今日は大学イノベーション研究所3周年記念セミナー「高校から見た高大接続改革」に来ています。残念ながら写真の撮影は機材の都合でできません…。テキストメモで投稿していきます。まずは同研究所の所長である山内太地様からのご挨拶。
2017-06-03 13:15:09そのまま山内さんのプレゼンに突入。 山内『今日のテーマは「大学の序列を作っているのは誰か?」日東駒専、関関同立、のような序列は「大学側が作っている」といえます。高校や予備校も共犯者、かも。ただ、それが居心地いい大学と、その殻を破るべく戦っている大学もある』
2017-06-03 13:18:44山内『進学高校生徒は英語の入試難易度や配点(100点か150点か)に敏感に反応する。”しっかり英語をやってきた自分をもっと評価してほしい”という考えが志望度に影響することを突き止めた。同様の傾向は、入試が3教科/2教科(社会の有無)にも見られ、社会を復活させた大学はV字回復した』
2017-06-03 13:22:52山内『つまり、科目数を減らしたり受験生欲しさに入試を簡単にすると、一定層以上の受験生が来なくなってしまう。私はいわゆるボリュームゾーンの大学や高校へのコンサルをする中で、大学入試のスタイル(英語重視・教科数・難易度等)を調整することを提言している。」
2017-06-03 13:26:55山内『私は大学に対して教授・教職員の負担を軽くし、学校のブランドが上がるような提言をしている。私がもし英語の私学入試を改善するならば、外部の英語試験を活用して独自試験は全廃すると思う。いずれにしても、入試の在り方が実質的に大学の序列を作っている、ということになる』
2017-06-03 13:31:50続いて大正大学 専務理事の柏木正博先生から「地域構想研究所の実践報告」。もともとの大正大学はお坊さんの息子が全国から集まったため、各地の繋がりを活かした地域創生活動をしてきた。小さい大学ながらも特色のある”地域活性化”の拠点を目指している」
2017-06-03 14:19:04柏木専務理事「地域創生のための雑誌”地域人”や、経産省の公開しているデータベース”RESAS”の解説書籍の出版、DMO人材育成なども行っています。」
2017-06-03 14:27:16続いて大学ゼミ生(大正大学人間学部教育人間学科 教育・学校経営マネジメントコース)からの発表です。いろんな大学の職員候補となる学生さんということで山内さん会場に『雇ってください!』 ※全員自己紹介の結果、かなりの割合が大学職員でした
2017-06-03 14:29:25ゼミ生丸山さん「ゼミで愛知エリアの大学の管理部門の訪問活動をした。そのなかの豊田工業大学はトヨタ式のカイゼンが深く(しかし学生にとっては時に厳しく)入り込んでおり、PDCAサイクルがそこかしこにある。また、時代が必要な教育をしており、研究の成果がそのままニュースになるのが強み」
2017-06-03 14:34:43ゼミ生丸山さん「大学訪問の中で分かったことは、どの大学も”立ち止まらず、新たな施策を進める”ことを実践されていたこと。実際に講義の中でも聞いていたが、訪問し大学の事務職の方に話を聞くと、大学の発展のために様々な工夫をしていることを実感した」
2017-06-03 14:40:06続いて東京の女子美術大学に訪問したゼミ生幅野さんのプレゼン。大学の差別化ポイントだけでなく、大学の職員さんに大学の苦楽やなぜ職員になったのかをヒアリングしているのが興味深い。
2017-06-03 14:47:00続いて学校の立て直しに奮起された荒井優さん(リクルート->ソフトバンク社長室勤務)の「1年で学校は変わる~札幌新陽高校が本気で挑戦した365日~」という講演。2016年2/1に校長に就任し、生徒数が1年2か月で2倍のV字回復を達成されたそうです。
2017-06-03 15:25:15荒井『今日お伝えしたいことは”飛耳長目”が重要であること。その一つとして、学校再建は山内太地さんにお任せすべし!です(笑) 学校の外の情報を取ることが重要。しかも人口が2050年までに北海道は43%も減るという社会の中で生きていくことを考えなければならない」
2017-06-03 15:29:51荒井『地元学の本を書いた吉本哲郎さんを訪ねたら、「あきらめろ!覚悟しろ!本物をつくれ!」という激励をいただいた。そこで学校のビジョンとして「本気で挑戦する人の母校」を掲げ、(教員免許はないので)自分は生徒募集の目標270名を達成するという”覚悟”をした」
2017-06-03 15:34:20荒井『組織を変えるために必要なこと 1.覚悟、2.物語(ビジョン)、3.顧客第一、4.execution(実行)。マーケティングの4つのPの中でもPriceを意識、オープンスクールに2回以上参加してくれた受験生は入学金を全額給付するという、地域の経済事業を踏まえた施策も実施。
2017-06-03 15:39:30荒井『結果、校長就任後1年間で大小合わせて44の施策を動かした。1年目は4つのPのうちPriceとPromotionに注力、今年は4つすべてを動かしている。学校は年1回しか売上が立たない。生徒募集が重要で、これは選挙活動に似ているかも。特に少人数向けの説明会をふやしている』
2017-06-03 15:42:41荒井『初年度は自分が生徒募集をしたが、これからは”先生たちの授業が生徒を惹きつけるようにしてほしい”とお願いしている。また来年には探究のコースを新規に開始予定、コースのプロデューサー100名の応募から1人任命した。ここでの学びを通して、デザインする力、巻き込む力を得てほしい」
2017-06-03 15:48:13荒井『北海道の人口減少のペースも考え、新陽高校は”北海道の高校をなくさない”ためにも動いていきたい。そのためにも、元教育長や地方自治のトップクラス、大学・コンサルタント・企業経営者を”巻き込んで”一緒に奮闘していきたい。」
2017-06-03 15:50:33荒井『仕事ができる人は学歴が高い人、ではすでにない。1.自分から動く 2.常に改善 3.失敗を恐れない 4.自分ごとにできる ではないか。特に4が学校関係者に弱い傾向にあるかもしれない(誰々が悪い、的な考えが強い)。自分が主体的に動かなければいけないのではないか。』
2017-06-03 15:52:12荒井『高校で働いていて気になることは、なんとなく今の大学が「まったり」している感があること。そのまったり感を超えないと、大学は大きく変われないのではないでしょうか』(終)
2017-06-03 15:53:41続いて工学院大学附属中高の教頭の高橋一也先生。先生は日本初のグローバルティーチャーファイナリスト。これはハーバードなどがさまざまな権威ある方が「学校の先生の地位を世界的に向上させよう」と考えて生まれた、基本的に他薦でなければエントリーできない賞。
2017-06-03 15:58:11高橋『自身は慶応大学での聖書(当時8億円)の電子化したり、米国の大学で認知心理学を学んだり、そのあと教育ベンチャーBlackBoardで働いたりしてきました。私は日本の教育は偏差値という鎖につながれてたり、日本の大学の論文投稿数で海外に劣っているなど、厳しい状況だ』
2017-06-03 16:01:04高橋『日本の教育は、知っている知識を問うこと。テストができればそれが認められてきたが、それを超えた領域で力を発揮しにくく、自尊心も低い。21世紀型スキルでいわれている「知識」だけが問われるのではなく、能力や性格もこれからの世界では必要。でも、そうした力は”伸ばせます”』
2017-06-03 16:04:22高橋『工学院ではシーモア・パパートの構成主義を実践すべく、レゴブロックを授業で活用している。また、”実行機能”という考えにのっとり、”遊び”を通じて脳の”behavior Control”を鍛える(幼児教育で重要視されている)ことも重要。こうした力を伸ばす教育実践をしている。」
2017-06-03 16:12:07