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予備知識なしから始める、 #東方アレンジのための音楽理論入門

予備知識皆無の人にも、東方アレンジを作るために必要な音楽理論が身につく(かもしれない)講座です。 このページには全7回分がまとめられています。
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misskeyに移住している岡津 @_okaz

【定義】 曲を支配する音のことを、今後「主音(しゅおん)」と呼びます。 また、主音と曲中で使う音によって曲の雰囲気が定まりますが、この組み合わせを総称して「調」、”key”といいます。 前回の説明で出てきたイ短調やハ長調は調の一種です。

2017-09-24 19:06:42
misskeyに移住している岡津 @_okaz

さて、前回の解説で使った演奏動画の例では、すべて白鍵で弾くために主音をラに移動させてイ短調に変えていました。そのせいで、原曲と調が変わる場合には雰囲気が変わってしまいました。カラオケに馴染みのある人なら「キーを変えた」と言った方がわかりやすいかもしれませんね。

2017-09-24 19:09:47
misskeyに移住している岡津 @_okaz

それでは、この主音を変える、つまりキーを変えるとどうなるかという話をしていきます。例として、前回使ったU.N.オーエンは彼女なのか?(twitter.com/_okaz/status/9…)を引き続き例に使います。

2017-09-24 19:12:19
過労続きの岡津 @_okaz

#東方アレンジのための音楽理論入門 先ほどの説明で(大体)と言ったのは、ほんのちょっとだけ黒鍵を使う場合があるからです。例としてU.N.オーエンは彼女なのか?を見てみましょう。上のデジタル数字が6.3とか6.4の時に黒鍵を弾いていますが、それ以外は全部白鍵のみで弾いています。 pic.twitter.com/79kuWYve34

2017-09-23 22:38:49
misskeyに移住している岡津 @_okaz

前回の動画では主音がラ、イ短調でしたが、実は原曲は主音がシ、ロ短調です。ラ→シは鍵盤上で見ると、黒鍵を1つ挟んで隣の隣の鍵盤ですね。 【定義】ここで、隣り合う鍵盤の間の距離を「半音(はんおん)」と呼ぶことにします。 つまり、ラ→シは半音2つ分の距離であるということです。

2017-09-24 19:16:57
misskeyに移住している岡津 @_okaz

イ短調の音の並びは「ラシドレミファソラ」でしたが、これを別の調に持っていくときは、全ての音を主音と同じ距離だけ動かします。平行移動のイメージです。例えばイ短調でのドは、ロ短調では半音2つ分上のレに当たります。また、イ短調でのミは、ロ短調では半音2つ分上のファ♯/ソ♭に当たります。

2017-09-24 19:22:07
misskeyに移住している岡津 @_okaz

まとめると、イ短調では「ラ-シ-ド-レ-ミ-ファ-ソ-ラ」という音の並び方だったのをロ短調に移調すると、「シ-ド♯/レ♭-レ-ミ-ファ♯/ソ♭-ソ-ラ-シ」という音の並び方になります。レ♭とレが共存しているのは面倒なので、このような場合黒鍵はそれぞれド♯、ファ♯と呼びます。 pic.twitter.com/iZTauj6cvH

2017-09-24 19:30:48
misskeyに移住している岡津 @_okaz

【定義】断りなしに「移調(いちょう)」という言葉を使ってしまいましたが、これはある調の曲の主音を移動させて別の調に持っていくことを指します。 それでは、イ短調(twitter.com/_okaz/status/9…)からロ短調に移調したU.N.オーエンは彼女なのか?を聴いてみましょう。 pic.twitter.com/Cwnjpwt7gM

2017-09-24 19:34:33
misskeyに移住している岡津 @_okaz

移調によって雰囲気の変化が感じられると思います。アレンジ曲ではこの移調を用いて雰囲気を変えるケースが多く見られます。例えばこの動画はメロディがレで終わっていることから、原曲より半音3つ分上のニ短調と判断できますが、これは有名なアレンジ曲「最終鬼畜妹 フランドール・S」の調です。 pic.twitter.com/xrPvgtJKdP

2017-09-24 19:41:53
misskeyに移住している岡津 @_okaz

キリがいいのでここで #東方アレンジのための音楽理論入門 第2回のまとめです。 ・主音を移動させるときは曲中の全ての音を同じ距離だけ移動させる必要がある。これを移調という。 ・移調によって曲の雰囲気が変わるのでアレンジを作る際には考えてみた方がいいかも?

2017-09-24 19:46:00
misskeyに移住している岡津 @_okaz

DTMをやるときは、移調、すなわち全ての音を同じ距離だけ動かす、という操作は大抵の場合簡単にできるので、とりあえずイ短調なり原曲キーなりの理解しやすい調で一旦打ち込んだあとにまとめて動かすとよいと思います。そうすれば黒鍵のことを考えずにすむので。 pic.twitter.com/QQnqsJaukQ

2017-09-24 19:54:10
misskeyに移住している岡津 @_okaz

TLで「短調と長調の違いが分からない」という感想が複数見られましたが、そんなときは白鍵だけで弾ける調に移調した時の主音に注目します。メロディの最後の音はほぼ確実に主音なので、メロディの最後の音がドなら長調、ラなら短調です。まあ東方原曲は現在のところ1曲を除き全て短調なのですが。

2017-09-24 19:57:28

第3回 「和音」

ちょっと高度だけどとっても大事な「コード」のおはなし。

misskeyに移住している岡津 @_okaz

ただいまやる気があるので早々に #東方アレンジのための音楽理論入門 の第3回を投下していきます。今回からは、第1回で例示した妖魔夜行(twitter.com/_okaz/status/9…)を取り上げて「伴奏」のことを考えていきたいと思います。

2017-09-24 22:08:40
過労続きの岡津 @_okaz

#東方アレンジのための音楽理論入門 その理由は、「白鍵さえあればあらゆる曲が(大体)弾ける」からです。黒鍵などおまけなのです。 具体例を見てみましょう。これは妖魔夜行のサビをピアノアレンジしたものです。よく見ると黒鍵は一切使ってないことが分かると思います pic.twitter.com/Q6yomo3nTT

2017-09-23 22:12:11
misskeyに移住している岡津 @_okaz

まずは伴奏が全くないとどんな風に聴こえるのか確かめてみましょう。曲は伝わってくるけど、どことなく頼りない感じが伝わってくるかと思います。 pic.twitter.com/Ezoz1obL7Y

2017-09-24 22:17:30
misskeyに移住している岡津 @_okaz

これに最低限の伴奏をつけてみました。左の方で「ファーーソーーラーー」みたいにやってるやつです。 第1回、第2回と、曲全体を支配する主音についての話をしました。しかし、曲の一部分を取り出すと、曲の各部分を支配する音というものが存在します。これは一般にベース音と呼ばれたりします。 pic.twitter.com/U74wqCh0go

2017-09-24 22:28:34
misskeyに移住している岡津 @_okaz

ベース音は曲を支配する音なのでかなり重要です。一般に、ベース音は曲の中でもっとも低い音で鳴らした方がよいです。この動画でもベース音が最も低くなるようにしています。

2017-09-24 22:32:21
misskeyに移住している岡津 @_okaz

また、東方原曲のベース音は、7割から8割方程度がファ・ソ・ラの3つの音です。中でも「ファ→ソ→ラ」という流れは多用されているため、「ZUN進行」「神主進行」などと呼ばれたりします。 (今回は黒鍵が出てくると面倒なので、すべてイ短調に移調されていることを前提としてお話しします。)

2017-09-24 22:35:09
misskeyに移住している岡津 @_okaz

さて、ベース音によって伴奏は付いたものの、まだ物足りません。そこで、伴奏の音を増やしてみましょう。 【定義】複数の音を同時に鳴らした音を「和音(わおん)」といいます。 伴奏の基本となる和音は、ベース音を1つ目と数えたとき、5つ目の音を重ねた和音です。例えばファにはドを重ねます。 pic.twitter.com/1xv8GclzJE

2017-09-24 22:44:49
misskeyに移住している岡津 @_okaz

ちなみに、このようなベース音と5つ目の音を重ねた和音を、特に軽音をやってる人なんかは「パワーコード」と呼んだりします。次回の講座でももう少し詳しくお話ししますが、これは東方の曲の伴奏をつける時の基本の和音になります。

2017-09-24 22:50:38
misskeyに移住している岡津 @_okaz

パワーコードを使うだけでもかなりそれっぽく聴こえましたが、より音を重ねてみたい、というわけでベース音、5つ目の音に加えて、その中間に位置する3つ目の音も鳴らしてみました。処理落ちで一部の鍵盤が動いていませんが、[ファラド][ソシレ][ラドミ]という3つの和音が順に鳴っています。 pic.twitter.com/v5Jm6pj2Pp

2017-09-24 22:57:51
misskeyに移住している岡津 @_okaz

ちなみに、和音を英語で言うと”chord(コード)”です。コード進行、コード理論、などなど…といった単語を聞いたことあるかもしれませんね。 以下、コード理論のほんのさわりだけですが、3つの音からなる和音の性質について見ていきましょう。

2017-09-24 23:04:27
misskeyに移住している岡津 @_okaz

その前に、まずは2つの音を重ねる和音、2和音から。 ラを基準にいろいろな音を重ねてみましたが、ラと隣り合う音の和音([ラシ]と[ラソ])は濁って聴こえます。このような和音を「不協和音」といいます。また、それ以外の和音は違和感なく聴こえたと思いますが、これを「協和音」といいます。 pic.twitter.com/qN8TBjr9ck

2017-09-24 23:14:19
misskeyに移住している岡津 @_okaz

「協和音」の中でも、とくに4つ目([ラレ])、5つ目([ラミ])、8つ目([ララ])の和音は特に綺麗に聴こえたと思います。最初に伴奏としてベース音とその上5つ目の音を重ねた和音も特に綺麗に聴こえるわけです。

2017-09-24 23:18:22
misskeyに移住している岡津 @_okaz

次に、パワーコードに音を追加することを考えます。例えば[ラミ]という和音。これに、不協和音にならないように音を加えるには、シとソはラに対して、レとファはミに対して不協和音となるため、ドを加えるしかありません。こうして三和音はベース音、3つ目の音、5つ目の音という構成になるのです。

2017-09-24 23:21:10
misskeyに移住している岡津 @_okaz

そんな3和音、実は主に2種類に別れます。 1つは[ファラド]タイプ。明るく聴こえます。もう1つは[ラドミ]タイプで、少し暗めに聴こえます。 【定義】前者をメジャーコード、後者をマイナーコードと呼びます。 メジャーコードとマイナーコードの響きの違いは、音の配置によるものです。 pic.twitter.com/JdshafFMFL

2017-09-24 23:38:05
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