星の話

ほしのはなし
2
@hondayaro_bot

こうしてカストールとポリュデウケスは、冬から春にかけては天上で暮らし、夏から秋にかけては冥界の入り口テラプナイに居て姿を消している、というわけです。

2011-03-14 20:32:49
@hondayaro_bot

さて、双子の星の東どなりには、かに座がございます。少々暗い星ばかりの星座ではありますが、かにの腹にあたる四つの星の部分を、わたくしは昔は魂緒の星と呼んでおりました。

2011-03-14 20:40:13
@hondayaro_bot

魂緒とは、魂と体を結ぶ糸のこと。こころや、精神や、記憶などがこの糸の中に幾億も紡がれているわけです。4つの星の中心でぼんやり光る魂緒の星のあつまりは、死んだ人々のたましいの糸が、浮かんで、からまりあっているところなのです。

2011-03-14 20:43:33
@hondayaro_bot

そのからまりあったたましいの糸は、天の神がほどき、またきれいに紡いで、ひとの体に何度も編みこんでいるのですよ。

2011-03-14 20:46:22
@hondayaro_bot

……今は、こんな神話も廃れてしまって、天にはただの光る星がある、というばかりになってしまいましたが。たくさんの命だのすてきな芸術品だのが、地から天に放り投げられて、ときには天に招かれて、ごちゃごちゃとあふれているわけです。そう思えば、遠い遠い第二の地球がすぐそばにある様でしょう。

2011-03-14 20:51:13
@hondayaro_bot

死は、われわれ人間には、国には、どうしようもない出来事です。かに座の玉緒の星は、ここからではうすぼんやりとしていて見えませんが、確かに遠くのほうで、じらじらと光り輝いているわけです。死んだたましい達を、生ある人は悲しんだでしょう。それでもその悲しみのおかげで尚光り輝くのです。

2011-03-14 20:58:29
@hondayaro_bot

ただひとは、ただただ死んでしまうわけではなく、光の糸になるのです。何億もの光の糸、光の星になって、それから何億年と空を駆け続けるわけです。いいですか。どんなにつらい話の中にも、光の糸は含まれていて、われわれもまた神の手のように、其れを解き、紡ぎあわせることができるのですよ。

2011-03-14 21:02:34
@hondayaro_bot

なんだか星座の…話からそれてしまいました。どうしましょうね。もう少し星座の話をしましょうか。そうですね、どちらでもかまいません。このままご要望がなければ、話もうまいこときりがついちゃいましたしここらで終わりたいと思います。

2011-03-14 21:08:05
@hondayaro_bot

おや、おや、そうですか。それならもう少し続けてみましょうか。心持を穏やかにするにあたって、夜の星というのはすてきな代物でございますからね。

2011-03-14 21:14:09
@hondayaro_bot

そうですねえ。それではこんどは、オリオンのベルトにもどってみましょう。そうして今度はオリオンの左肩から、かかげた左腕に沿ってまっすぐ目をそらしますと、おうしざの頭の赤いアルデバランがあるはずです。

2011-03-14 21:19:13
@hondayaro_bot

このアルデバランは、コル・タウリという名前もありまして、つまり牛の心臓という意味をもっています。アルデバランは変光星、光を放ったり弱めたりする姿が、脈打つ心臓のようにとらえられたのですね。ただ位置的には、うしの目にあたり、英語でもブルズアイと呼ばれています。

2011-03-14 21:23:52
@hondayaro_bot

そして、このアルデバランからさらに西へ向かいますと、メシエ45…… 周囲はそう、プレアデス星団と呼んでおりますね、わたくしはスバルと呼んでおります、たぐいまれに輝かしい星の集まりであります。

2011-03-14 21:27:49
@hondayaro_bot

すばるとは昴と書きますが、もともとは集まって一つになるという意味から、統ばる星といったのが始まりです。古くは糸で紡がれた珠飾りとして、須売流珠だとか五百津之美須麻流之珠とも呼んでいましたね。え、読めないですか。すまるのたま、いおつのみすまるのたま、と読みます。

2011-03-14 21:32:42
@hondayaro_bot

そうですねえ、すばるは23日に、晴れていれば月の近くにその身を置くと思いますよ。肉眼だけでは6つ明るいものが見えることから、6連星などともいいます。目のよいものはうんと凝らしてみてみたらどうですか。

2011-03-14 21:38:03
@hondayaro_bot

ここで、星座の話からちょっと離れましょうか。んー…。アンドロメダとかカシオペヤとかですね、たくさんございますけれども、どれもこれも話しておりましたらきりがありませんのでね。申し訳ないことですけど。

2011-03-14 21:46:23
@hondayaro_bot

われわれが住む、太陽系とよばれる、太陽という恒星を中心とした星のならびは、天の川の一角に過ぎません。天の川は天上に見えるのに、その一角にすぎないとは、ずいぶんおかしな話でございますけれどね。 天の川の恒星の数は約2000億から5000億とも呼ばれております。

2011-03-14 21:52:59
@hondayaro_bot

こんな話がございます。学者の偉いかたがたが、宇宙に存在するはずのすべての物質の質量を、さまざまなデータから計算してみましたところ、すべての銀河団にふくまれる天体の統計は、宇宙に存在するはずの物質の総量の、わずか三分の一にしかあたらなかったのです。

2011-03-14 21:56:31
@hondayaro_bot

そりゃあ、宇宙なんて途方もない数を携えた代物ですから、計算間違いもあるでしょうが、三分の一ってのはあんまり間違いが過ぎますね。この残りの三分の二がなんだかわからず、学者の方々はえらく考えたんです。何が足りないんだってね。

2011-03-14 21:58:24
@hondayaro_bot

そうしてでは、その空白を埋める有力なものが一番何と思われているかといいますと、われわれが常々見ているもの…今見ているもの、宇宙空間に、地球にとうとう広がるもの…暗闇なのでございますね。

2011-03-14 22:03:31
@hondayaro_bot

見ることはできる、触れることもできるのに、手に取ることはできず、中身を調べ上げることもできない。そういったものすべてを暗闇と呼ぶのです。不思議な話でしょう。確かにそこには、われわれがまだ見たことのないエネルギーがあって、真空というかたちで宇宙をすっかり満たしているのです。

2011-03-14 22:07:19
@hondayaro_bot

見えないものを見る力は、嘘にだまされてやることと同じくらいに、大切なことです。数々の革命家も、発明者も、何もないかのような暗闇の中から、誰も知らない光のはじまり、宇宙のもとをつかんできたのです。

2011-03-14 22:11:23
@hondayaro_bot

おまえたちもまた、暗い闇の中に今、立たされている。そこをただの暗闇と嘆きますか?それとも光のはじまりを見抜くことができるでしょうか。わたくしは見守っていますよ。いや、わたくしもまた、それを見抜くのに今、必死なのです。

2011-03-14 22:14:05
@hondayaro_bot

あぁ…さて、わたしのはなしはこれでおしまい。おしまい、ですよ。また気が向いたら、続きの話をしてあげますからね。なるべく多くのかたの心が落ち着いてくださったら幸いなのですけれど、まあ付き合ってくださってありがとうございます。

2011-03-14 22:17:15
@hondayaro_bot

@yoshi_da2 はい、聞いてくれてありがとうさん。もう夜は遅いですからねえ、節電のために眠るってのもいいんじゃないですかね。明日、気持ちよく起きるためにもね。おっといらん世話でしたか。

2011-03-14 22:20:43
@hondayaro_bot

@k_azm はいはい、ありがとうさん。のちのちわたしの部下がなんとかいう機械でまとめてくださるそうですから、そちらをおすすめしますよ。

2011-03-14 22:21:39