柿谷浩一先生の『コード・ブルー THE THIRD SEASON』考察ツイートのまとめ。

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【#コードブルー⑤】「検診で気づかなかったのは仕方な」い冴島の病変。対して「見落とし」＝気づけたはずの患者の損傷。対比はこれに留まらず、さらに終盤で、2つの悲劇を日常にかえす肝心の役割を「気がつかないタイプ」の白石とそれをめぐる会話が担った。台詞の構造面でも秀でた回。 #山下智久

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【#コードブルー⑤】シーンの断片が部分的に接続し、時に重なり、またある所では対偶関係を作り《有機的》《立体的》な話を見せる、この作品の肝となる要素が凝縮された見事な回だった。主題・モチーフの連関と運動だけでいえば、海外ドラマ『ER 緊急救命室』のにも劣らない作りだ。 #山下智久

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【#コードブルー】ここまでは「藍沢ｰ白石」を中心に「藤川ｰ冴島」が自律し、合間に「緋山」が入り込むような物語構図といえようか。5回のナレーション配置もそれを体現しているように見える。 ①藍沢(始)➡藍沢(終) ②白石➡白石 ③藍沢➡藍沢 ④藍沢➡緋山 ⑤藍沢➡藍沢 #山下智久

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【#コードブルー⑥】今回のキーワードとなった《落胆》。それを予兆するような冒頭に描かれた緋山が“落とす”書類➡冷凍倉庫の荷崩れ(＝荷物の“落下”)事故➡横峯が投げ出すように“落とす”メス➡藍沢の話を受けて奏が“落とす”ノート…。しっかり物語全体を部分が支えていた。 #山下智久

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【コードブルー⑥】事故現場と臓器移植(病院)に別れて展開した今回。この2つの物語＝空間を接続する役割にあったのが「白石ｰ灰谷」を結ぶ遠隔モニター。それが《胸》つまり《心臓》近くにあったのは興味深い。“心臓移植”をめぐる物語が離れた救出劇へ巧みに視覚的にも繋がっていた。 #山下智久

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【#コードブルー⑥】よーく目を凝らし味読してほしい。ラストの「ただ約束を破っただけだ」に至る白石との胸に迫る対話。表情もさることながら、目線の使い方が凄い。相手を見る(目が合う)のは台詞の〈終わり〉に集中している。言葉や意味以上のものを届ける、山Pの表現力である。 #山下智久

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【#コードブルー⑥】シーズン1の開始当初、藍沢(#山下智久)の自分の指を見つめる癖の意味ははっきりしなかった。だが後に物語に深く関わっていった。同じように、名取(#有岡大貴 )が癖のように触る「スマホ」の発展が気になる。ただのキャラクター付けとは思えない。何か重なるものを感じる。

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【#コードブルー⑥】「死・命とは何か」という根源的テーマを掘り下げ、ストレートに投げかけた6話。総点検まで出来てないが、あえて視聴者に分かる形で、でもさりげなく話を「8月15日」に設定し、現代の医療物語を《歴史》に接続し重ねたのも、ドラマ史的にみても、挑戦的で重大だったはず。

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【#コードブルー⑦】事故と調査委員会、自分を責めるフェロー(白石➡灰谷)、全責任を取ろうとする上司(田所部長➡白石)、フライトドクターの物語、電話口から始まる更なる悲劇(黒田の息子➡灰谷の搬送)…。シーズン1の「9話」で描いたテーマを見事に全て詰めこみ、引き継いだ回。 #山下智久

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【#コードブルー⑦】江口洋介の『救命病棟24時』の引用。単なるフックでなく《問い》として受け止めたい。1999～2013年(つまり2000年代)脈々と別枠で“救命”を扱ってきた作品と今作は地続き。個別に消費される「医療ドラマ」でなく「救急ドラマ」という歴史への第一歩。 #山下智久

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【#コードブルー⑦】同時に緋山(#戸田恵梨香)が家族に検死結果を伝えるシーンなどは、もっと“ドラマ史”的な面で鑑賞＝評価されてよいとも感じる。死者の痕跡から生者の《物語》を紡ぐ。『科捜研の女』等の法医学や『遺留捜査』といった刑事ミステリーものが人気を博してきた意味に繋げる形で…。

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【#コードブルー⑦】ラスト、印象的だったのは白石が受け取る処方箋のプリントアウト。不吉な出来事を暗示していたのは記された情報だけではない。普段画面に映る電子カルテはカラーだが、そこにあった灰谷(#成田凌)の名は、生気を失うかのような《白黒》だった。名に重なる灰色の紙。 #山下智久

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【#コードブルー⑦】終盤にきてやはり感じるのは、藍沢耕作は山Pにしかできない。とにかく藍沢は、物語のちょっとした挿話を借りても容易に《笑わない》。繰り返すが山Pの真骨頂の1つは僅かな笑みだ。それがどれだけ観る者と世界を平和にするか。そこに物語の《希望》が託されている。 #山下智久

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【#コードブルー⑦】「失われるのは患者の人生だ、医者の人生ではない」と思いつつカルテを書く藍沢。その《死》は結婚式を目前にした患者ゆえ一層重く辛いのだが、見逃してはならない。彼が凝視する画面には「12月24日」生まれとある。無意識ながら、それも彼と視聴者に覆いかかる。 #山下智久

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@prince9093 「フライトドクター」は当たり前。「パイロットの物語」ですね。委員会で梶(#寺島進)が「何千回ものフライトで事故はゼロ」と答えて、それがプロだと返される場面が印象に強い。今回のフライト事故と、後にある「安全に飛んだ1万回より1回の事故」の話へリンクしていた。

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【#コードブルー⑦】弁護士・相馬のキャラは変わらずだったが、委員会はこの10年の《変化》を丁寧に描いてもいた。以前はヘリの「存続」まで議論が及んだが、今は違う。事業撤退など垣間見えない。社会的に“必要”なものとして定着したドクターヘリと病院の“今”がそこにあった。 #山下智久

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【#コードブルー⑧】シーズン1の3話だった。フェローだけでの当直。今回同様、先輩ドクター到着まで時間があり、何もしなければ急患が死にゆく…その中で仲間が結束し命を救う。藍沢の「よくやった」は、かつて黒田が不器用にかけた「お前らは命を救った、謝る必要はない」に重なった。 #山下智久

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【#コードブルー⑧】奏が並べる《黒》のオセロ➡《黒》の私服で出勤した日にコウモリ(＝黒)が感染源のエボラ出血熱疑いで隔離される緋山➡共に《黒》をまとった藍沢/新海のラストの会話。中心テーマの「緋山(黒)と〈白〉石」との友情を含めて、物語を下支えしていた“色の物語”。 #山下智久

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【#コードブルー⑧】〈灰谷と横峯〉がベンチに並び同期の絆を確認するシーン。単に〈藍沢と白石〉へ展開していくだけじゃなくて、彼女の言葉を受けた藍沢が、様々な感情から不意に左手で額を触れる《しぐさ》が灰谷の“傷の場所”に繋がって、両場面を接続してもいた。そしてカッコイイ。 #山下智久

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【コードブルー⑧】友情・同期・仲間…。様々なテーマが胸に刺さったが、藍沢先生なりの同僚への想いも実にグッときた。緋山が針のトラブルを話して血液を渡す時、彼はただ「分かった」と言うだけ。上っ面で容易に「大丈夫？」等とは聞かない。現実を凝視する性格ゆえのこの《優しさ》よ。 #山下智久

柿谷浩一(kaki) @prince9093

【#コードブルー⑨】チームの結束力で全員助けた《3》人の患者の命。だがその希望の「3」の数字と共に、次第に物語とチームの運命は翻弄されゆく。《3》年待った移植をめぐる優輔の予期せぬ返事と、承諾リミットの《3》時。《33》歳の選手の死。線路事故の《300》人の負傷者…。 #山下智久