原因が あったこと、被ばくが あったことは ある程度 知り得ます。 甲状腺がんに なったこと、病気に なったことも ある程度 知り得ます。 観察可能、認識可能なんです。(津田敏秀さん)
2017-06-08 22:31:32この 間に 因果関係が あるのか ないのかというのは けっして 見ることが できない。 実をいうと「概念」なんです。(津田敏秀さん)
2017-06-08 22:33:12科学というのは、観察可能、認識可能なところを データ化して、数字で 推論していくというのが 基本です。 あくまでも 観察データに 基づく。(津田敏秀さん)
2017-06-08 22:36:52因果関係を 見えるようにするためには、被ばくしなかった 人の 病気の 発生率で 被ばくした 人の 病気の 発生率を、この場合 甲状腺がんですが、割り出すだけ。(津田敏秀さん)
2017-06-08 22:40:05そういうのは 発生率比 (IRR) といいます。 要するに 何倍「多発」したのかという 数値で 見えるようにする。 あまりにも 単純すぎるから これで 皆さん ついてこれない。(津田敏秀さん)
2017-06-08 22:43:121倍が 目安、これは 多発していないから 因果関係は ないという 数値です。 1倍という 数字、絶対に 忘れないでほしい。(津田敏秀さん)
2017-06-08 22:45:18今のように 因果関係の 部分を 数字にして 考える。 例えば 力というものは 見えない、それを 数字で 見えるようにしたのが アイザック・ニュートン、ガリレオ・ガリレイです。(津田敏秀さん)
2017-06-08 22:49:02医学も ついに「病気になる力」というのを 数字にしだします。 それが 行なわれたのが 19世紀中葉で、20世紀後半には 大きく「疫学」という 学問によって 発達します。(津田敏秀さん)
2017-06-08 22:51:37「神様は これで 世界を 描いた」というふうに 19世紀には 思われていたのですが、どうも これで 決定しないことが わかり始め「確率論」に 置き換わります。(津田敏秀さん)
2017-06-08 22:55:30要するに「統計学」が 導入されて 加わります。 これは 物理学に 限らず 化学、それから 生物学においても、自然科学という以上は 必ず 統計学が つけ加わる。(津田敏秀さん)
2017-06-08 23:00:00統計学を 加えることによって「疫学」は 通常の 自然科学理論として 発達し、それが 行なわれたのが 20世紀後半です。 見えない 因果関係というのは 何倍 多発かと いうことです。(津田敏秀さん)
2017-06-08 23:03:18ただし そこには 誤差が 入り得る。 ここの 部分が 統計学で、95% の 確率が 使われ やや 慎重に 示される。(津田敏秀さん)
2017-06-08 23:06:441992年には「科学的根拠に基づいた医学 (EBM)」と 名付けられ、アメリカでは 研修医全員が これの ルールとか 背景を 熟知している。 要するに 将来的には お医者さん全員が これを 知っておかなければ 診療が できないということです。(津田敏秀さん)
2017-06-08 23:21:08これは アメリカ医師会雑誌に 載りました、(正式に) 認めたわけです。 私は 論文では これで 書いているのに 福島県立医大の 人たちは それが 読めない。(津田敏秀さん)
2017-06-08 23:24:30簡単な 数式で 一般法則を 表す。 17世紀、ガリレオ、ニュートンです。 確定論でなく 確率論に 基づき 表現する。 これは 19世紀、ラプラス、ケトレ、ピアソン、フィッシャーが 近代統計学を 築いていく。(津田敏秀さん)
2017-06-08 23:29:23人における 因果関係は 何倍 多発か、それに 信頼区間を 加える。 この ルールさえ わかっていれば、医学論文の 英語は 文法が 簡単ですので 中学3年の 知識が あれば ゆっくりとでも 読めます。(津田敏秀さん)
2017-06-08 23:34:03