久しぶりのオフ。だけど外は雪…【渋谷すばる】

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えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)【1】 カーテンを開ける音と射し込む光で目が覚める。 枕元の時計は9時すぎ。えらい早起きやな、あいつ。 「すばるくん、見て見て‼︎ 雪が降ってる〜‼︎」 彼女のはしゃいだ声に誘われるように、窓まで行くと、昨日から降り続いていた雪が、景色を少しずつ白く染めていた。

2013-12-22 19:16:30
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)【2】 二人で並んでしばらく見つめていたけれど、窓から伝わってくる冷たい空気に体温を奪われるのがイヤで、俺だけ窓から離れる。 久しぶりのオフやから、もう少しゆっくり寝るつもりやったけど、目ぇ覚めてしもうたな。 ふと目についたギターを抱えて、壁に持たれて座り込む。

2013-12-22 19:16:37
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)【3】 何を弾くわけでもなく、ただ音を奏でる。最初は、意味を成さなかった音が、少しずつ形になっていく。 ふと、窓に目を向けると、お前は相変わらず窓の外を眺めていた。 瞳を輝かせて、飽きもせずに外の景色を見つめている姿が、ただ愛しくて。

2013-12-22 19:16:42
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)【4】 だけど、その反面、俺の存在を忘れてしまってるかのような姿に淋しさも覚えて。 そんな複雑な想いのままに、メロディーは奏でられていく。 君の瞳に映るのは 白く染められていく街並み 雪の妖精に魅入られたかのような表情に 僕は不安になる ねえ こっち向いて…

2013-12-22 19:16:49
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)【5】 誰に聞かせるつもりもなく、ただ思い浮かんだ言葉をメロディーに乗せて口ずさんでいると、小さな拍手が聞こえる。 視線を上げると、窓の外を見ていたはずのお前が、こっちを見て微笑んでいた。 「なんや、見とったんか」 「ご機嫌だね、すばるくん」 「違うわ、アホ」

2013-12-22 19:16:54
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)【6】 「ねえ、今のもう一回歌って」 「ムリ」 「え〜、何でぇ〜」 「今、即興で作った曲やからな、覚えとらん」 「そうなんだ…もっかい聞きたかったな…いい歌だったんだけどな…」 そう言って、少しションボリする、お前。 実は、覚えてるんやけどな、恥ずかしいやろ、あんな歌…

2013-12-22 19:17:00
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)【7】 でも、うなだれてる姿が余りにも可哀想で、 「…分かった。同じのはできんかもしれんけど、ちゃんと曲作って聞かせたるから」 って、思わず言ってしまった。 「ホントに!」 「お、おん…だから待っとき」 「うん、待ってる!」 そう言うと、また窓の外に目を移す。

2013-12-22 19:17:07
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)【8】 まだ見るんかい… 俺はギターを置いて、再び窓に近づき、 「なあ…」 後ろから彼女を抱きしめて言う。 「え?」 「いつまで外を見とるつもりなん? いい加減、俺のことも見て欲しいんやけど」 そう告げると、顔を赤くして俯いてしまったお前を抱き上げて、ベッドに運ぶ。

2013-12-22 19:17:13
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)【9】 「すばるくん」 「今からは、俺だけ見とればいい。久しぶりやからな、しばらくは離してやられんと思うけどな」 そう言うと、彼女の反論を聞く前に、その唇をキスで塞いだ。 俺がその歌を再び歌ったかどうかは、あいつのみが知っている…

2013-12-22 19:17:18