オポオッポ県とヴォルタニヤ県の闘いの記録～オポオッポの歌～

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori そうそう、ツォレフの話でしたね。舞台はまた戻ります。ツォレフはその日、山奥から買い出しのためにふもとの街へ行こうとしていました。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 父と母の名前が刻まれた庭の隅の小さなオブジェに花を添え、安全と商売繁盛を祈ります。勇者の末裔は工芸品を作り、それを売って生活していました。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 危険な運河近くに出ないようにどちらかの県を目指せばいいだけ。ツォレフは木の枝を投げ、それが向いた左の山道をくだって行くことにしました。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori ツォレフにはオポオッポもヴォルタニヤもありませんでした。山道を左に行けばオポオッポ、右に行けばヴォルタニヤ、ただそれだけです。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori ツォレフの行く先に数人の兵士が現れました。兵士の先頭には立派な飾りをつけた鎧の男。ヴォルタニヤにその人ありと言われたティアントスタ将軍です。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori さあ勇者よ我が県にと誘うティアントスタ。困惑するツォレフ。そしてその背後にはまた別の一団が近づいてきていました。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 元よりオポオッポに通じる道。勇ましき将軍は多少の危険を覚悟の上。ですがそこに参じたのは危険などという生易しいものではなく、死の神でした。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori そう、ティアントスタ将軍はヴォルタニヤでは慈愛の騎士と呼ばれた男。若いながらも紳士たる振る舞いと圧倒的な強さに、県民が与えた名でした。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori かたやルーヤも死神の名はヴォルタニヤから付された忌むべき名でしたが、絶大な魔力と時折見せる冷酷さにオポオッポでも死神と呼ばれていました。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 慈愛の騎士、対峙するは死神。手出し無用と単身斬りかかるティアントスタの剣が舞い、叩きつけられるルーヤの魔法。その場は神も動けぬ様相でした。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 神の存在を人が作ったのであれば、それを超える存在を作るのもまた人。人が語り継ぎ、作り出した勇者だからこそ、その場で一歩踏み出したのです。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 勇者とは勇気ある者。ただそれは勇気であり、決して無謀ではいけません。勇気と無謀の違いは何でしょうか。結果が伴うか否かだ、と誰かが言いました。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 魔王の脅威から世界を救った行為はまさに勇気の結果であること疑い無く、人の神は彼の者を、勇者を祝福しました。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 勇者に光が降り注ぎます。祝福であると勇者は考え、それ以上は望みませんでした。だから勇者は知らず、その末裔であるツォレフも知りませんでした。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori ルーヤの魔法がツォレフを襲いましたが、彼に魔法は効かなかったのです。それが人の神の祝福の力でした。しかしティアントスタの剣は止まりません。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 勇者と呼ばれた人が死んでしまったように、人の神の力もまた限りはあります。万能、不死…夢見ることは容易いものの、神にも叶えること能いません。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori ティアントスタの剣に倒れたツォレフが目覚めたのはヴォルタニヤの県の建物でした。からくも致命傷を避けられたのはティアントスタの業。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 詫びた後、ティアントスタは続けて請うようにツォレフに語りかけます。オポオッポとの戦い、死神ルーヤの脅威、そして「我らが仲間に」と。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 続きはまた。さて、オポオッポの話は他でも紡がれ始めました。二つの物語はやがて集結するでしょう。ムゥルゥムゥルゥヤー。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori さて死神ルーヤはどうなったでしょうか。彼女と配下の兵はオポオッポの長デスノディアクラッポッポタッポに一連の話を伝えるべく歩いていました。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori ツォレフを傷つけ、ティアントスタが動揺した隙に彼女はその場を去っていました。魔法が通じない不安定な要素は、彼女を不安にさせたのです。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 荒廃した丘陵にさしかかり、ルーヤは倒れている女性に気がつきました。女性はオポオッポ県民でもヴォルタニヤ県民でもありません。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori そんな事は勿論知らず、ルーヤは女性を運び介抱することにしました。奇しくもティアントスタが勇者を連れて帰ったのと同様に。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 勇者は所詮、掲げる旗の一つに過ぎないはずでした。伝説の勇者も我が県についているのだと、そんな鼓舞に使うだけのつもりでした。

まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @ExTomotti @fuwafuwanokuma @R_u_0725 @usphyni @zinori 魔王を倒したとは言え、それは先祖。しかも伝説は尾びれ背びれがつくもの。勇者とは大群を率いた将だったのではないかと、そんな話もありました。