神々と土のドラゴンの伝説~もうひとつのオポオッポとヴォルタニヤの物語

もうひとつの物語です。
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まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 別の本でも召喚について触れられている、そして召喚の魔法で異世界から人を喚んでいる…どれもこれも、一つ一つは小さな欠片。わずかで、不確かな情報の破片。

2017-07-16 08:25:18
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 『異世界から何かを喚ぶ』、そして『魔法の進め方に共通点がある』…女性は欠片を、破片を組み立てながら、魔王の島で本を読んでいました。

2017-07-16 08:26:59
そら。 @Sorakr314_

この人ついに違うツイートにオポオッポの話載せてる…!?

2017-07-16 08:27:44
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 女性はまた、勇者と魔王の物語を積極的に読んでいました。その書物は勇者側、すなわち人間が書いたものと、魔王側、すなわち魔物が書いたもの双方ありました。

2017-07-17 11:19:15
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 人間は魔王が大いなる恐怖を携え侵略してきたと記しています。魔物はやむを得ず魔王は人間の領地に手を伸ばさざるを得なかったと記しています。

2017-07-17 11:21:03
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou ただ、結果的に魔王が人間の領地…後のオポオッポ県となる大地に攻め込んだことは事実。女性はそう思い出しながら、書物を読み進めるのでした。

2017-07-17 11:23:18
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 今なお暴れている土でできたドラゴン。魔王の後継と呼ばれる存在。女性は少しずつそれを止める方法に近づくのでした。

2017-07-17 11:26:13
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 勇者の物語はそれは立派な装丁に包まれていました。ただ、書いてある内容も微妙に差があります。勇者はどこから生まれたのか?それすらも諸説ありました。

2017-07-18 23:32:18
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou もっとも多い説は世界の成り立ちであらわれた巨人と同様に、異世界から来たというもの。勇者という名高き存在に、さらに夢のある設定まで。いかに人々が心酔したか分かります。

2017-07-18 23:36:37
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 女性は本を閉じました。知識は長き時間で蓄えられ、今こそ旅立ちの時。女性はオポオッポに向かいます。土のドラゴンを倒すために。

2017-07-18 23:40:35
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 運命とは時として奇妙なものです。土でできたドラゴンを倒す準備の為旅立った女性は、まさにその途中で土でできたドラゴンに遭遇してしまいました。

2017-07-19 23:58:06
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 荒れ狂う土と砂。女性は為す術もなく吹き飛ばされ意識を失いました。ただ、その力には懐かしい魔力も感じました。あの人の魔力。絶大なる魔力。

2017-07-20 00:00:03
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 倒れた女性にやがて近づく影がありました。オポオッポ県の死神と呼ばれた魔法使い、ルーヤその人でした。

2017-07-20 00:01:26
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou オポオッポ県の荒れた大地で、ある時水源が見つかりました。人々はその貴重な場所をメナスと名付け、聖域として扱いました。

2017-07-20 23:25:56
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou その聖域を土でできたドラゴンが襲ったのです。水はたちまち枯れ、その源もドラゴンの魔力により封印されてしまいました。オポオッポの人々はそれをツグメナスと呼びました。

2017-07-20 23:30:06
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou ツグメナスの封印を打ち破ることは、土のドラゴンを打ち破るに等しく困難でした。オポオッポの人は、そうして数々のものをヴォルタニヤから得る方向に動き始めてしまったのです。

2017-07-20 23:33:03
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 人の神は勇者を祝福しました。ただそれでは不公平だとは感じませんか?この話には他にも神が出てきます。そう、魔の神です。

2017-07-22 00:26:31
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 魔王と魔物は特に悪ではありませんでした。異形の種族だったというだけです。さらに言えばその中でも魔王とその妻は、人間に限りなく近い姿をしていました。

2017-07-22 00:29:45
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 魔王と妻は魔の神からまず不老不死を与えられていました。いえ、与えられていたはずでした。少なくとも魔王のその不死は勇者により否定されています。

2017-07-22 00:33:08
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 魔王が倒された時、人の神は勇者を祝福しました。…魔の神は果たしてそれをただ許して見ていたのでしょうか?

2017-07-22 00:34:55
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 人の神の祝福の裏、魔の神は今にも朽ち果てんとしていた魔王の欠片から純度の高い魔力を取り出し、それを呪われし土に与えました。

2017-07-22 22:26:53
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 土はたちまちドラゴンとなり、より力を蓄えるため、人知れず彼方へ消え去っていきました。

2017-07-22 22:28:39
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou この一連の憎しみに満ちた魔の神の戯れを、たった一人、いや、たった一つの存在だけが見ていました。

2017-07-22 22:31:21
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 異形のものではなく、人間の女性に似た風体の為勇者の剣も戸惑ったか。魔王の妻に放たれていた勇者の一撃は僅かに急所を外れ、瀕死ながらも彼女は生きていました。

2017-07-23 19:46:44
まっくろくろいの @makkurokuroino

@makkurokuroino @MatudairaSakura @monokuroningyou 魔王と勇者の戦いの前に敗れ、気を失っていた彼女が這いつくばってたどり着いた先で見たものが…消滅していく最愛の存在と、その魔力を吸い、ドラゴンと化した土くれでした。

2017-07-23 19:49:21