ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル ＃７

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「AAARGH！」フォレストは彼らの苦闘を後ろに、デッドマンに激しい二刀流マチェーテ攻撃を繰り出していた。デッドマンはカタナでマチェーテを打ち払い、蹴りや斬撃を放つ。首無しの強靭な肉体が戦う1フィート上空で骸骨が笑っていた。「サンシタめ！」22

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

骸骨は瘴気を四方八方に放ち続ける。それが死体を骸骨と化し、戦わせ続ける。「サイゴン！」フォレストが切り払う。「イヤーッ！」カタナで弾く。「ホーチミン！」「イヤーッ！」カタナで弾く。そして前蹴り！「イヤーッ！」「グワーッ！」「フフハハハ！」デッドマン演舞めいてカタナを振る。23

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「闇夜だ！世界は闇夜が支配する。強きジツを持ったニンジャが欲望のままに喰らう！それこそがこの狂った世界の正義！俺が正義！エル・キケンが正義だ！イヤーッ！」「グワーッ！」カタナがフォレストの肩を裂いた。「イヤーッ！」「グワーッ！」更に一撃！転がり、手をつき、起き上がるが……！　24

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ハイヤ！ハイ！ハイヤーッ！」カンフー・シャウトが戦場を横切り、彼らの闘争に近づいてきていた。「ウオーッ！」少年はボーを振り回し、近づく骸骨を必死に遠ざける。左手では足元のおぼつかない女の手をしっかり握って！「サワタリ社長！」コトブキが叫んだ。「モニカ＝サンを助けました！」25

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「今更なにを」頭蓋骨が毒づいた。「無意味だぞ！イヤーッ！」フォレストに更なるカタナ攻撃！フォレストは転がって回避！マチェーテを地面に突き刺し、己を強いて起き上がる。彼は笑っていた。「恥じねばならんな……俺の体たらくを！」「死ね！イヤーッ！」デッドマンの追撃！脳天を割る一撃だ！26

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」フォレストは飛び退いた。背中が斬られ、血が噴き出した。「グワーッ！」だが、デッドマンもまた悲鳴をあげていた！その足を見よ！足の甲を突き破り、逆棘刃が突き出している！非人道設置兵器マキビシ……一体いつそのような罠が設置されたのか！　27

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヌウーッ！」デッドマンが横なぎのカタナ攻撃を繰り出す！片足が地面に縫い付けられた状態では当たらない！フォレストは後退しながら片手で何らかの紐を引いた。マキビシに仕込まれたバネ仕掛けが起動し、ワイヤーを吐き出して、デッドマンの膝から下に食い込み、動きを更に封じてしまった！　28

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

一方、ファッショニスタはディスカバリーにカイシャクの踵落としを繰り出そうとしていた。うつ伏せに倒れたディスカバリーは震えながら手をつき、それでも起き上がろうとしていた。「「パリャナウェー！パリャナウェー！パリャナ！」」歌だ！K3に女の声が重なっていた。　29

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

見よ！包囲輪に女ふたりと少年が加わっている！「パリャナウェー！パリャナウェー！パリャナ！」一瞬注意を奪われたファッショニスタの顎を、下から掬いあげるサマーソルトキックが直撃した！「グワーッ！」ディスカバリーは着地し、血の唾を地面に吐いた。ファッショニスタは目を血走らせた。　30

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「疲れた。今ので気が済んだぜ」ディスカバリーは呟き、進み出たK3の手を打って、入れ替わった。「パリャナウェー！パリャナウェー！パリャナ！」コトブキが歌い続けている。「パリャナウェー！パリャナウェー！パリャナ！」ディスカバリーも歌い出す！「イヤーッ！」K3！「グワーッ！」31

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」デッドマンがイアイ斬撃を繰り出す。イアイは刀身よりも長い距離に攻撃が届くのだ！だがフォレストは見事なブリッジでこれを回避し、跳ね返るように高く跳んだ！「フォート・サワタリ！」「グワーッ！？」空中回転マチェーテ斬りがデッドマンの胸を裂いた！　32

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「フォート・ハイドラ！」「グワーッ！」背後に着地し、振り向きざまの斬撃がデッドマンの背中を裂いた！「フォート・ダイナソー！」「グワーッ！」脇腹にマチェーテが突き刺さった！フォレストはマチェーテの柄を蹴り、跳んだ！「イイイヤアアーッ！」SLAASH！空中の骸骨を真っ二つに破壊！33

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アバババーッ！」頭蓋骨は砕け、溶けながら地面に散った。「AAAAAARGH！」骸骨達が苦しみ、崩れてゆく！フォレストは回転着地し、ザンシンした。「……サヨナラ！」デッドマンは爆発四散した。フォレストは地面の編み笠を拾い、被り直した。　34

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「パリャナウェー！パリャナウェー！パリャナ！」骸骨達が消滅し去っても、ホーダは続いていた。コトブキが、K2が、モニカが、ディスカバリーが、エンゾが、輪を維持していた。K3はキラキラと笑って、殺人的なカポエイラ・カラテをファッショニスタに繰り出した。「イヤーッ！」　35

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「チイーッ！」ファッショニスタは側転で回避した。モニカが額の汗をぬぐい、笑顔を作って、K2からビリンバウを譲り受けた。「大丈夫か」「大丈夫」そしてK2を送り出した。モニカの怒りの形相は美しかった。K2はK3と交替した。「貴様ら……！」ファッショニスタは口元の血を拭った。　36

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「パリャナウェー！パリャナウェー！パリャナ！」更に……おお……ゴウランガ……輪にはフォレスト・サワタリまでもが加わったのである。完全包囲。「ボス……クソッ」ファッショニスタは非情な現実を認識した。「終わりやがったか！」「イヤーッ！」K2が襲い掛かる！　37

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ！」ファッショニスタはメイアルーア・ジ・コンパッソをK2の腹に叩き込んだ！カジバチカラ！「グワーッ！」「ナメるな！クソ共！」そして……おお……ナムサン！K3をタックルで弾き飛ばすと、ファッショニスタは包囲輪の外へ逃走したのである！「オボエテロ！」　38

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「アッ！この野郎！」K2が慌てた。「逃がさねえぞ！」K2は跳ね、後を追って走り出した。「社長、みんなで追いかけてブッ殺そうぜ！」K3が言った。「早く！」「ほうっておけ」サワタリ社長はモニカからビリンバウを受け取り、K3に持たせた。「サンシタよりもモニカ＝サンだ」 39

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「平気……平気よ」「オハギを沢山、食べさせられたんです」コトブキは知りえた事実を説明した。サワタリ社長は悲痛に顔をしかめた。「モニカ＝サン。済まなかった。経営責任だ。役員報酬をカットする……」「よしてよ、こんなの平気……アマイだけ……」「これを」サワタリ社長は丸薬を飲ませた。40

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャピル、応急解毒剤である。当然これでオハギの影響を消し去ることなどできない。中長期にわたる解毒プログラムが必要となる事は間違いなかった。「ドラム缶風呂をいっぱい炊いてやっからよ」K3がモニカに言った。無傷の社員はいなかった。激しいイクサであったが……それも終わったのだ。41

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

彼らの元へ、生き残った者たちが自然と集まって来た。突然のイクサ、突然の自由……そして平和が訪れた。「次はどこへ行けばいいんです」誰かが尋ねた。「知らん。貴様らの面倒を見る余裕は我が社にはない」サワタリ社長が言った。「マナウスに行けばいいドスエ」オイランが晴れやかに提案した。42

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ここのトラックを頂いて、都会に帰るドスエ！」「ああ……ああ、そうだな」奴隷としてカニ漁へ送られることをむしろ運命と受け止めていた人々は、困惑から徐々に安堵へと感情を変えていった。「それもいいな……！」「俺は次の採掘場を探すよ」「俺も」「……」エンゾは彼らを無言で見つめる。43

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「エンゾ＝サン。ありがとうございました」コトブキがエンゾの手をとった。「とても頼りになりましたよ」「僕のほうこそ…その……」エンゾは言葉に詰まった。「エンゾ＝サンはこれからどうするのですか？」「僕は……」採掘場で同じような仕事を探せば、生きられる。採掘場……「マナウスに行く」44

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「マナウスへ？」「何か、やってみる」エンゾは言った。「家族のところには、帰れないけどさ」「そうですか」コトブキは優しい笑顔で、頷いた。「マナウスまでは一緒ですね。私も行きます」「エッ！？」K3が仰天した。「ナンデ！俺らと一緒に暮らすんだろ！」「わたしは帰らなければ」　45

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「オイ！どういう事だよ！」K2の声。「社長、ファッショニスタの野郎は逃げちまった……けど……それより！今、なんて言った？コトブキ＝サン！」「いま、彼らと一緒に行けば、皆さんの手間になることもありません」コトブキが言った。そしてサワタリ社長に頭を下げた。「お世話になりました」46