも多いですが、それは制作現場でも同じことだと思います。
2017-05-10 22:25:05