20110320「エクストラ・スーパームーン」ツイノベ祭り
- twnvday_bot
- 1311
- 0
- 0
- 0
#twnovel 部屋の明かりを消し、テレビを消した。信号がついているからまだ停電じゃないのだろうけど、夜が暗く感じる。本来あるべき夜の暗さはこちらで、いつものほうが夜らしからぬ明るさなのだろうと悟った。月がとてもきれいだ。などと考えても、このぎっくり腰は治まらない。
2011-03-17 20:15:49冷たい夜の中で、声を上げて泣いている人がいた。歩く度にぱきぱき氷の音がする。遠吠えのような泣き声がしくしくと刺さる。何も言えずに母と黙って自転車を引いた。ふと見上げる、こんな時でも月は綺麗だ。冬の、幾分不気味な月だった。 #twnovel
2011-03-17 23:03:04夜が近づいている。風の強いスカイビルの屋上から見下ろす街は、すでに夜の気配を漂わせていて、刻一刻と迫る君の旅立ちに僕を焦らせる。さよなら。私は、月へ帰らなければ。そう言って君は微笑んだ。見下ろす僕と、見上げる君と。今夜、満月。#twnovel
2011-03-18 08:06:04#twnovel 月に放たれた焔の残滓を肌で感じて夜の冷たさを知る。灯を失った人の弱さは改めて驚く程で、獣であることを捨てた報いがここにあるのかと錯覚してしまう。誰も彼もが毛布を被って震えている様子は、月から見れば滑稽に見えるのだろう。故に、三日月は徐々に満月へと変わりゆくのだ。
2011-03-18 18:23:1620日の午前3:10に満月になり、その1時間後の4時9分に月が最も地球に近い所を通過します。19年ぶりに地球と月の距離が最短距離なことから『エクストラ・スーパームーン』と呼ばれています。いつもの満月よりも10%近くも大きく見えるそうです(*´ω`*) #moon
2011-03-18 20:18:17#twnovel 今夜もまだ寒いね。でも、お月さまはふんわりと、まるくかすんでいるし、風にはかすかに花のかおりが混じっている。ほら、この前の満月はまだ冬の月だったもの。その頃に比べると、確実に芽吹きの季節を迎えようとしているんだよ。
2011-03-18 22:59:27節電を生業にしている。……のだが、最近は出番がなくなってきた。節電も慣れてくると点けっ放しが気になってくるという。無駄をなくすとお金も節約できるしな。おっと、夜なのに随分明るいじゃないか。誰だい、こんなに遅くまで。明日の予行演習? 19年振り? あぁ、満月かぁ。 #twnovel
2011-03-19 00:05:07ある所に太陽がいました。「輝かなきゃ!」と毎日頑張っていました。ある日、雲が言いました「悲しい時は泣いて良いよ。僕が隠してあげるから」月も言いました「疲れたら休んで良いんだよ。変わりに私が照らしてあげるから」そうです。太陽は今まで一人で頑張っていました。#twnovel
2011-03-19 00:25:15けれどこの世界には、月も雲も風も海も大地も木も花も虫も…沢山いたのです。みんな太陽に感謝していました。それと同時に心配もしていました。それから日が暮れ雨が降るようになりましたが誰も文句を言いません。「あなたの笑った顔が一番輝いてる」今日も世界は優しさが溢れています#twnovel
2011-03-19 00:25:25った次の瞬間、引き裂かれた壁の向こう側から、土煙りと金属の軋む音をたて、何かが、僕のいる部屋の中心に向ってきた。その音瓦礫を割るようなを聞いた僕はその時、 「双刀、円月を転送」 と言う、何だかゲームに出てきそうな言葉を口にした。が、なにも現れなかった。 #twnovel
2011-03-19 01:06:10「近いうちに最大で大きな満月が見られるらしい」夜も更けそうなときに先輩から電話。「十九年ぶりみたいですね」十九年前、わたしは生まれていない。月が最も地球に近くなるらしい。インターネットで調べたら出てきた。「お前は月が綺麗ですねと言う言葉を知っているか?」「はい」 #twnovel
2011-03-19 02:33:56夏目漱石が『I Love You』を訳した言葉が『月が綺麗ですね』だ。「その時に告白出来れば……」先輩は好きな人に告白するつもりらしい。言うと想っていたのでわたしは考えておいたつっこみを告げておく。「最大で大きな満月ってまず言葉が被ってます」「それか」 #twnovel
2011-03-19 02:35:44「それと大きくなるのは午前三時ぐらいから四時ぐらいまでなのであの人、まず寝てますよ」「それもそうだな」「それにあの人寝起き悪いです」「知っている」「と言うことで先輩、普通にお月様の力を借りずに告白しましょう」「出来るか!」「やるんですよ!」 #twnovel
2011-03-19 02:37:34「やるのか」未だにうだうだ告白してない先輩を崖下に突き落とすかのような気持ちで、わたしは押し切る。相談に乗るのも飽きてきたというかぐだぐだしすぎだと自分で想った。「少しならお月様パワーを借りても良いから明日やりましょうね!」言って電話をきる。明日が楽しみだ。 #twnovel
2011-03-19 02:40:13お陽さまがいないと空は泣いちゃうの…親雲子雲いっしょに崩れるの…はなさない約束に虹をかけたのに…渡る前に消えてしまったの…満月に満ちた想いは諦めきれずお星さまになってみんなを照らすの… #twpoem #twnovel #kokolo #kibou Fight!
2011-03-19 06:37:40頭痛が段々酷くなってくる。近づいてきている証拠だ。ずきずきする頭を押さえながら、不思議な魔女は水盆が波打つのを眺めている。体内の水分までもがざわつくのが判る。大きな月が満ちる。19年に一度のExtra Super Moon。このタイミングを逃してなるものか、と。 #twnovel
2011-03-19 08:38:40#twnovel 膨大な電力を生む方法が発見された。しかし副作用として周囲に生物が住めなくなってしまう。悩んだ結果、月に施設を置き電線を地球へ引くことになった。困難な計画は成功し、人類は科学の勝利に酔いしれた。一方月でウサギたちが苦悶の表情で死んでいったことは知られていない。
2011-03-19 14:25:25今日は計画停電がないからって節電を怠ってはダメよ。 今宵はフルムーン。19年ぶりに地球と月の距離が最短になり、通常よりも14%大きく30%明るい満月が見れるの。 だから今日は電気を消して月を眺めなさい。そして隣にいる人に「月が綺麗ですね」と言うのよ。
2011-03-19 17:18:05#twnovel 煌々と輝く月を目指して、船はその身を大きく揺らす。人々の希望を糧として、絶望の波に曝されながら。 飛べない船はただの島。 カモメたちは船首で羽を休めながら、一喜一憂する乗組員たちを哀れに思う。 船はまだ、沈まない。 夜空の月はまた、今日も揺られる。
2011-03-19 19:04:47落ちてきそうな月ってきみは言う。おつきさまってどんなあじがするのって本があるよね、とわたしが返す。月がぐぅんと近づいて、大きなうさぎが跳ねている。どんな味がするんだろう。チーズ蒸しパンぽいのかな。・・・どうか、落ちてきませんように。 #twnovel
2011-03-19 19:22:43#twnovel 満月だ。口腔に水が充ちてくる。咄嗟に見える物をと探した。大きな魚の影。もう駄目だという思いと、主の存在の心強さを綯い交ぜ、顔を夜空に向けた。塩辛い滴が顔を伝い落ちる。四つ足が大地を踏む感触に、私はほっとした。水面では、魔法のコンパスが光絶えず道を指差している。
2011-03-19 19:35:19