多国籍軍、リビアへの軍事介入を開始。

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fj197099 @fj197099

悪名高いトンキン湾事件を契機にヴェトナム戦争に突入し泥沼化したことを反省した議会は1973年に戦争権限法(合同決議)を採択し大統領権限の制約を図った。その後の大統領はこの規定を憲法違反として容認していないが、しかし実際には規定に従った行動を採っている。リビア空爆は問題ない事例だ。

2011-03-23 15:12:05
fj197099 @fj197099

ただし、米国議会はご存知のように党派間の対立が先鋭化しており、FY2011の予算を巡り民主・共和の折り合いの付かない状態が続いているから、米国の利益との係りの薄い人道的干渉たるリビア空爆に対する武力行使授権決議が簡単に通るとは思えないのも事実である。これは予算面での重石となる。

2011-03-23 15:15:28
fj197099 @fj197099

仮に今後、60日以内に議会から武力行使授権決議を得られないとすると、米軍は作戦状況の如何に係らず撤退を開始しなければならない(撤退期間が別途30日間認められている)。おそらく今回オバマ政権は議会に武力行使授権決議を求めることなく米軍の作戦を完了させるつもりなのである。

2011-03-23 15:17:19
fj197099 @fj197099

この辺りに米国が急いで多国籍軍の指揮権を自国から英仏を中心とする欧州勢力に委譲しようとしている事の理由があるといって良いであろう。米国は空爆開始を主導はしたが、内心は一刻も早く手を引きたがっているのである。米国が「保安官」の役割を果たさ(せ)ない、そんな時代に世界は来てしまった。

2011-03-23 15:22:15
fj197099 @fj197099

【リビア空爆】リビア多国籍軍、作戦の目標定まらず、飛行禁止区域長期化も(http://t.co/TSnVXpF)…これが人道的干渉のジレンマの一つ。「正統な」軍事力行使であるためには地政学的野心が限定的でなくてはいけない。しかしそうなると軍事行動に積極的な国家が存在しなくなる。

2011-03-23 19:59:36
fj197099 @fj197099

リビア攻撃「国連決議を逸脱」ロシア外相が批判(http://t.asahi.com/1t12)…ロシアは国連安保理決議に書いてあることをまともに読めない国家であるらしい。それは民間人を保護するために必要なあらゆる手段を容認している。無論、そのなかには状況次第で体制転換も含まれる。

2011-03-29 00:32:46
fj197099 @fj197099

リビア飛行禁止区域設定を巡り生じていることは国際関係では真にエポックメイキングな出来事なのだが他にも関心事があり過ぎてつぶやく余裕なし。しかし人道的干渉と体制転換の関連や、「正しい戦争」を主導はするが本格的には関与しない「オバマ・ドクトリン」の是非などは極めて重要な論点である。

2011-03-31 00:19:06
fj197099 @fj197099

リビア空爆における米国のリーダーシップはソフトパワーの観点からはまことに素晴らしいものがあった。人道的干渉という倫理的な正統性に基づき、国連安保理決議という国際法上合法な体裁を整えて、武力行使の多くは多国籍軍&組織(NATO)に任せ、初動の活躍が終わればさっと後に引く姿勢を採る。

2011-04-01 22:22:21
fj197099 @fj197099

ブッシュ政権のイラク攻撃とは正反対の姿勢であり、仮にこれを「オバマの戦争」と呼ぶにしても、そこに対米批判的な要素はごく僅かなものに留まるだろう。リーダーシップとしては見事。残された唯一の問題は、この種の軍事行動が全く米国の利益に適わず国民の支持しないものであるという事だけである。

2011-04-01 22:24:36
fj197099 @fj197099

米国が人道的干渉を主導したのは1999年のコソボ空爆に続きこれで二度目。当時は国務長官オルブライトが空爆を主導した。今回は同じく国務長官クリントンの他、国連大使のライスとNSCのパワーズが主導したという。皆、女性である。人道的干渉の軍事行動を主導するのは女性が多いのかもしれない。

2011-04-01 22:28:01
fj197099 @fj197099

紛争のエンドゲームがまるで見えない中、米国は今後リビアでどう行動してゆくつもりなのだろうか。既にNATOに指揮権は移譲し、裏方には回った。しかし英仏に任せても事態の改善は見込めないだろう。カダフィ派が盛り返せば再び人道危機になる。その時に再度、空爆という手段が採れるかどうか。

2011-04-01 22:33:14
fj197099 @fj197099

連邦予算の大規模カットを狙う共和党とりわけ茶会派の視点から言えばこんな戦争は金持ちの道楽のようなものだ。国防予算の調達に汲々としイラク・アフガン・日本で既に拘束されている国防総省とて受け止めはおそらく大して変わらない。議会は三ヶ月以内に武力行使容認決議を出せるのか。そこが問題だ。

2011-04-01 22:35:22
fj197099 @fj197099

1973年戦争権限法は大統領が議会の承認なく軍を動かすことを認めているが、60日+撤退期間30日の合計90日以内の議会の承認取り付けを求めている。それを超えた軍事行動は違法となる。米国の厳しい議会情勢を考えるに容認決議はおそらく出ない。米国は90日以内に問題解決を図る必要がある。

2011-04-01 22:37:55
fj197099 @fj197099

国際社会はしばしば米国の軍事行動を「単独主義的」で「傲慢」だと批判するが、そうした要素のない国際社会から見て理想的な米国のリーダーシップは米国民の目から見れば単なる自己犠牲を伴う利他主義に過ぎず、国民第一の思考に乏しい政治指導者として相応しくない振る舞いと写る。そこが皮肉である。

2011-04-01 22:41:47