フォビドゥンフォレスト５話「選ばれし者、選ぶべき者」 #24「妖の包囲網③」

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

雪を飛ばした大型は、その成否を確認するより先に幸川に飛び掛っていた。幸川は下がった動きをバネに一気に踏み込む。大型は身を捻って交わすが、幸川の剣先は顔を掠めた瞬間強く発光する。突き刺さるような光に大型が空中で仰け反っる。そこへ再度踏み込んでの一撃が顎から頭までを貫いた。 23

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「ふぅ」 幸川は左手で髪を撫で付ける。あえて一瞬視界を遮るようにして隙を見せたが、流石に安易な追撃は来ない。 「遅ぇぞ」 桐葉も同じ意図で双剣を手の中でくるくると回して見せる。 「ごめんごめん」 幸川は気のない返事を返す。実際、桐葉の発言は冗談だ。 24

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オオカミは雪壁を跳び越せるし、後方を空けたままでは軽く引き返せる。それを見越して通路に閉じ込め、頭上を弾幕で足止めし、接近戦最強格の二人を送り込んだのだ。櫓の隊員の再装填も終わった。これで西も片付くと思われた。だが、山小屋や本部は楽観視していない。雷牙の表情は硬かった。 25

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フォビドゥンフォレスト５話「選ばれし者、選ぶべき者」 #24 「妖の包囲網③」終わり #25 「妖の包囲網④」に続く