絶滅危惧種が産卵期に乱獲されている事例を中心に、日本の漁業の未来を考える

先日、身内の定例会で「太平洋クロマグロの事例を中心に、日本の漁業の未来を考える」と言う発表を行った。 せっかくなので、Togetterでまとめる前提でTwitter向けに多少手を入れつつその内容をつぶやいてみた。 ……けっきょく、多少は省いたものの「簡単に」とはいかない量になったけれど。
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緑城雄山 @midorinojou

【WCPFCでの日本のダブスタ19】この件を知った当会の会員からは、「何で水産庁がここまで(斜め上な方向で)無駄に頑張るのか。むしろ外務省が他のことで頑張るべき」「どうしてここまでわかりやすくバカなことをするのかわからない」などの反応があったことを記しておく。

2017-06-26 11:39:20
緑城雄山 @midorinojou

【WCPFCでの日本のダブスタ20】これは発表では触れなかったことであるが、ISCの会議にて全漁連の主導で漁師に規制を強化しないよう作文を読ませており茂木陽一氏がそのフォームを入手している、と言うことを付記しておく。uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-463…

2017-06-26 11:46:27
緑城雄山 @midorinojou

【太平洋クロマグロ以外の、漁獲量の推移1】茂木氏のブログに、勝川俊雄氏作成の世界と日本の漁業生産の変遷のわかりやすいグラフがあったので、該当グラフが掲載されているURLを貼っておく。katukawa.com/?p=5396

2017-06-26 12:06:44
緑城雄山 @midorinojou

【太平洋クロマグロ以外の、漁獲量の推移2】このグラフを見るに、世界では天然が微増・養殖が増加でトータル増加。日本では天然が激減・養殖が横ばいでトータル激減となっていることが伺える。

2017-06-26 12:09:02
緑城雄山 @midorinojou

【太平洋クロマグロ以外の、漁獲量の推移3】種類別については、茂木氏のブログの次の記事(uminchumogi.blog111.fc2.com/blog-entry-464…)中段くらいの、小松正之氏の講演にて示された図が大いに参考になるだろう。いずれも見事な下降トレンドである。

2017-06-26 12:14:19
緑城雄山 @midorinojou

【世界に一人負けを予測される日本の漁業1】勝川氏によるこの記事(katukawa.com/?p=6014)によれば、国際連合食糧農業機関も世界銀行も、将来漁業は日本だけが衰退し一人負けをすると予測している。

2017-06-26 12:18:44
緑城雄山 @midorinojou

【世界に一人負けを予測される日本の漁業2】また、勝川氏は世界銀行の予測を受けた記事で、次のようにまとめている。 「日本の漁業は一人負け」 「日本の養殖業は世界でも希な衰退産業」 「漁業が衰退しているのは日本ぐらい」 「中国は最大の水産物輸出国」

2017-06-26 12:20:21
緑城雄山 @midorinojou

【世界に一人負けを予測される日本の漁業3】私自身正直受け入れがたいものではあるが、今後はやはり日本が、そして日本人がこれらの事実を虚心に受け入れた上で、漁業について考えていかねばならないのだろうと思う。

2017-06-26 12:22:15
緑城雄山 @midorinojou

【未来に向けて1】さて、まとめとして太平洋クロマグロの絶滅を回避し、一人負けが予測されている日本の漁業を変えるためにどうすればいいかを考えていきたい。まず、詳細な個別の方策をあれこれ言う前に、大きく変えねばならないであろう点について触れていく。

2017-06-26 19:19:01
緑城雄山 @midorinojou

【未来に向けて2】そのうちの1つは、資源評価・トータルの漁獲枠の設定を水産庁から環境省の管轄に移すことである。巻網擁護やWCPFCでの対応を見るに、水産庁は自然保護や資源管理よりも漁獲量の確保を優先している節がある。これでは、とても水産庁に資源管理など任せられない

2017-06-26 19:23:38
緑城雄山 @midorinojou

【未来に向けて3】そこで、漁獲量によって評価が左右されることがない環境省に、純粋な自然保護の問題として資源評価・トータルの漁獲枠の設定を行わせる。水産庁は、環境省が許した枠の中で個別に枠を割り振る業務を行えばよい。

2017-06-26 19:30:32
緑城雄山 @midorinojou

【未来に向けて4】実際、絶滅危惧種をどう絶滅から回避させるかは自然保護問題としてのウェイトの方が大きい。また、絶滅危惧種でなくても水産庁にこのまま資源管理をやらせていると、乱獲を止められずに太平洋クロマグロ以外にも様々な種類の魚を絶滅に追いやってしまいかねない

2017-06-26 19:32:41
緑城雄山 @midorinojou

【未来に向けて5】少なくとも、長年の間に乱獲によって漁獲量を現在進行形で減らし続けている水産庁は、到底その役目を果たしているとは言えない。また、WCPFCでの対応も含め、そうされてもやむを得ないほどの失態を水産庁は犯し続けていると言わざるを得ない。

2017-06-26 19:35:51
緑城雄山 @midorinojou

【未来に向けて6】もう一つは、漁師や水産会社、そして消費者が意識を変えていくことである。「不漁の際に技術を尽くして漁獲量を確保する」のではなく、「漁獲量が少なくなったなら漁獲圧を減らして資源を回復させる」と言う考え方ができるようになっていく必要がある。

2017-06-26 19:39:50
緑城雄山 @midorinojou

【未来に向けて7】今までの乱獲を乱獲と認めずに、前者の考え方をしているままでは、ただでさえこれまでの乱獲で減っている資源が獲りつくされて回復不能なまでに枯渇してしまう未来しかない。

2017-06-26 19:43:48
緑城雄山 @midorinojou

【未来に向けて8】漁獲を抑えるのは確かに関係者に痛みを伴うだろうが、資源を壊滅させてしまったなら関係者はその時点で生業を続けていくことができなくなる。また、この21世紀に資源を枯渇させ種を絶滅させたというスティグマは日本国、日本人全体が背負うことになってしまうのだ。

2017-06-26 19:50:38
緑城雄山 @midorinojou

【未来に向けて9】その上で個別の対策についてだが、クロマグロに関しては大西洋の成功事例があるし、漁業全体についても日本以外の世界はノルウェーなどをはじめ成功しているのだから、それらの例から方策を学んで柔軟に取り入れていけばいいだろう。これは、決して難しい話ではないはずだ。

2017-06-26 19:54:48
緑城雄山 @midorinojou

【未来に向けて10】そして、太平洋クロマグロについて具体的な方策を出すならば、以下が挙げられるだろう。 ・産卵期の完全禁漁成魚基準を1m前後まで引き上げ、かつ未成魚の漁獲枠を0近くまで削減巻網の大幅な漁獲枠の削減漁獲枠の個別割り当ての導入違法操業の厳格な取締り

2017-06-26 20:01:44