水野義之氏(y_mizuno)Cs134のなぞ

水野義之氏の「Cs134のなぞ」一連のツイート
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MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

セシウム134の謎。疑問が出ているようなので、事実関係から確認。普通の原爆(笑)では、核分裂の結果、セシウム137が出ることは常識。でもセシウム134は聞いたことない。普通はごく微量。今回セシウム134と137がほぼ同量は非常に不思議。Cs134は3つの生成プロセスが考えられる。

2011-03-28 01:03:52
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

続)セシウム134は、第1に直接の核分裂で出来る。第2にI-134(これは多い)のβ崩壊で出来る。第3にCs133も多くできるので、それが原子炉内部で中性子環境にさらされ、中性子捕獲でできる。ちなみに核分裂では非対称、重めの核と軽めの核。重め集団がCs, I, Xe, Ba等。

2011-03-28 01:11:35
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

続)Cs134の謎。生成過程の第1は直接の核分裂。しかしCs134は137に比べて出来にくい。この理由はCsの原子番号(陽子数)が奇数55だから。Cs134=偶数の質量数134は、中性子数も奇数の79。ところがどんな原子核も奇数+奇数は不安定で出来にくい。だから少ないはず。ボツ。

2011-03-28 01:20:09
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

続)Cs134の謎。生成の第2はI-134からのβ崩壊。先ほど誤記で実はI-134も少ない(理由は同じく陽子数+中性子数=奇数+奇数)。しかもI-134から1回目のβ崩壊でXe134、これは安定。よって2回目のβ崩壊は起こらない。だから(数少ないだけでなく)原理的に、これもボツ。

2011-03-28 01:24:25
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

続)Cs134の謎。生成可能性の第3は、Cs133からの中性子捕獲。Cs133は陽子数+中性子数=奇数+偶数、これは普通に多い。Cs137が多いのと同様。でも原爆ではCs133止まり。しかし原子炉内ではCs133が中性子に曝され続け、中性子捕獲でCs134が生成。今回これを観測。

2011-03-28 01:28:01
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

結)今回Cs134を多数、Cs137と同じ位多く観測は驚異的で興味深い。もし1箇所からなら、化学的性質は同じで134と137の比は同じ。しかし今回データは、その比がいろいろ。つまり複数の(原子炉内とか使用済みとか)箇所からのセシウムを見ていることを示す。従って状況推測に使える。

2011-03-28 01:32:53
MIZUNO Yoshiyuki 水野義之 @y_mizuno

補足)原子核の核種それぞれの性質を見る上で、陽子数と中性子数の偶数か奇数は、興味深い。陽子数+中性子数=奇数+奇数は軽い原子核だけで、辛うじて安定。でも窒素14=7+7が最後。それ以上重い原子核では、奇数+奇数の核は存在せず。存在しても不安定、短時間で崩壊。例外無し。普遍法則。

2011-03-28 01:50:06