梅桃桜。第五話『ひきこもりはゴスロリエンジェル!』

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はるか @Kurosu_Haruka

「梅桃桜子です……」 「 キャハ。ゆすらさくらこ? なんだか、強請(ゆす)られてそうな名前。ねぇ?」 「あんたに刀突きつけられて強請られてる上に神輿に揺すられてるよ……!!」 「キャハハハハ、お上手ね!」 「ちくそう、お家に返せよおおおお……!」 #梅桃桜

2017-06-08 00:46:08
はるか @Kurosu_Haruka

その時だった。狂気の宴の前に立ちはだかった少女がいた。いてくれた。 「お姉ちゃんを返してもらいますのです」  愛らしいツインテールに黒ニーソ。 「春菜あああああ……!」 「なによ! このちび! モノ共、殲滅(ふみ)潰しなさい!」 「あひゃああ! めでてえなああ!」 #梅桃桜

2017-06-08 00:49:06
はるか @Kurosu_Haruka

「暴力表現は今回控えめの約束なので、一瞬で片付けさせていただきますですっ」  まさに瞬殺だった。本当に殺したわけではない。牙王魔刄流空手師範代の腕は伊達ではない。春菜はキチガイ旅館の従業員をなぎ倒し、神輿の先端に立つ。 「お姉ちゃんを返してくださいなのです」 #梅桃桜

2017-06-08 00:51:54
はるか @Kurosu_Haruka

────── 「助かったよぉぉ、春菜ぁ……今回ばかりは本気で色んな危険を感じたよぉ……」 「お姉ちゃんを助けるのは当然です」  断崖絶壁にくっつくように建てられた我が家と我が部屋。いつもは怖い高所恐怖症コロシの部屋だが今は安堵感に満ちている。 #梅桃桜

2017-06-08 00:54:09
はるか @Kurosu_Haruka

「春菜、ありがとう、大好きよ……」 「……照れます。やめて」  可愛らしい妹は頬を染め、うつむく。上目遣いが可愛らしい。 「明日も一緒に学園に行こうね」 「はい。もちろんなのですっ」 ────── 「さーくらこちゃーん。学校行くウサー」 #梅桃桜

2017-06-08 00:58:56
はるか @Kurosu_Haruka

「あなた生きてたのね、いちごちゃん」 「生きてたよ!? てゆうか毎朝、一緒に登校してたよね!? 出番がないと死んでるみたいに言うなウサ……! 出番がなくてもキャラには生活があるピョン……!」 「春菜、昨日はありがとう」 「無視するなウサ……!」 #梅桃桜

2017-06-08 01:00:46
はるか @Kurosu_Haruka

「いいえ。お姉ちゃんのお役に立てれば──」  ──めでてえなぁ!  可愛らしい春菜の声の間に不吉な声が聞こえた気がした。 「な、なによ、まさか」 「ヤレヤレなのです」 「お嬢様のおなありいいいいいいいいい!」 「桜子! あたしも一緒に登校するわよ! キャハ!」 #梅桃桜

2017-06-08 01:02:30
はるか @Kurosu_Haruka

「いやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」  わたしの断末魔が島中に響き渡った。 【梅桃桜。第五話『ひきこもりはゴスロリエンジェル!』】終。 #梅桃桜

2017-06-08 01:04:55
はるか @Kurosu_Haruka

エマ、あの日、一緒に見た夢、覚えてる?  文学少女、梶原文香は嗤う。そう、究極の変態エマの後の微妙なシリアス展開に、桜子は戸惑う。 次回、梅桃桜、第六話『文学少女と静御前』。 今日も元気だ! #梅桃桜

2017-06-08 01:10:59