犬シリーズ〜出会い編〜【番犬の場合】

ぺちか @pechika_udon

フォロワーさん400人達成企画。 【第２回 犬たちの座談会】 大『そう言えば、みんなどやって今の彼女と出会ったん？』 丸『なんや、藪から棒やなぁ』 錦『なんやねん、急に』 大『いや、ふと気になったから』 安『言われてみれば...』 大『なぁ、教えてや！』 #犬シリーズ

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#犬シリーズ 〜出会い編〜 【番犬の場合】 1 えぇ？俺とちぃちゃんの出会い？ そんなん聞いてどうすんの？ ...まぁ、別に減るもんちゃうしええけど。

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2 あれはスタジオ収録のためにテレビ局の廊下を大倉と話しながら歩いとったときのこと。 『今日の収録、早う終わるかなぁ？』 『どうやろ？まるが暴走せんかったら早う終わるんちゃう？』 『ん〜...今日はあんまり絡むんやめとこ』 #犬シリーズ

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3 最近の大倉は何故か早う帰りたがる。 何かあるんか？ 『ところで...』 ーどん！ 『うわっ！？』 「きゃあ！」 過度を曲がった瞬間、体に軽い衝撃。 誰かとぶつかった、て認識するんにそんなに時間はかからんかった。 #犬シリーズ

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4 『だ、大丈夫ですか！？』 慌てて手を差し出すと、そこには女の子が座り込んどった。 「あ、大丈夫です。すみません！」 ぴょこん！と立ち上がって深々と頭を下げてる彼女。 犬シリーズ

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5 ...ちっさ。 それが俺の彼女に対する第一印象。 あんまり背の高くない俺から見ても、頭半分以上くらい低い位置にある彼女の顔。 思わずその顔に見入ってしもた。 「あ、あの...？」 『...あ！ごめんなぁ？ほんまに大丈夫？』 #犬シリーズ

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6 不思議そうな声にはっとする。 慌てて謝罪すると彼女はにっこりと笑った。 「大丈夫です！こちらこそ急いでたもので、本当に申し訳ありません」 改めて深々と頭を下げられてしまえば、『参った』以外の言葉が浮かんでこん。 #犬シリーズ

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7 『いや、ほんまごめん。気ぃ付けてな？』 「はい！ありがとうございます」 ぱたぱたと走っていく彼女の背中をじっと見る。 『ヤス？』 『...あ、何でもない。行こか』 何となく、目の離せない子ぉやな、と思った。 #犬シリーズ

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8 それから暫くして。 『あ』 「あ」 メイクルームに入ったら、そこに彼女がいた。 『あの後、大丈夫やった？』 「はい。全然大丈夫です！」 〈安田くん、うちのアシスタント知ってるの？〉 #犬シリーズ

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9 挨拶をしてたら、メイクさんが聞いてきた。 アシさんなんや、この子。 『この前、ちょっと』 〈迷惑かけてなかった？この子落ち着きないから〉 『はは、大丈夫ですよ』 「もう！そんなに迷惑ばっかりかけてないですよ！」 #犬シリーズ

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10 それから名前を教えてもらって、少しずつ俺は彼女と仲良くなっていった。 『ちぃちゃん！お疲れ様』 「安田さん、お疲れ様です」 『安田さん、は止めてぇや。普通でええのに』 「そんな訳にはいかないですよ。仕事ですし」 #犬シリーズ

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11 ちぃちゃんは意外と強情で、自分がこう！と決めたら曲げへん。 そんなところもいいな、て思った。 『おー、今日も元気そうやな』 「はい！元気が取り柄ですから！」 #犬シリーズ

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12 小さな体でちょこまか動き回る姿はまるで小動物みたいで可愛い。 大きな荷物も自分で絶対運ぼうとするし、仕事には一切手は抜かん。 すごく仕事に対して真摯で真面目な子。 そんなところは尊敬できた。 その頃にはもう、ちぃちゃんのこと好きになってた。 #犬シリーズ

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13 好き、と思ったらもう抑えられんくて。 『ちぃちゃん！』 「あ、安田さん。お疲れ様です」 『あんな、俺ちぃちゃんのことやっぱ好きやわぁ』 「ふぇ！？」 『やから、俺と付き合ってください』 俺からの突然の告白に戸惑うちぃちゃん。 犬シリーズ

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14 もちろん、最初は仕事を理由に断られた。 でもそんなことは関係なくて。 『俺な？仕事一生懸命してるとこも好きやねん。もちろん俺もこの仕事好きやし、プライド持ってやってる。ちぃちゃんもそうやろ？そんなところも含めて好きになってん』 「安田さん...」 #犬シリーズ

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15 『ちぃちゃんの邪魔になることは絶対せぇへんから、俺の傍におってくれん？』 俺の言葉を聞きながら、ちぃちゃんはぽろり、と涙を落とした。 『え！？ち、ちぃちゃん！？』 「私も...」 #犬シリーズ

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16 小さな声で何かを言おうとするちぃちゃん。 俺はその一言一言を聞き逃さんように、じっと耳を澄ました。 「私...も、安田さんが...好きです。でも...私なんかが傍にいて、いいんですか...？」 『...ちぃちゃんがええの』 #犬シリーズ

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17 ちぃちゃんはぼろぼろと泣き出してしもた。 『泣くなぁ』 俺は嬉しくて、そのままちぃちゃんを抱き締める。 ちょっとだけ鼻の奥がつん、としたけど、それは俺だけの秘密。 #犬シリーズ

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18 そうして、晴れて彼氏彼女になった俺たち。 でもちぃちゃんは見た目と反して頑固やから、仕事とプライベートはしっかり分けてた。 『ちぃちゃん、おはよぉ』 「おはようございます！安田さん、ものすごく眠そうですけど、大丈夫ですか？」 #犬シリーズ

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19 『ん〜、可愛ええ彼女が寝かしてくれへんかったからなぁ』 なんて、からかってみてもお仕事モードのときは相手にしてくれん。 「はいはい。そんなことよりすぐメイク入りますから」 さらりと受け流すくせに、耳が赤いから照れてるんがすぐわかる。 #犬シリーズ

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20 ...やっぱ可愛ええわ。 意地悪をしたくなって、俺は誰もいないのを確認してからそっとちぃちゃんに近付いた。 その耳に顔を近付けて、小さな声で囁いた。 『あんまり可愛ええ反応されたら我慢きかんやんか。...覚悟しときや？』 #犬シリーズ

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21 そうすれば、顔を真っ赤にして俺から離れる。 金魚みたいに口をぱくぱくさせて。 「し、章ちゃんのばか！」 そう言い残してメイクルームを出ていってしもた。 ほんま可愛ええ反応するんやから。 そんなんやから目が離せん。 まぁ、離す気もないけどな。 #犬シリーズ

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22 これが俺とちぃちゃんの始まり。 普通やろ？職場恋愛ってやつ。 え？もちろん仕事の邪魔はせぇへんよ。 やってちぃちゃんのこと好きやから、ちぃちゃんの好きなことややりたいことは応援したいやん？ ほしたら次。 次は亮か大倉か。どっちに話してもらおうかな？ #犬シリーズ pic.twitter.com/1Ap8veIO43

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