【デレマスSSまとめ】Star of Cinderella Record
「溶けるように甘く」
あと数cm。ギリギリまで近づいたところで、お互いに止まる。鼻孔からの息がかかる距離、咥えた時から見つめあったままの目は、逸らせずにいる。視界いっぱいに君がいる、なんて、意識してしまうともうどうしようもなくて。
2017-11-11 21:49:03進まないままのこの距離が一番幸せなんじゃないかなんて考えてたら、不意に君の方から動いて。どんどん近づくままやがて唇が、触れて――― 「・・・今度は未央ちゃんから、来てください」 そう言って君は、小袋から取り出したそれを咥える。君からのキスはとっても甘くて、でも一度だけじゃ物足りなくて
2017-11-11 21:49:40「ヒマワリの消えた日」
君を失って一か月が経った。最初こそ立ち直れるわけがないと思っていたけれど、日常は案外普通に戻ってきた。 ぽっかりと空いて戻るわけがないと思っていた心の穴も、時間が過ぎれば気にすることも少なくなっていた。
2017-09-28 22:05:16君の事を思い出してふと立ち止まることもあるけれど、アイドルは待ってはくれないから、私は私で進むしかない。そこはそれ、私は本田未央という1人のアイドルだから。 でも、それでも時々思い出すんだ。 心にぽっかり空いた穴を見て思い出すんだ。
2017-09-28 22:06:26君のそばにいたかったこと。 君の支えになりたかったこと。 君の隣で笑いあっていたかったこと。 君に、思いを告げられなかったこと。 思い出して、寂しくなって、ひとりの夜に、そんなどうしようもない思いを空に向って投げるんだ。 だって、私はどうしようもなく。 ひとりの女の子なのだから。
2017-09-28 22:08:23藍子が先立った未央は 「どうせこんなことになるくらいだったらさあ、もっと、好きって言えばよかった。馬鹿みたいに抱きしめて、あきれるくらいキスすればよかった。」とゆっくりと眼を伏せ呟くように言いました。 #いろんな後悔と言葉 shindanmaker.com/537086
2017-09-28 22:09:13「もう半分は君らしさかな」
「卯月、はい水。ちょっと休憩にしよっか」 「奈緒、これ欲しいって言ってたヤツでしょ。私はいらないからあげるよ」 「乃々、仕事の時間だよ。ほら、私も途中までついて行ってあげるから」 「藍子、夕美に教わって押し花の栞作ったんだ。良ければもらってくれないかな」
2018-01-03 11:37:05「うーむ」 「どうしたの未央。・・・私の顔に何か付いてる?」 「いや、しぶりんの半分はやさしさで出来てるのかな~って」 「なにそれ」
2018-01-03 11:37:39「ボクらについて」
やっと追いついた。お、ようやく来たねあすあす。肩で息をするボクに君はそう言って笑う。随分と、余裕そうじゃないか。当たり前か。ボクと彼女は、何もかもが違う。彼女はここまでの道程を楽しんでいた。ボクにそんな余裕は、微塵もなかった。必死に駆け上がってきた階段の途中、彼女に会えただけでも
2018-01-28 18:28:15幸運だったといえるだろう。ああ、今こうして休んでいる間にも、彼女はもっとずっと上に。すごいね、あすあす、楽しそうだったよ。私なんか上に上にって必死で、あすあすみたいに楽しんでやる余裕なんかなかったもん。言葉に驚いて顔を上げると、目の前には彼女の差し出された手。どうかな、あすあすの
2018-01-28 18:28:16これまでのお話、聞かせてくれないかな。その、とってもかっこよくて、とっても楽しそうだったから。恥ずかしそうに頬を染める彼女に、ボクはクスリと笑って応える。手を取り、どこから話そうか、と再び歩き始める。いつもはそうじゃないけれど、今なら、ボクの事を語ってもいいかもしれないと思えた。
2018-01-28 18:28:16ボク達はどうやら、競い合うライバルとして互いに互いを思っていたようだ。ひたすらに高みを目指して突き進む未央の姿に、ボクは興味があった。同じように、未央もボクを見ていたようだった。でも、ボクの方は違う。同じアイドルとしてというよりも、そうだな、同じヒトとしてという方が正しい。
2018-01-28 18:28:16多く人々を魅了する未央とボクは、どこか似ていた。シンパシーを感じていた。幾度となく目にする彼女に、ボクは目を奪われていた。彼女は、どうしてあそこまで輝けるのだろう。どうしてあんなにも楽しげにアイドルを謳歌しているのだろう。興味は尽きなかった。だから、今ここでこの疑問を打ち明けよう
2018-01-28 18:28:17「居場所を求めて」
このクッションこそが私のたったひとつの居場所、なんて思ってたけど、今はそんなことなくなって、色んなところに私の居場所が出来た。だだっ広くてたっくさん人のいる事務所にいれば、まぁそうなるのは当たり前かな。正直、悪い気はしない。誘われればついていくし。運がよければアイスもらえるし。
2018-07-20 21:03:16で、色んなところにできた私の居場所をさ迷ってると、必ずといっていいほどそこに彼女がいる。たぶん私以上に、この事務所で居場所の多い人間。あのコミュ力の高さは一体どこで培ってきたんだ。ここのアイドル全員の連絡先も持ってるし。私のも握られてるし。一周回って引くレベル。すごいよね。
2018-07-20 21:09:53私とは住む世界が違うっていうか、関心はすれど、憧れはできないよね。あんなに駆け回ってちゃ、私はとっくにスタミナ不足で三日は倒れられる自信がある。…胸を張ることじゃないか。ともかく、未央ちゃんはそんなトンデモ人間だと思う。あぁ、すごくアイドルだなぁ、なんて思ったりもする。
2018-07-20 21:13:58ところがこないだ、そんなトンデモ超人未央ちゃんから相談を受けた。私の特徴とか、個性ってなんだろうね、だって。曰くこの前のボーカルレッスンで少し悩んじゃったとか。…いや、あの友情番長っぷりは十分唯一無二の個性だと思うよ私は。グータラアイドルで通ってる私と比肩できる。むしろ眩しい。
2018-07-20 21:19:50未央ちゃんは今のままでも十分個性抜群だよと答えたものの、納得はいっていない様子で。彼女でも迷う事があるんだなぁ、なんて思いながら、相談料のアイスを要求してパピコを貰った。けど、食べてる最中も未央ちゃんは悩みっぱなしだったから、私ももやもやしてきてしまって。うーん。
2018-07-20 21:26:13