鉄道・自転車趣味文化が急激に廃れた理由は「悪しき古さ」に回収されてしまったからではないか

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高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

自転車界隈にこの頃勢いがない。ロードバイクも2000年代であれば、都会の家電店に新品が展示されるほどの人気ぶりであった。凄くわかりやすく言うと、2000年代のゲームショップで、体験版を無料で遊べるような感じ。

2017-07-19 20:43:09
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

自転車文化がなぜ廃れたのか。それは彼らが良くも悪くも既存の常識にとらわれない若者的な存在から、目まぐるしい勢いで「悪しき古さ」に回収されたからではないか。それこそ都会で見かける自転車の利用者の多数派のことを考えてほしい。自転車って意識高い系向けの乗り物じゃないか

2017-07-19 20:45:15
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

自転車離れは以前から進んでいるもので、私も高校時代に自転車で郊外に行った時には若気の至りでいじめレベルの迷惑を被ったほど自転車は嫌われていた。つまり現在であれば、若者どころか30代くらいの人でさえも「自転車は古い乗り物」と嫌悪するわけである

2017-07-19 20:48:06
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

その自転車利用者に何かと中高年が多い。川崎市内や横浜市内を歩くと、昔の文化のリバイバルのような中高年の自転車が列を作っていたり、一昔前なら自転車に乗っていたような高校生が自転車を使わなくなったりすることはしょっちゅうだ

2017-07-19 20:50:50
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

鉄道や漫画や制約旅行みたいな昭和から続く「保守的な空間」の中に、自転車趣味は実に溶け込んでいる。それはつまり、国際化の産物であるはずの英語がいつの間にか日本の事実上の国語として定着したように、自転車趣味が古さに回収されてるということだろう

2017-07-19 20:54:10
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

自転車カルチャーの全盛期に「意識高い系」がやたら注目されたのも思い出す。例えば高学府卒の若手エリートのアート集団は、いかにも意識高い系サブカルが好きそうな映像表現で有名だったが、ロキノン系に被れた学校の同級生が「彼らは日本のピクサーだ」と絶賛していたのを思い出す

2017-07-19 20:55:03
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

しかし、チームラボはその後、NHK的な空間に接近していった。たとえば紅白歌合戦、大河ドラマといった、それこそ昭和から惰性とマンネリで続いている固定視聴者のための番組でCG表現を担当したりした。これはまさに意識高い系の「古い日本化」の象徴ではないかと私は思っている

2017-07-19 20:55:52
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

もう1つが、古いサブカルと新しいサブカルのバトルが起きたことだ。以前にも書いたが、アニメ・オートバイ系は最近になって若返りが進んでいるのに対し、鉄道・自転車系は一番若くて20代程度と、世代交代が止まってしまった。

2017-07-19 20:59:16
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

私は昭和末期生まれだが、両者が重なるくらいの位置が迫っているので、その微妙な温度差を少しわかっている。で、30~60代でへたすりゃ勝ち組である「論客」たちが、現役の若者や新しいサブカルの住人相手にムキになってバッシングしていた光景の愚かさに幻滅したのだった

2017-07-19 21:01:28
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

「若返りした文化」といえば一昔前であればそれこそオタクのイメージで、現在では渋谷系などが代表格だが、女性オタクの台頭以前までは、中性文化的な集団だった。もっとストレートにいえば逆張り文化と懐古趣味を混同したようなサブカルだ

2017-07-19 21:05:05
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

古い世代が停滞しだしたのは、それこそアニオタ世代が就職した頃である。意識高い系の若い世代としてちやほやされていた鉄道趣味とかが、もっと若い世代がストレートに文化にぶつかっていくアニオタを年長目線で冷笑しつつ、囲い込みと応酬合戦に必死になってる様が、私には哀れに見えた

2017-07-19 21:06:58
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

つまり彼らの旧世代化である。団塊世代のように、下の世代が台頭することで陳腐化したのである。余談だが、自転車趣味や鉄道趣味の勧誘みたいなのが、「意識高さ」をアテにしだしたのもこの頃である。最先端的なイメージだった彼らも、もはやダサい側に堕ちてしまった

2017-07-19 21:08:45
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

旧世代系サブカル界隈が支配層と近接したのは2000年代の「ネオリベ景気」にきっかけがある。今となっては都市の片隅で細々と活動してそうなイメージの鉄道趣味や自転車が、自公政権のシンパみたいな支配層からちやほやされていたのである。時代は変わった

2017-07-19 21:11:16
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

ネオリベ破綻後も、支配層とのパイプは依然継続し、ネオリベの抜けた穴に復古主義という、安倍政権やトランプのキナ臭いものを連想する4文字が埋まった。旧世代系サブカルの思想が観光列車や弱虫ペダルなどで持て囃されることも増えた。そこまでくると完全にナウな世代とはいえない

2017-07-19 21:14:14
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

かくして彼らが旧世代化し、悪しき古さにばかり向いていき、若者の人材を集めるとしても、つい最近までヤンキーが生きていたような地域で学生暮らししてるような人たちしか相手にできなくなっていったわけだが

2017-07-19 21:16:20
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

世界的なトレンドを見ると、社会風刺路線こそが先進国に勢いがあるのが事実であるように感じる。千と千尋の神隠しの元ネタだという反女性搾取ネタを用いた作品は欧米で活発になったし、同じアジアでも台湾・香港・韓国で政治運動にアニメや漫画が利用される流れが続いた

2017-07-19 21:22:17
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

一方オートバイ方面では三輪車(125cc)がブームになっている。宅配便や郵便バイクなどで採用される流れが起きている。同じ道路の乗り物でも三輪バイクと近い領域に、連接バスや電動バスがあったりする

2017-07-19 21:25:55
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

こうしたリベラリズムは、音楽ジャンルでいえばEDMとシンパシーがあると思う。Youtubeとか、スマホのアプリ配信サイトでの最新有料曲を見ていても分かる。一方、鉄道や自転車系は途上国や先進国の田舎と層が被り、要するにロードバイクや観光列車に100万円もつぎ込むような連中だ

2017-07-19 21:29:25
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

法律や政治体系が違えどもBRTやMRTが世界の先進国の都会ならどこでも同じように出来ているように、今のリベラリズムは文化ですら国境がない。政治で例えれば新自由主義を否定しつつ国際化を肯定しているのである。一方、鉄道や自転車系の方がよほどガラパゴスになっていないか

2017-07-19 21:31:17
高山直人(憂鬱な魔シ去天使、むっちの先生、文筆業兼挿絵作家兼編集系にチェンジ) @naobotaka_magi

鉄道の「意識高い系路線」は女性専用車両が復活しだした頃よりも遥かに進んでいるようだが、そのうち鉄道の流動客を支える「外国人客」の代替物に「意識高い客」がなったりするんじゃないかと思う。地方の車社会が自転車社会に、都会の公道から自転車が消える日は遠くないと思う

2017-07-19 21:33:28