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長門、交わる道

竹村京さん(@kyou_takemura)の書いてくださった、落ちぬい二次のお話。 今回は今よりはるか昔の戦況を語ったエピソード。最後までどうぞおたのしみください。 ご感想などは、竹村京さんor#落ちぬいタグへ。 続きを読む
ゲーム 落ちぬい二次 不知火に落ち度はない 艦これ 日向
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はじめに
竹村京 @kyou_takemura
#落ちぬい二次 、はじまります。本作は #不知火に落ち度はない の二次創作であり、オフィシャルではありません。意見、指摘などは #落ちぬい タグにお願いします
本編
竹村京 @kyou_takemura
まるで太平洋戦争末期の様相であった。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
適齢の女性には艦娘の適性を検査するよう繰り返し広報され、中には身体測定の項目に組み込んだ学校もあった。そして公募された艦娘はいまだ適合失敗の確率が高い艦娘化処置が施され、無事に艦娘になれた者たちは訓練もそこそこに出撃させられ、帰って来なかった。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
そうして次々と補充され、次々と死ぬのはほとんどが軽巡か駆逐艦だった。軍人から選抜された戦艦や正規空母は比較的しっかりした訓練と高い耐久性、そして温存する戦術により損耗率は低い。大火力を持ちながらも温存される側の艦娘は歯痒い思いをしていた。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
そんな、よくある戦争の日々である。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
周辺海域を哨戒し、敵艦隊と遭遇すればこれを撃滅せよ。いつも通りの任務である。いまだ深海棲艦の出現を数値的に予測できない状況にあっては哨戒を厳にし、遭遇する都度戦闘するしか戦いようがなかった。自然、過密な出撃で艦娘を酷使する事になる。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
今回出撃した六隻編成のうち、既に軽巡一名が戦死。重巡が中破、駆逐艦が大破。損傷軽微なのは旗艦の長門と日向、加賀の三名だけである。速力の遅い三名と中大破二名では進撃にしても撤退にしても、いずれ全滅は免れないだろう。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
遭遇した敵艦隊は戦艦2、空母2、軽巡2の重量級編成であった。編成だけ見ればそれほど大きな戦力差があるわけではない。だが練度には大きな開きがあった。また、非常時であるとして駆逐艦二名には覚醒剤が投与されており、そのせいで注意力を欠いていたことも大きい。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
遭遇後の第一撃では先手を取れたが、充分な連携訓練を積んでいない軽巡多摩と駆逐艦朧が隊列から落伍。集中攻撃を受けて多摩が戦死、救援に入った重巡古鷹も中破。朧は戦死は免れたものの、大破して自力航走もままならない。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
長門と加賀が敵にある程度の損害を与えて辛くも離脱したが、敵は一定の距離を保ちつつずっと追跡して来ている。振り切る事はできず、かといってこのまま帰投しては敵を自拠点に呼び寄せる事になる。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
朧は手持ちの砲や発射管を喪失しており、重傷に加えて薬物の禁断症状も出ていて全く戦力にはなり得ない。古鷹は右腕の艤装は無事だが、マニピュレータ式の砲を失っていて火力は万全の状態の三割といったところか。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
それに対して長門、日向、加賀は分厚いエンチャントフィールドで守られていたこともあり、物理的な損傷はほぼない。長門と日向の弾薬は八割、加賀の艦載機も七割程度が残っている。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
旗艦長門は右手を挙げて一時停止を命じた。背後を振り返り、水平線に見える敵艦隊を睨んで言った。 「私は決めたぞ。この命はここで使う」#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
使う。使い潰す。生きて帰らないという事。艦娘に志願した時、いや、それ以前に海上自衛隊に入隊した時から戦って死ぬことは覚悟していた事である。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
恐怖がないわけでは、無論ない。しかし、他の艦娘の犠牲の上に温存されていた自分が他の艦娘を生かすために命を擲つのは恐怖をはるかに上回る意義を感じる事であった。ようやく守るために戦えるという感慨さえあった。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
「そうか。我々もか?」 隣に立った日向は、いつもの無表情で問うた。そこに何の気負いもない。 「馬鹿を言え。全滅しては元も子もない。私が敵を食い止めている間にお前たちは何としても帰投しろ」#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
損傷した重巡と駆逐艦を護衛して撤退するには火力と高い索敵能力を兼ね備えた日向が適任だ。加賀の航空支援も加われば撤退に万一の失敗もないだろう。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
「それは構わないが、いいのか。さっきの通信では古鷹と朧を囮にして長門と加賀は必ず帰還しろとの命令だった筈だが」 「知らぬ。通信機は壊れた。我々はそんな命令を受けてはいない」 長門は通信機を握り潰し、足元の海に捨てた。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
「了解した。では加賀が先頭、古鷹、朧が続き、私が殿だ。加賀は艦載機で警戒を厳に……」 「いいえ。私も長門と一緒に残るわ」 加賀が日向の指示を遮った。指に矢を二本たばさみ、いつでも艦載機を発進させられる体勢を維持している。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
「不要だ。お前も帰れ」 「敵空母に戦艦一人で立ち向かうつもり? ここで持ちこたえられなかったらそれだけ日向たちへの追撃が早くなるわ」 「ふむ。一理あるな」#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
道理である。射程の長い航空機を主体とする空母打撃群に対し、戦艦はほぼ無力と言っていい。厚い装甲に任せて敵艦隊に突入できれば勝ち目もあろうが、十中の十まで接近する前に航空攻撃によって沈められるだろう。#落ちぬい二次
竹村京 @kyou_takemura
だがこちらにも空母がいれば話は変わってくる。敵航空機をこちらの艦戦で迎撃できれば生存率も敵艦隊への到達の可能性も上がる。#落ちぬい二次
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