蠍が00年代の東京裏世界で相棒を何度も変えて彷徨う話(※男女CP)

黒歴史時代に厨二要素をぶちこめるだけぶちこんだノワール物の構想があったのを思い出して語る
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774チップ @774tip

黒歴史で思い出したんですけど、昔ごく一部のパートだけを演劇の脚本にして、大部分を結末とともにお蔵入りさせた物語があるんです。登場人物に全員誕生日の設定があって、仮に主人公を蠍とする。00年代の東京を舞台に、裏の世界で生きる蠍が“相棒”を何度も変えながら彷徨う物語。

2017-09-10 02:24:17
774チップ @774tip

この相棒っていうのが問題でして、蠍は、一番最初の相棒である殺し屋の「水瓶」と何年か生死をともにしたあと、水瓶に死なれてしまうんですね。水瓶は超一流の殺し屋だったけど一般人の魚ちゃん(女の子)に恋をして組織を裏切ってしまう。

2017-09-10 02:34:41
774チップ @774tip

蠍は極力組織から水瓶と魚ちゃんを守ろうとするんですが、結局水瓶は別の殺し家業をミスって命を落とし、蠍は水瓶の死体を回収する羽目に。蠍は以後水瓶への追憶を抱えながら何度も相棒を替えて裏の世界で生きていくことになります。

2017-09-10 02:41:47
774チップ @774tip

蠍自身は殺し屋ではなくて、あくまでサポート役なんだよね。その後も天秤とか獅子とか、いろんな奴の相棒として立ち回るんだけど、あるとき今度は年下の「蟹」と組むことになって、この蟹が実は山羊ちゃん(女の子)と彼氏彼女になっており、そのせいで裏世界で身を持ち崩しかける。

2017-09-10 02:54:06
774チップ @774tip

実はこの山羊ちゃんが組織に命を狙われている娘なんだ。相棒に女が絡むと絶対にろくなことにならないと、水瓶の時から身に染みて思い知らされていた蠍は、山羊ちゃんにわざと逃げるよう仕向けさせて、彼女を逃がし、そして誰がやったか解らないようにして彼女を殺した。

2017-09-10 03:02:52
774チップ @774tip

でも、蠍が年下だからと舐めてかかっていた蟹は、数日後には山羊ちゃんを殺した犯人が蠍だという確証を得て組織から姿を消す。そこから蠍はさらに相棒を替える羽目になり、自分自身も蟹に命を狙われるようになった。次に相棒として付く形になったのは双子ちゃん。蠍にとって年下の女の子。

2017-09-10 03:08:45
774チップ @774tip

この物語では蠍自身は異性愛者なんだけど、彼にとって物語に出てくる女の子は悉く災厄をもたらすものなんだ。双子ちゃんは愛想の良くない蠍に相棒として一生懸命取り入ってくる。凸凹コンビなりに二人は相棒として成立していく。

2017-09-10 03:22:37
774チップ @774tip

だけど、ある日蠍はこの双子ちゃんが山羊ちゃんの友人だったことを知ってしまう。双子ちゃんは山羊ちゃんの復讐を果たすために銃が欲しかっただけなんだね。相棒なのに互いに騙し合いのような日々を送る蠍と双子ちゃん。そうこうしているうちに双子ちゃんは相棒の壁を乗り越えて蠍に迫ってくる。

2017-09-10 03:28:36
774チップ @774tip

蠍は、双子ちゃんと体の関係を持ってしまう。内心信じているわけではなくて、彼女を篭絡し支配するために。さらに隙を見て双子ちゃんに麻薬を盛り、双子ちゃんは蠍の支配下に落ちたかに見えた。そんなところへ蟹が双子ちゃんにちょっかい出してくる。「蠍を殺したいなら手を貸すよ」云々。

2017-09-10 03:42:48
774チップ @774tip

そうやって、ある日蠍は双子ちゃんにせがまれて、二人で冬の街をデートし、夜の人気のないオフィス街で双子ちゃんに銃を向けられて、逆に彼女を撃ち返して殺してしまう。蠍は防弾チョッキを着ていたけれど双子ちゃんは普通の女の子の服しか着ていなくて、双子ちゃんの銃には弾が入っていなかった。

2017-09-10 03:46:49
774チップ @774tip

蠍は双子ちゃんの銃に弾が入ってなかったことは知らなくて、彼女の死体を抱えて呆然とする。そこに携帯へ電話がかかってきて、蠍が出ると、蟹がげらげら笑って話しかけてくる。「相棒を殺した気分はどう?」蠍はここで初めて蟹を絶対に殺すと決意する。蟹はまた姿をくらます。

2017-09-10 03:55:47
774チップ @774tip

そうこうしているうちにかつて相棒をしていた天秤が、別件で組織と揉めだし、何者かに殺されかける羽目に。組織の中に疑心暗鬼が広まり蠍は組織のボスの身辺を守る役につかされる。ある晩、天秤と蟹がボスを殺すために雑居ビルへと押し入り、蠍はまだ組織側に残っている人間とともに死闘に身を投じる。

2017-09-10 04:05:10
774チップ @774tip

天秤は組織の人間と相討ちに。蠍は自分を殺しにきた蟹を殺して最後まで生き延びることに成功する。でも、組織はほぼ完全に壊滅してしまって、あとにはボスと蠍だけが残るんだ。ボスは一番最初に水瓶を見切り、事実上水瓶を死に追いやった人間でもあった。

2017-09-10 04:10:58
774チップ @774tip

蠍は最後にボスを殺し、組織の金をかき集めてスーツケースに詰め、単身空港へと向かう。そうやって、国際線に乗って、ゆっくりと飛び去って消えていくんだ。光のない漆黒の空の中へ。その先彼がどこへ向かうのかは誰にもわからない。話はそこで終わる。

2017-09-10 04:15:45
774チップ @774tip

いわゆるノワールものなんだけど、この蠍は水瓶という相棒に対して複雑な思いがあって、水瓶が女との恋愛に身を持ち崩して命を落としたことが原因で「俺は決して女に情をもたない」と決めているフシがあるんだね。

2017-09-10 04:52:20
774チップ @774tip

本当は水瓶に対して「死ぬぐらいなら恋愛なんかするんじゃねえクソッタレが」って心の底から言いたかったし、実際近いことも言ったのに、水瓶は自分の意思を曲げなかったから。水瓶が死んだ瞬間から、ただ生き延びることだけが蠍の曲げられない意思になった。

2017-09-10 04:59:30
774チップ @774tip

「俺はあんな死に方はしない」と呪文のように唱えて、まぶたを閉じればいつでもすぐに、水瓶の死体の前に立たされたあの日を思い出すような。水瓶の魚ちゃんへの恋は、あまり正しく報われたわけではなくて、それも蠍の生き延びようとする執念への素地になっている。

2017-09-10 05:11:02
774チップ @774tip

そうやって、相棒の死を何度も見たくなかったから、新しい相棒についてしまった女を殺した。そして相棒の女を殺したからには自分の女も、同じように殺すことができなくてはならなかった。

2017-09-10 05:22:34
774チップ @774tip

蠍は最後の相棒である双子ちゃんを多分少しは愛していて、女としても見ていた。でも女として見た段階で、同時に「いつか殺さなければならないもの」になってしまった。蠍と双子ちゃんとの関係性は大分狂っている。でも「最初の相棒の悲劇を繰り返さない」という意思は蠍の中で最後までぶれなかった。

2017-09-10 05:39:00
774チップ @774tip

脚本に起こしたの最初の水瓶が魚ちゃんに惚れて身を持ち崩すところまでだけで、あとはほとんど小説にも起こしてないという。でもこの捩じれた蠍と水瓶のキャラクターが大好きで、15年以上経っても資料なしで延々呟ける程度には作りこんだ

2017-09-10 06:17:27
774チップ @774tip

昨晩の話に出てくる水瓶がどんなキャラ造形かというと ・若干サイコパスみを感じさせる美形 ・身長160cm台後半 着痩せする細マッチョ 姿勢がいい ・帰国子女説があるが過去の詳細不明 時々世間の常識からズレた発言が飛び出す ・蠍に対しての口癖は「君とは◯◯が合わない」

2017-09-10 15:35:39
774チップ @774tip

・好きな音楽はクラシック ・愛用の銃はワルサー系 ・暗殺のエキスパートだがたまに見せるサイコパスぶりや天然ぶりが危惧され、上からは仕事時に庶民的なパートナーをつけるよう強く推奨されている。 そんな水瓶

2017-09-10 15:55:16
774チップ @774tip

これに対して相棒の蠍はというと ・フツメン(三枚目寄り) ・身長180cm台前半 固肥り系 気持ち猫背 ・コテコテな庶民派 守銭奴で食い意地が張っている。厚かましさが凄い。水瓶に比べて大分コミュ力高い ・水瓶が「合わない」って言ってきても「俺もだ」って返すだけで一切合わせない。

2017-09-10 16:27:12
774チップ @774tip

・好きな音楽とくになし ・愛用の銃はトカレフ ・元々密輸を手掛けるブローカーで、組織は取引相手のひとつ。水瓶に出会うまで人を殺したことがなかった 蠍はそんな感じの設定だった

2017-09-10 16:32:05
774チップ @774tip

庶民派蠍にとって初対面からいけ好かなさMAXな、お高くとまったクソ野郎の水瓶であったが、彼の対人殺傷能力は極めて高く、2人は成り行きでコンビを組んでとあるダイハード的状況を切り抜けるのである。蠍は自衛のために銃は使えるけど殺人を犯したことはなくて、水瓶にも反撥するんだよね

2017-09-10 17:24:35
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