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古川:これから上演する作品は非線形構造の数式を使って作曲した。ご存知のように非線形構造というのは比較的短い数式により繰り返される。マンデルプロット集合の初期値を変えることにより音楽を作っている。
2017-11-03 16:45:10古川:AdMについて。10年位前に建築家の藤井さんと初めたもの。このプロジェクトは建築構造や建築を体験するという、モダリティを超えて音楽を生成しようという事を考えました。この根底にはこの図に示したように言語や音楽、建築などの深層構造において共通の基盤を持つというのを基盤にしている
2017-11-03 16:45:31古川:クセナキスが行ったように建築構造を音楽構造に直接繁栄させるのではなく、建築の体験を音楽にするということを考えた。音楽を理解することは言語理解ににているが、音楽は時間軸に音をグルーピングし階層化し最後に音の意味があてがわれる。
2017-11-03 16:47:11古川:全体を一つのパースティクティブから見るのではなく、様々な体験、建築を時間軸の中のものとして捉えた。生成のプロセスの細かい事をいうと、沖縄の建築「めかる邸」を紹介する(スライド)
2017-11-03 16:50:49古川:。次にこのオリジナルの建築から図面をもとに自作のエディタを使ってこの建築モデルの生成過程を示す(スライド)。この線でつながれた先端には建築モデルがある。柱の一本までアクセスできるようになっている。
2017-11-03 16:51:07古川:最初のプログラムは音楽生成のプログラムをコンバートしたものだ(スライド)。先の建築と音楽を組み合わせて今回の作品が作られた。
2017-11-03 16:52:25アフタートークの時間になりました。 【出演:三輪眞弘、古川聖、中ザワヒデキ】 中ザワ:本日は人工知能美学芸術展の初日です。三輪さんと古川さんに作品を発表していただきました。
2017-11-03 17:33:56中ザワ:明日もこの講堂でパフォーマンスが行われます。本日は機械美学音楽というタイトルです。明日は「環世界音楽と機械学習」、明後日が「人工知能音楽の先駆」、少し空いて「人工知能との協働」ということで、音楽にも力を入れております。
2017-11-03 17:35:38中ザワ:人工知能ということで三輪さんと古川さんをお呼びしたのですが、人間にとっての音楽、機械にとっての音楽という話がありました。古川さんの音楽では、今回初演となるプレゼンテーションでは建築をそのまま音楽に移行するのではなく、建築のあり方から音楽にアプローチするという方法でした。
2017-11-03 17:37:27中ザワ:人工知能から音楽にアプローチするという事で、こういったことはこれまでありましたか? 三輪:無い。コンピュータ音楽としては僕も古川さんも変わっているし、マイナーな領域だと思います。
2017-11-03 17:38:32中ザワ:王道とは? 三輪:コンピュータ音楽の王道はテクノロジーを利用した音楽。 三輪:古川は自動演奏ピアノを使うということは、新しいテクノロジーや音響空間からアプローチするわけではないということ。それは僕も共通している。
2017-11-03 17:40:03古川:構造ということから出発して、それを認知する人間の側によっています。人工知能とはその先の問題なのかもしれないです。 中ザワ:最後には人間の問題に突き当たるというのは、音楽は人間の占有物だという思い上がりという三輪の発言の通りです。
2017-11-03 17:41:47中ザワ:僕の言葉でいうと、感情などに音楽が従属するということは、人間美学に基づいた人間芸術だということですね。 三輪:そう言っていいと思います。 中ザワ:パンフレットの展示コンセプトに4つのマトリクスを出していますが、人間美学に必ずしも基づかないものとして仮に機械美学と言ったもの
2017-11-03 17:43:24中ザワ:として今回は機械美学音楽としました。 古川:僕のフラクタル音楽は今はやっていないのは、気に入らなかったからじゃないかと思います。技術的にも洗練されて素敵な音にもなっていますが。しかし過去を否定してもしょうがないのでやりますが。 中ザワ:そうだったんですね、愛聴しています。
2017-11-03 17:44:26中ザワ:今の古川の言葉は機械美学に対して人間美学が矛盾を抱いている言葉でしょうか。 古川:生物としての人間ではなく、歴史・文化の体系として音楽があり、そういうものは当然私を満足させるものにはならない。
2017-11-03 17:45:52中ザワ:総合的な文化的背景が無いとトータルな体験にはならないということでしょうか。そこへ行くとまたりさまのアルゴリズムは全くトータルなものがあるわけではないが、今日は夢の物語が総合的に入ると関係して考えて良いのでしょうか。 三輪:良いと思います。伝統や文化は単なる思考のみではない
2017-11-03 17:47:13三輪:古川さんの言っているのは物語が無いということと理解できました。そこで僕は物語を作ってしまった。 中ザワ:最後の三輪さんの「機械が現時点では祈ることができない、未来はわからないが」と言ったことに繋がる考えです。 三輪:実際にプログラムを見せて種明かしではないがリアルを見せます
2017-11-03 17:49:27三輪:パフォーマンス上のいじめの状態は、僕としてはあれがないと作品ではない。 中ザワ:そうなると古川さんも三輪さんも機械音楽のような事をしながら人間性が大事だという話となりましたが、そろそろ僕から反撃をしないといけないなと思います。
2017-11-03 17:51:21中ザワ:僕からは、単純な、必ずしも総合的な背景が無くても成り立つのではないか、シミュレーションされたMIDI音源でも音楽体験として成り立つということで美輪さんと論争をした経験があります。 三輪:終わりのない論争ですね。
2017-11-03 17:52:13三輪:中ザワさんとは10年以上同じ話題でお互いに譲らずに来ましたが、今日僕から言うとすると、MIDI音源で構造は同じ、人間が弾いているのか音源なのかは、やっぱり違うと思って、それは人間が世界を把握する形式に関わる事だからだと思う。
2017-11-03 17:54:02三輪:あくまでもそれは人間にとってという但し書きが付く。機械がどう思っているかはわからない。 中ザワ:今の僕の言い方はMIDI,シミュレーションされたものだったが、最近は人工知能の深層学習の発達によって、むしろ歴史や文化をあたかも理解しているような状況はいずれ人工知能の方が勝る
2017-11-03 17:56:30中ザワ:「俺は広辞苑を信じる」というようなレベルで、人工知能を信じる事が起こる。 三輪:だから人工知能に対して新しい言葉を使った。人間にはできるけど人工知能にはできないという多くの言説があるが、僕は祈ることが出来ないと主張したかった。
2017-11-03 17:57:37中ザワ:知識か祈るかということだと、論理的か直感かというのと似た形式ですが、、 三輪:あまりにもざっくりとしすぎている。 古川:公平に考えると、三輪には前提がある。ポストモダンの時代、小さな物語がたくさんある。それを「物語が無くてはいけない」という前提は確かかというと違う。
2017-11-03 18:00:00古川:もっと違った価値を引き出すというのを同時に行いたい。そしてその先には信念とか前提だとかが現れる。 三輪:主張の意味は理解するけど、僕はそのように生きていく事はできません。 中ザワ:むしろ言いたいのは、機械の方が人間よりも深く祈れる事が起こりうるということです。
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