札幌交響楽団(札響)2011年3月定期 マーラー:交響曲第7番

札幌交響楽団(札響)2011年3月定期の感想まとめです
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高関 健 @KenTakaseki

GM7/Kubik新校訂版(試刷)を読み始める。07年群響で演奏の際、博士に問い合わせたが、質問事項に一つ一つ丁寧に○×で回答して下さった。まだ数ページを読んだに過ぎないが、一見して63Ratz版からは大きく違う。初版、自筆稿ファクシミリと共に比較検討を進め、演奏に反映させたい。

2011-01-31 10:23:57
高関 健 @KenTakaseki

GM7(続き):63Ratz→Kubik新版での重要な相違点は、これまでの博士との○×で概ね解決済みで、演奏に使うパート譜にも書き込んである。しかし○×の対象に上らなかった点について、さらに新しい判断が多くある模様。可能ならば校訂報告のゲラも読んでみたい。

2011-01-31 10:54:53
高関 健 @KenTakaseki

訂正です。63Ratz×→60Ratz◎ 初歩的なミスでした。

2011-01-31 11:21:13
高関 健 @KenTakaseki

午前中に「もしや?」と考えて、IGMGのKubik博士に「3月の札響での演奏に先立ってGM7の校訂報告を読んでみたい。」と連絡。すると先ほど、折り返し校正中の原稿をなんと全文送って頂く。30ページを超える充実の内容。ドイツ語なのでゆっくり読まなくては…。博士のご好意に深謝する。

2011-02-01 00:18:44
高関 健 @KenTakaseki

GM7/Kubik博士の校訂報告:楽譜の個々についてのコメントの他に、「演奏の実際について」詳しい解説が。特に第1楽章の付点-複付点、楽器の選択、マンドリンの奏法、パートの重複、舞台上のオケの配置(対向)など、重要な項目について論じられている。実際の演奏に役立てるつもりだ。

2011-02-01 00:50:33
高関 健 @KenTakaseki

GM7‐Ⅰ:付点-複付点の問題。1909年、AmsterdamでGMが演奏した際のMengelbergスコアの記録、当時の楽員の報告。GMはフランス風序曲のように「いつも短く詰めて演奏していた。」スコアは音価を厳密に決定していないので、「演奏家が決定すべき。」Kubik氏の見解。

2011-02-01 11:19:32
高関 健 @KenTakaseki

GM7-Ⅳ: マンドリンのトレモロについては、すでに60Ratz版の校訂報告でも触れられている。Mengelbergスコアに「2分音符、4分音符はすべてトレモロ。8分音符は単音で。」の書き込み。Abbado/Luzernの演奏は、Kubik氏の見解が実践されている。ご参考までに。

2011-02-01 11:45:20
高関 健 @KenTakaseki

GM7:Tenorhornについて、GMが正確な音色に対する好みと知識を持っていたことをKubik氏の記述で再確認。第6交響曲でも当初Tenorhorn, Tenortuba, F-Basstubaを追加。自筆原稿にその痕跡が残る。円錐管独特の円やかな響きを生かそうと試みた。

2011-02-04 11:19:35
高関 健 @KenTakaseki

GM7Ratz版は60年出版。LBは65年にNYPhと演奏、録音している。手許の輸入盤LP2枚組ではRatz改訂版による演奏であることを大きく謳っている。公開されたLB書込みスコアは表紙に「改訂版」と表記。しかし内容は旧版で改訂部分を手書きで訂正。現行のスコアと所々相違する。

2011-02-07 20:24:52
高関 健 @KenTakaseki

明日から時間を見つけてGM7/Kubik新校訂版(NKG)のチェックに入る。自筆譜Facsimile、初版、訂正書込みの初版、60Ratz版に加え、NYPhのスコアも閲覧できるので、より詳しく調べられる。来月札響での演奏に向かって、現時点での納得のいく演奏版を作れるかもしれない。

2011-02-07 20:36:51
高関 健 @KenTakaseki

GM7:Kubik新校訂版を読み始める。校訂報告に記された大きな相違点は約250個所。その多くは2007年すでにK博士に確認済み。詳しくチェックできたのは最初の20ページほどだが、ページ毎に細かい違いを確認。演奏版へ加筆する根拠を裏付けるものだ。分量が多いので時間が掛かりそう。

2011-02-09 16:15:48
高関 健 @KenTakaseki

GMの演奏におけるMengelbergの業績を無視することはできない。Concertgebouwでの自作自演の際に、WMは事前練習を綿密に行い、GMの練習には必ず出席して、作曲家の指示を細かく自分のスコアにメモした。NKG編集作業において、M-DPは重要資料として評価されている。

2011-02-11 10:21:07
高関 健 @KenTakaseki

GM7:NKGの編集でも第5、第6と同様、Kubik博士はM-DPから多くの変更を採用。しかし自身が大指揮者でもあり、後にGM作品を多く演奏したMengelbergのスコアには、GMに拠らないWM自身による変更が含まれている可能性もある。その部分の分離に充分留意する必要がある。

2011-02-11 10:30:04
高関 健 @KenTakaseki

GM7:NKG試刷版。現行の60Ratz版との違いは予想以上に多い。細かいことばかりなので、実際の演奏への影響は少ないが、一度引っ掛かってしまったことは、できれば確認したい。自筆稿Facsimileも確かめながらの作業なので、進捗は非常に遅くなっている。

2011-02-12 11:34:49
高関 健 @KenTakaseki

GM7/NKGの検証作業。一日掛かって漸くⅠ-470(p. 67)まで。Ratz版との相違点は他のNKG(No. 2, 5, 6)と比べて格段に多い。第7は以前の作品に比べ表現方法や書法の進境が著しいので、納得の行くまで検証を続けたい。細かい検証により作品の理解も進むと信ずる。

2011-02-13 18:42:26
高関 健 @KenTakaseki

夕食でほとんどお酒を飲まなかったので、GM7/NKG第1楽章の最後までチェックを終える。Ratz版との相違は第1楽章だけで300個所を超える。NKGの中で記載を落としたり忘れたと考えられる10個所、疑問の残る判定が30個所。いずれもKubik博士に問い合わせてみるつもりである。

2011-02-13 23:50:51
高関 健 @KenTakaseki

GM7/Kubik新校訂版が正式に出版された模様です。IGMGとBoosey & HawkesそれぞれのHPの出版リストに載るようになりました。私も先ほどB&Hに注文を出してみました。

2011-02-15 10:34:51
高関 健 @KenTakaseki

GM7/NKG:編集の底本になったのは初版スコア。多くの誤植や欠落が見られるが、自筆稿の完成から印刷されるまでの様々な段階での訂正や変更が最も多く含まれる。続いて自筆浄書原稿、写譜師による版下、初版スコアに添付された「訂正および変更表」、WM所有のスコアが二次資料として検証。

2011-02-15 23:31:37
高関 健 @KenTakaseki

GM7では、管弦楽化された下書き原稿(Entwurf)のうち第2楽章以降が戦災により失われ、GMに届けられた初版スコア(訂正や改訂の書込みを多く含む)が紛失して、NKGの編集作業に大きな困難をもたらした。Almaのもとに残ったはずの多くの資料が散逸していることは非常に残念である。

2011-02-15 23:32:51
高関 健 @KenTakaseki

GM7では、管弦楽化された下書き原稿(Entwurf)のうち第2楽章以降が戦災により失われ、GMに届けられた初版スコア(訂正や改訂の書込みを多く含む)が紛失して、NKGの編集作業に大きな困難をもたらした。Almaのもとに残ったはずの多くの資料が散逸していることは非常に残念である。

2011-02-15 23:32:51
高関 健 @KenTakaseki

GM7/NKGのチェックは本日第2楽章まで終了。これまでのKubik博士とのやり取りで教えていただき、変更したところはすべて含まれる。自筆浄書原稿(Facsimile)にはっきり書かれているのに、製版までの段階で見落とされ、印刷されなかった事柄が多いことに改めて驚く。

2011-02-15 23:34:10
高関 健 @KenTakaseki

GM7:初演(1908年プラハ)は手書きのパート譜が使われた。練習が終わるたびにGMはパートを集めてホテルに持ち帰り、毎晩一人籠って書き込みを繰り返していたという。翌年オランダでの再演の際にも、この手書きパートが使われた可能性が大きいが、これも現在は行方知れずとなっている。

2011-02-15 23:55:02
高関 健 @KenTakaseki

不十分な資料をつき合わせての編集作業。Kubik博士はNKGの中で「現在残された資料から判定できる最終の段階を提示することを目的とする。GMがもっと生き長らえ再演の機会があれば、確実にもっと多くの改訂、変更を加えたに違いない。」この先は演奏する側の判断に委ねられると私は考える。

2011-02-16 00:08:55
高関 健 @KenTakaseki

自筆原稿など原資料を調べ、残された楽譜の整合性を検証する。多くは重箱の隅の隅をつつくような細かい作業であり、作品の本質に係わるようなものではないだろう。しかし繰り返すことにより、書法や癖が解ってくることがある。結果として創作中に作曲家が頭の中に浮かべた響きに近寄れるように考える。

2011-02-16 00:22:45
高関 健 @KenTakaseki

丸一日をかけてGM7/NKGのチェック。漸く全曲を終了。校訂報告、初版、Ratz版、自筆ファクシミリを参照。大きな相違点はすでに把握していたが、それでも他の作品に比較して変更は格段に多い。単調な作業だが、改訂の段階の理解には欠かせない。作曲者が聴いていた響きに近づきたいのだ。

2011-02-19 00:57:22
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